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ハッピーで埋め尽くして!

3月16日、とうとうMUSASHI選手のみちのくプロレスでのラストマッチの初日がやって来ました。そして終わっちゃいましたね。もっとさびしくて悲しくて「MUSASHI~~~!!!!行かないでよ~~~~!!!!」って成人済み女性が矢巾の体育館で転がりながら泣き叫ぶはめになるのかと思ってたんですが、そんなことにもならず。個人的には清々しい気持ちでいっぱいです。
というわけで、3月16日のみちのくプロレス矢巾大会の感想を書いていきます。結果とか時間とか技名は公式ホームページからのコピペです。インターネット最高!!!


第一試合 15分1本勝負
○大瀬良泰貴(7分56秒、十字固め)郡司歩⚫

お手本のような十字固め

久しぶりに大阪からやってきた大瀬良選手。なんかもう若手とか言えない雰囲気になってきましたね。大阪では立派なヒールやってるし……。主戦場を大阪に移している大瀬良選手。私は大瀬良選手を観る機会がみちのくしか無いので、試合を観るたびに新鮮に成長に驚かされます。興行のリズムを作るのも、技術を見せるのも、第一試合が肝だと思っているのですが、大瀬良選手が試合を引っ張っていたな、という印象を受けました。同期のMUSASHI選手が団体を卒業した今、ここからの郡司選手に期待したい。

第二試合 20分1本勝負
○バラモンシュウ&バラモンケイ&ガイア・ホックス(7分5秒、エビ固め)ザ・グレート・サスケ&GAINA&のはしたろう⚫
※ランニングキック

きれいな誤爆

みんな大好きバラモン兄弟の時間です。ありがとうございます。
一貫してガイア・ホックス選手がご兄弟の弟?お子さん?みたいな感じでかわいらしかったです。ボーリングも標識攻撃もなんでもやりたがるガイア選手にやらせてあげるシュウ選手に「さすがお兄ちゃんだぜ!」という気持ちになりました。それとフィニッシュのシュウ選手のランニングキックめちゃくちゃかっこよかったです。最高。あと、ガイア選手の動きがすこぶるいいですよね。格ゲーそんなに知らないんですけど、格ゲーのキャラクターみたいな動きするのでびっくりします。
短い時間ながら満足度が高いのがご兄弟の試合だなあ……ってべた褒めします。好きなので……。

第三試合 30分1本勝負
○新崎人生(9分56秒、極楽固め)OSO11⚫

逃げられる気がしない

みちのくでは珍しいヘビー級同士の試合もしっかり組まれるようになったのは嬉しいですよね。これもOSO11選手が山からやってきてくれたおかげです。ありがてえありがてえ。
最初のロックアップから胃もたれするほどの重厚感!肉厚!アブラマシマシ!正直キャリアを考えたらOSO11選手のチャレンジ試合、となってもおかしくないんですけど、そういう雰囲気は全くなかったですね。OSO11選手がロープから返ってきた人生選手をベアハッグしたときは心が震えました。人生越えがそう遠くない未来に…くるか……?

第四試合 30分1本勝負
○ken45°&卍丸&レランパゴ(8分53秒、エビ固め)ヤッペーマン1号&ヤッペーマン2号⚫&日向寺塁
※タイガードライバー

ルチャドールのかおりがした

レランパゴ選手はめちゃくちゃルチャドール。これぞ!という動きでかっこよかったです。ただ入場曲が鳴ってるのに2階でウロウロしているのが見えたのでこっちがヒヤヒヤしました。間に合ってよかった。
すごくルチャの香りのする第四試合でした。やっぱりよく飛んでよく走ってって試合も好きだな。くるくる回って、走って、こっちの目が追い付かないような試合って楽しいよね。ルチャ・リブレだな~!って思います。

セミ 東北タッグ選手権試合(時間無制限1本勝負)
<挑戦者組>ラッセ&○山谷林檎🍎(11分56秒、ラ・マヒストラル)景虎⚫&義経<王者組>
※第34代王者が3度目の防衛に失敗。ラッセ&山谷が第35代王者組となる

