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ケアマネを辞めるエビデンス 適職探し前編

ハトコです。

ケアマネを辞めると決め、転職準備中です。

現職ではせっせっと申し送りを進めております。辞めると決めたものの、いまさらながら妥当な判断だったでしょうか。ちょっぴり不安になり…。

※…と書き出しましたが、書くのに時間がかかりすぎて現在すでに無職となりました。

科学的な適職(著鈴木祐)を参考にして、現職がなぜ自分に合っていないと感じるのか考えてみます。

参考にさせていただくのはこちらです↓

この本は、科学的根拠(エビデンス)に基づき、「『キャリア選択』という正解のない悩みに答えを出す方法」を具体的に解説します。

・後悔の少ない意思決定をするにはどうしたら良いのか
・私たちに本当の喜びをもたらす働き方とは何か
・「人生の選択」という正解のない悩みにどうやって答えを出せばいいのか】

これらのベーシックな問いに取り組み、「自分が幸せになれる仕事=適職」を正しく選ぶ確率を上げていきます。

将来やキャリアを不安に思いつつ、なかなか一歩を踏み出せない方へ、「科学」という精度の高い判断軸を提示。

曖昧な精神論には頼らない、合理的な職探しを後押しします

Amazon商品ページより


本書では、「仕事の幸福度を決める7つの徳目」が紹介されています。これに沿って退職の妥当性を検討したいと思います!

 結論からまとめると…このような結果になりました。
(〇、△、✕で自分の評価を入れてみました)

〈徳目1〉自由 ⇒ △
〈徳目2〉達成 ⇒ ✕
〈徳目3〉焦点 ⇒ △
〈徳目4〉明確 ⇒ ✕
〈徳目5〉多様 ⇒ △
〈徳目6〉仲間 ⇒ △
〈徳目7〉貢献 ⇒ ?


それぞれの項目を詳しく考えてみました。


〈徳目1〉自由 ⇒  私の評価:△

[働く時間、ペース、スケジュールを自分でコントロールできる

ケアマネの仕事はひとり親方、とよく職場で話していました。いつ誰を訪問するか、どのような援助方針をたてるか等自身で決定できます。

半面、相手の都合にあわせなければならないこともありペースの調整は難しいところです。スケジューリング能力がものをいうところで個人差ありそうです。

職場の規則や収入などのに意見を言えるかどうかもここにはふくまれています。収入については1件当たりの報酬など国に決められており、赤字だといわれ続け「増やしてくれ」とは言いにくい。

規則については、現職では意見が受け入れられている実感がない印象。そもそも入職時に就業規則について説明されてもいませんでした(うちだけ?小規模事業所あるあるなの?)


〈徳目2〉達成  ⇒ 私の評価: ✕

[サービスを受けた相手の反応を見たり、仕事が進んでいる実感が持てる]


「ありがとう」が私たちの喜び、みたいなこと言われたりしますが、私自身はそれがモチベーションになることはありませんでした。
もちろんお礼を言っていただくことはありましたが、「仕事ですので」という感じ。人の役に立ててうれしい、仕事しててよかった♡とはなりませんでした。

利用者の生活は続いていくものです。ひとつ困難を乗り越えても、また新しい課題が次々生まれます。

感謝の気持ちをお聞きしながらも、「とりあえずしのげた…」という感覚で「次はどうやっていこうか」という段取りで頭がいっぱいだったような気がします。
感謝の気持ちをじっくり受け取り味わう余裕はありません。

しかもケース終了のほとんどは永眠や施設入所。
「これまでの支援でよかっただろうか」と煩悶しながら終了することも多々ありました。
 

〈徳目3〉焦点  ⇒  私の評価: △

[攻撃型または防御型のいずれかのパーソナリティにあった仕事か]


適職探しに有効と本書で紹介されている「制御焦点」という考え方。二つのタイプにあった働き方すると、能力が発揮されやすくなるそうです。

  • 攻撃型:目標達成で得られる「利益」に重点を置く。競争に勝ちたい、金や名誉など外的な報酬に影響を受けやすい。大きな夢がある。ポジティブ。

  • 防御型:目標を「責任」の一つとして認識。競争には負けたくない。義務を果たすことが最終的なゴールで、安全な場所が望む。失敗を恐れるため正確に注意深くものごとを進める。

これを自分に当てはめると完全に防御型です。「失敗を恐れる傾向が強い」「時間の余裕がない状況ではストレスが激増」と書かれていますが、まさにその通り。

ケアマネの仕事は事務系であり、防御型と言えなくもないですが、動きが激しく柔軟な対応が求められる点は攻撃型ともいえるような気がします。

私にとっては分析したり調整したりする部分では合っているようですが、スピードが求められる点があってしないのかもしれません。

また現職は妊娠、出産、子育ての時期と大きく重なっていることから、業務時間を著しく制限(短時間や平日のみの勤務)していました。それがさらに時間の余裕のなさにつながっていたのかもしれません。


〈徳目4〉明確  ⇒ 私の評価: ✕

[信賞必罰やタスクがはっきりしているか]


賃金の不公平感に私たちはとても敏感。信賞必罰が明確でない企業では社員の死亡率や精神病の発症率が上がるそうです。

「仕事で何を求められているのかわからない」「上からの指示が一貫しない」という職場で働く人は寝ても疲れが取れず、最終益に頭痛や胃痛などの症状に悩みやすい、とも本書では紹介されています。こ、こわ~~~!!

