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はじめてのヒーローショー

先日、人生初のヒーローショー(シアターGロッソ『王様戦隊キングオージャーショー』シリーズ第1弾)観覧に行ってきました。何もかも新鮮で、とても感動したので記しておこうと思います。
※物語の内容についてはあまり触れませんが、ネタバレ回避したい方は目次を参考にして下さい。

チケット予約

第1話で王様たち心を奪われた私(30代)と娘(8)は第3話くらいに入ったCMでヒーローショーの存在に気付きました。幸運なことに東京在住なので、行きたいイベントには大概行くことができます。娘と顔を見合わせて「会いに行っちゃう…?」と情報を調べ始めるも、「幼稚園以下の子供ばかりなんじゃ…?」「ていうか本編に出てる俳優さんは居ないんだよね…?」など不安や疑問が噴出し、また私の仕事が立て込んでいたこともありしばらくスマホにチケット予約ページを表示させたままの日々が続きました。
仕事の山を越えたのと、ヒーローショー観覧経験のある友人に背中を押されてチケットの予約に踏み切りました。地方出身の私にとってヒーローショーは遊園地やショッピングモールの一角で行われるイメージでしたが、今回予約したショーの会場は東京ドームシティ内に作られたヒーローショー専用の劇場(!)で行われる公演だったのです。
チケットには色々種類がありましたが(ランダム写真付きプレミアムとか少しお得だけど後方座席になる親子セットなど)今回は一般席を選びました。プラス600円で握手会に参加できると知り迷いましたが、初観覧ということで様子見としました。
座席指定も迷いました。ステージ前のブロックの前列は埋まっていましたが、中央はまだ空いています。そして、通路を挟んだ前から2番目のブロックの最前列が埋まっています。これは、通路で何かが起きるということ…と思いつつ初めてなのでなるべくステージに近い中央の席を選びました。娘がレッド推しなので、真ん中なら間違いないはずです。

お出迎え

ショー当日。この日のために娘はレッド(クワガタオージャー)をイメージして作ったブレスレットと赤いワンピースを身につけ赤のネイルを塗り、私はブラック(ハチオージャー)をイメージして作ったイヤリングとネックレスに黒いワンピース、メイクもちょっとだけ意識して赤のアイシャドウにしてみました。推し活はこういうこところも楽しいです。
開場10分前に無事会場に到着しました。物販でペンライトを購入し、入場前にトイレに行っておこうと移動していると、聞き慣れた主題歌が爆音で流れ始めたので慌ててホール入り口前に戻りました。開演までの時間にレッドによる「お出迎え」があるのは知っていましたが、入場待ちの列だけでなく、ロープで区切られた入り口横にも人だかりができています。各々のスマホやカメラを手に撮影の準備をしているところを見ると、登場待ちなのでしょう。私たちもその中に加わることにしました。
ホールの扉が開き勢いよく出てきたのはもちろんクワガタオージャー!決めポーズに決め台詞のあと「応援してくれよな!」と入場待ちのお客さんたちに手を振ります。かっこいい!大きい!スラッとしている!などと興奮しながら、せっかくだし写真OKなら撮ろうとスマホを構えるとなんと私たちの方にも振り向いて手を振ってくれました。入場列にいない人たちにもファンサをくれるなんて、とサービス精神に驚きました。
トイレを済ませて入場列に並びます。前を行く小さな男の子がクワガタオージャーに握手をしてもらっているのを見て娘の顔に緊張が走ります。流れるように無事握手できた娘の後ろで私もドキドキしていましたが、当然スルーされました。そりゃそうだ。それにしても有料の握手会があるのに無料で握手してもらえるなんてすごいことです。握手会もお出迎えも発声応援もコロナ禍以降初解禁だそうで、ありがたみを噛み締めました。

開演前、お姉さん登場

指定席に座るとまあステージが近い!こんなに近くていいんですかという近さ。周囲にはやはり就学前くらいの男の子を連れた家族が多い印象を受けましたが、一人で来ている大人の方も普通にいて雰囲気がよかったです。この頃はまだ主題歌CDの発売前だったので、BGMとして流れているフルコーラスの主題歌や各国イメージソングに耳をそばだてました。主題歌の2番の演奏があまりにもキメキメで笑ってしまったり(ブレイクって最高ですよね)、トウフ国のイメソンの1番サビ「うそうそうそうそ嘘八百」が2番サビでは「マジマジマジマジマジ本気」になっていることに気づいて興奮したり忙しかったです。
やがてBGMが止まり、ステージに白いマントを身につけた司会のお姉さんが登場しました。キングオージャー用の衣装なのでしょうか。金の刺繍が入ったエレガントな衣装でとても素敵です。お姉さんの話し方がCMで聞いた「だってみんな王様なんだよ?」と同じで、なるほどと思いました。そういえば「僕と握手!」もネットミームとしてしか知らなかったので、その発信源に訪れて握手をありがたがっていることがなんだかとても不思議です。