みちのくっぽくて好き

この東北タッグ選手権試合、もうね、確実に今年ベスト3に入る衝撃でした。結果から言ってしまえばまさかのベルト移動。いやね、道場プロレスで林檎選手がラッセ選手と青森タッグだ!ベルト挑戦だ!みたいなことを言っていたのをニコニコ見ていたんですよ。そして本当に挑戦することになってね。言っちゃいけないですけど明らかにチャレンジマッチじゃないですか。勝ったら嬉しいなあと思って応援はしますが、まさかまさかですよ。

あの結末を誰が予想できたんだ

ただ、これ林檎選手のキャリアの浅さが成せる勝ち方だったんでは?と思っていて、林檎選手がめちゃくちゃキャリアが浅くて自力勝利もしていない状態で、しかも前哨戦も組まれてない。そうすると景虎選手も義経選手も、林檎選手のいいところ引き出して勝ってやろうって話になるじゃないですか。もちろん闘龍門で付き合いのあるラッセ選手のことはよく知ってると思うので、この技が来るな~とか、こういう動きするだろうな~ってなると思うんですよね。でも、林檎選手とは試合したことない、付き合いも浅い、そもそもよく知らない。ってなってると思うんですよ。そうするとどうしても『隙』が生まれますよね。そこを突いた結果、林檎選手の勝利に繋がったのかな~って思ってます。いや、勝手な妄想ですけどね……。
正直なところ、景虎選手と義経選手とのタッグとリマッチしたら勝つのは難しいと思います。もう手の内が分かってるし、警戒するし、景虎選手も義経選手も、純粋な実力でいったら林檎選手より上ですよ。でも、ただ、林檎選手が今日だけ、この日、この一回を勝つにはこれしかなかったんじゃないか。ただ、この一回っていうのが東北タッグ選手権試合だったっていう……。

本当にめでたい

試合後、セコンドについてたヤッペーマン2号選手が「勝っちゃったよ!!」って言いながら歩いてたんですけど、マジで「それな!!」ってなりました。善戦してほしいという気持ちはもちろんありましたけど、まさかベルトを取るまでは望んでなかったんですよ!びっくりだよ!!フォール取られた景虎選手より先に頭抱えちゃいましたよ。びっくりしすぎで。
そして仙台大会では林檎選手からバラモンケイ選手が勝利して、5月4日の青森大会でのタイトルマッチが決定しました。しかもハードコア。は、早い!展開が早い!ハードコアでのタイトルマッチってみちのくだと卍丸選手vsバラモンシュウ選手の東北ジュニア戦以来ですかね?本当にむちゃくちゃ楽しみです。車のドアの上にゾンビキングしてくれ~~~~!!!!

メイン MUSASHIみちのくプロレス卒業マッチVol.1(時間無制限1本勝負)
○DOUKI(26分49秒、スープレックス・デ・ラ・ルナ)MUSASHI⚫

紙テきれいだったね

そしてメインはMUSASHI選手のみちのくプロレス卒業マッチです。DOUKI選手が数年ぶりにみちのくプロレスに参戦ということで、入場してきたとき、MUSASHI選手が東北ジュニア取った試合を思い出しましたよ。ああ、あの時、MUSASHI選手の隣にはDOUKI選手がいたな~って。言い方がちょっとアレなんですけど、走馬灯みたいに映像がグルグルと頭の中を走りました。

黒と白

DOUKI選手に続いてMUSASHI選手が入場してきたとき、これで(矢巾では)最後か~ってなって、心臓あたりが熱くなりました。そして白いキラッキラのガウンを着たMUSASHI選手と、黒いガウンを着たDOUKI選手が対峙した瞬間、この二人はどれだけこの時を待ちわびていたんだろうなと思うと、なんだか胸が苦しくなりました。MUSASHI選手がメキシコへ海外へ武者修行に行ったとき、DOUKI選手がそこにいて。たくさん一緒に試合して、二天一流の開発に付き合ってもらって、日本に戻ってきて。MUSASHI選手はみちのくプロレスで、DOUKI選手は新日本プロレスで試合をし続けていて、そこから長い長い時を経て、みちのくプロレスの、聖地矢巾のメインに二人で立っている。