現職でいうと、賃金の不公平なのかどうかも私には分かりません。給与体系が明示されていないからです。

医師の方々の中には「お金の話は不道徳」といった価値観があるようですが、現職のオーナーもそのタイプではっきり給与について明言してもらえない傾向があります。

またケアマネ業務には24時間の電話対応(事業所による)があります。現職ではこの業務について1日当たりの報酬や手当がありません。
また誰が何日担当するかといったバランスについても無関心な管理者もいました。
なぜか現在でも、適当に当番が決まっています(正直嫌がって一番避けているのは管理者です…)。

〇〇件以上でいくらといったインセンティブ制も現職ではありません。事業所で(ほぼ一番ケースを多くを持ち続けていましたが、短時間勤務のためボーナス無しの待遇でした。

…改めて現職は長生きできなそうな環境です。

 

〈徳目5〉多様 ⇒ 私の評価: △

[業務内容が多彩で自分の持つ様々な能力を幅広く発揮できるか]


人間は同じことばかりしていると飽きてしまうそうで、日常に変化があると幸福感を得やすいそうです。

ケアマネの仕事の多様さはご存じのとおりです。介護保険や高齢福祉に関することだけでも大変なボリュームです。さらに医療も重要です。ご家族の状況によっては精神や身体障害の領域にも踏み込んでいます。

最近ではビジネスケアラー、ヤングケアラーへの対応を求められるようになってきています。

「なんでも屋」といわれるように生活のあらゆる場面にかかわります。
利用者やご家族も一人として同じ方はおられません。何年たっても驚きや学びがあります。

ケースの始まりから終わりまでの工程にかかわることができるのは、やりがいや責任感につながりっていくと思います。飽きず慣れずに成長をし続けられるのはケアマネの良い点だと思います。

ただ、この「多様」をガン無視するパターンが存在します。

「このサービスでやって」「とりあえずこれ入れといて」といった具合でいきなりオーダーかましてくるケース(オーダーしてくるのは9割医療系、1割は家族)です。

このようなケアマネのスキルや能力を十分に発揮できないのは、不満に感じています。アセスメントし分析して提案するというケアマネの要ともいえる職務を全く無視しているからです。

患者さんが医師の方にいきなり「〇〇という薬を寄こせ」と言ったら、「診察もしていないのに」「お前は医者か」となりますよね。
同じ状況なのでは、常々思っています。

さらにいえば、成長が報酬につながっていないところは課題ですよね。


〈徳目6〉仲間  ⇒  私の評価: △

[自分に似た人がどのくらいいるか、困ったときに助けてくれるか]


悪い人間関係が体調悪化につながる研究は山ほどあるようです。

半面、仲の良い人が職場にいる人生の幸福度が上がり、給与への満足度も上がる(!?)そうです。

この数年サポーティブな同僚に恵まれ仕事ができました。うまくいかないときには、チーム内で意見を出し合ってくれました。自分にはないアイデアでケースがいい方向へ向かうこともたくさんありました。

支援で消耗するような場面でも、話を聞いて精神的な支えになってくれました。
雑談で利用者さんの様子を伝えあっておくことで、不在時に対応してもらったこともしばしば。
物理的にも「ついでにやっておくよ」と自然にお互いを助け合えることが日常的にありました。

メンタルぐらぐらな上司や同僚に囲まれる時期が長かったため、これはありがたかったです。

でも、なまじっか同僚に愛着があるとそのほかの悪い点を正確に評価できなくなるのはデメリットかもしれません。

そして現職でもチーム外には、いきなり暴言を吐いて去っていくようなキャラクターもおり(本人なりには根拠はあったのでしょうが)、人間関係はやはり負担でした。

今回転職を決めたもの暴言が重なり疲れてしまったから、というのも一因です。

 

〈徳目7〉貢献 ⇒ 私の評価: ?

[自分が誰かの役に立ったと可視化できる]


満足度の高い職業として①聖職者②理学療法士③消防士…と紹介されています。これらは「他人を気づかい、他人に新たな知見を与え、他人の人生を守る要素を持っている」そうで、他人への貢献度が高い職業だそうです。

人に喜ばれるとドーパミンという神経伝達物質がでるらしいのです(ドラッグ不要でハイになれるらしい)。

これ、ケアマネってまんまこれじゃん、となりそうですが…。

え?私はドーパミン、出にくいタイプなの?
〈徳目2〉達成 でもあったとおり、相手からの感謝にヨロコビを感じにくい私。

なんでしょうね。ほかの要因に抑制されて感じにくくなっているのでしょうか。
曲がりなりにもケアマネを約10年やってこれたのですから、まったく喜びがないということもないような気がします。

これについてはもう少し結論保留にしようと思います。

 

以上が、私なりのケアマネにおける「仕事の幸福度を決める7つの徳目」についての考察でした。

現職については〇が一個もつかない…。きっとホンネが出ているような?
結論、退職でよかったんだね!と整理できました。もちろんケアマネが働きにくいということではなく、職場ごとや個人の資質の差が大きいのだとは思います。

この本を参考にして引き続き、現職での反省を生かし、職探しで避けるべきことも検討します。

後編で、求職にあたっての条件を考えてみようと思います。


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