開演、王様たち登場

※以下ストーリーに触れます


お姉さんがマントを翻しながら去って、いよいよショーが始まります。ステージがもうやりすぎなくらいキラキラ光ります。これが王様たちのいる世界への入り口…と惚けていたら見知らぬ女性がステージに現れて喋り始めたのでびっくりしました。テレビのキャラクター以外も登場するという考えがなかったので、設定を飲み込むまで少し時間がかかりました。どうやらGロッソ王国という国に不思議な力で王様戦隊が呼び出され、宝物を狙ってやってきたバグナラクたちをその国の王と共にやっつけるというお話のようです。
女性の窮地にレッド、ブルー、イエローがそれぞれの決め台詞をキメながら華麗に登場します。中でもトンボオージャー(ブルー)の独特な悪口「スカポンタヌキども!」に私は沸きました。「スカポンタヌキはここです!」と挙手したくなるほどです。戦いは舞台にとどまらず、前から2番目のブロック前の通路(なんと表現すれば…)にパープルとブラックが参戦します。私はまさか推しが客席登場とは思わず登場シーンを見逃してしまいました。それだけが今回の心残りです。しかし生で見るアクションは最高ですね。ポーズがいちいち格好良いし、ワイヤーを使ったアクションもすごいし、高いところから飛び降りる(または落ちる)アクションは、事前に友人から聞いていたにも関わらず想像以上の迫力で本当に驚きました。

音響トラブル

中盤あたりで音響トラブルが発生しました。音楽や効果音が鳴らなくなってしまったのです。そこから数分間、セリフのみで劇が進みました。少し戸惑いながらも演じ続けるアクターさんたち…そこへ大人の声援が飛びます。「がんばれー!」すぐに子供達も応援を始めます。「がんばれー!がんばれー!」まさか子供達より先に大人の声援を聞くことになるなんて。ここにいる人たちはヒーローの心を持ってる…と私は心底感動しました。
やがて音響が回復しないまま幕が閉じ、司会のお姉さんが再び登場。機材トラブルで中断したことへのお詫びと、このまま座って待機するようお願いされました。泣き出す赤ちゃん、怖がるお子さんが徐々に増えていく中待っているともう一度お姉さんが登場。まだ機材が回復しないので、もう少し待ってほしいと。そこで客席から拍手が起こりました。美しすぎます…!
それから数分経ってまたまたお姉さんが登場。もしかしたら中止のアナウンスをされるかもしれないと不安でしたが、機材が直ったとのこと。ステージ再開です!先ほどより大きな拍手と共に幕が開き、少し前のシーンから再開しました。プロジェクションマッピングを使った必殺技などハチオージャーの見せ場のあるシーンだったので、不完全な形とはいえ2回見れて得した気分になりました。

応援と前年度レッド登場

物語も終盤。王様たちは全員捕まり身動きが取れなくなってしまい、この状況を打開するには「光が必要」だということになります。そこでクワガタオージャーが「光はここにいる子供たち」「民は光、みんな宝物だ」というようなことを言ってくれます。そしてそれを守るのが王の努めだということも。ここでペンライトと応援の出番です!子供たちの大きな声援に包まれながら(そして自身も声を上げながら)私は泣きそうでした。
色々なことに迷いながら、時には間違いながら懸命に子育てをしている親にとって、子供のことを「宝」だと心の底から思ってくれる人がいることが、どんなに心強いか。これはクワガタオージャーのセリフですが、この作品に関わった大人たちみんなからのメッセージなのだと思うと胸がいっぱいになります。そのうえ、子供たちだけでなくここにいる皆が大切で、守りたいと言ってくれているのですからたまりません。大人はもう守る側で、誰かに守ってはもらえない。そのことは、年を取るごとに痛感します。でもこの王様たちの前では、私は守られる民のひとりになれるのです。こんな幸せなことがありますか。
会場(と私)の盛り上がりが最高潮に達すると、眩い光とともに神輿に乗ったドンモモタロウ(前年度レッド)がド派手に登場しました。表面張力ぎりぎりだった私の涙はここでスプラッシュ。ドンブラザーズはほとんど視聴していなかったのですが、神輿に弱い私はこの登場だけで惚れそうになりました。泣きながら「かっこいい〜〜〜」と呻いていても周りも盛り上がっているので大丈夫です。
協力?して敵を倒したあとドンモモタロウがクワガタオージャーの肩を叩いて「お前たちなりに人々を守っていけよ」と伝えていたのも胸熱でした。レッドの引き継ぎ尊いですね。

娘の反応、まとめ

盛りだくさんで大満足のショーが終わり、隣の娘を見るとペンライトを握りしめたまま、まだステージを見つめていました。「運動した後みたいにドキドキしてる」と呟くのを聞いて、一緒に来て本当に良かったと思いました。
私にとっても娘にとっても、生まれて初めてのヒーローショーでした。テレビで見るのと体格が違うし、声も違うし、セリフも解釈違いというか「こんなこと言うかなあ?」という場面もありました。でもその全てが新鮮で、楽しくて、圧倒的でした。テレビで見る人、それもファンタジー世界のキャラクターを生で見ることができるというのは本当に不思議ですね。見る者と見られる者。作る人、演じる人、お客さん。ヒーローショーは共同で作り上げる美しい幻想なのだと理解しました。トラブルも含め、素晴らしい体験だったので必ずまた見に行きます。
今回、前方中央の席にしたのは良い選択だったと思います。娘も憧れのクワガタオージャーと「ゼロズレ」だったととても喜んでいました。しかし通路を通る時にファンサが行われていることを知ったので、次回は2番目ブロック最前か左右通路沿いの席を狙いたいです。
あと何回王様たちに会えるんだろう、そう考えると今から切なくなりますが、お金を貯めてこれから来るであろう様々な供給に備えようと思います。微力ながら、民として、精一杯納税させて頂きます。

ありがとうございました!

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