「卒業すんだろ?」

なんか、もう、こんなん、心が震えるじゃないですか。

試合については技術面なんてものは詳しく語れませんけど、後半の怒涛の場外へのトペ!エプロンサイドの攻防!はかなり間近で観られたのですごく興奮しました。DOUKI選手の息遣いが、MUSASHI選手の表情が、この耳でこの目で感じられるのはやっぱり生観戦の醍醐味だよな~と嚙み締めました。
あと気になったのは、MUSASHI選手のトペ・コンヒーロの後、場外で倒れてるときにMUSASHI選手がDOUKI選手の腰あたりをポンポンって叩いたんですよ。なんかあれって、「受け止めてくれてありがとう」とか、「大丈夫?」とか、何かしらのメッセージが込められてんのかな~って勝手に思って、すごくグッときました。

飛ぶ方も受ける方もすごい

それに、途中でDOUKI選手が場外から戻ったときに、すぐに立てなくて、レフェリーが話しかけてたんですよ。その時だけちょっと嫌な予感がして、腰か足をやっちゃったのかと思って。でも、その後すぐに試合が再開して、なんならDOUKI選手が攻め込んでて。もうプロってすっごいよなって改めて感動。
どちらも攻めの姿勢を緩めることが無くて、MUSASHI選手、DOUKI選手、どちらが勝ってもおかしくないな~って思って観ていたんですが、後半のMUSASHI選手のダルマ式ジャーマンとロコモーション式のジャーマンで私のテンションは最高潮。佐々木大地時代の奥の手といえばこの二つ。決まれ!決まれ!と願いながら見守りました。
そして、26分49秒のMUSASHI卒業マッチの結果は、DOUKI選手の勝利で幕を閉じました。

座礼

試合後にマイクを持ったDOUKI選手。何を話してくれるんだろうかと心待ちにしていると、「MUSASHI……いや、佐々木さん」との言葉。そうか、MUSASHIさんでもなく、大地さんでもなく、「佐々木さん」なのか……。
あとこの時のDOUKI選手の声がね、ほんっとうに優しかったんですよ。こういう風にMUSASHI選手に話しかけてんのかなって。言葉を選ばずにいうとめちゃくちゃ『愛』を感じたんですよ。愛情だったり、友愛だったり、そういった類の感情が乗ってるなって。

なんかプロレスって、大掛かりで長期に及ぶストーリーがあったり、抗争があったり、因縁とか、不仲とか、そういった感じの試合もあるじゃないですか。もちろん私もユニット抗争とかイデオロギー戦争とか好きなので、そういうのもテンション上がるんですけど、MUSASHI選手とDOUKI選手の間にはそういう不穏なものは一切ないんですよね。MUSASHI選手が新日本プロレスに参戦したときに一回試合しましたけど、このシングルマッチに向けて何か前振り的な大掛かりなものがあるかというと、そうじゃない。言ってしまうと、これまでの二人を繋ぐのはメキシコでのたった一年にも満たない蜜月だけなんですよ。MUSASHI選手からしたらDOUKI選手とガッチリ絡んでたのは15年のキャリアの内のたった一年。それでも、デビューから今まで所属したみちのくプロレスでの卒業マッチの相手にはDOUKI選手を選んだ。「佐々木大地」から「MUSASHI」へと変貌を遂げたとき、蝶のように羽化したとき、隣にはDOUKI選手がいたんですよ。だから、卒業マッチの相手に選んだ。その一年足らずの期間が、MUSASHI選手のプロレスラー人生の中でどれだけ重要な期間だったのか
私は、MUSASHI選手とDOUKI選手がシングルマッチで闘って、素晴らしい試合を目の当たりにして、こういう人の心や感情を動かす試合っていうのは、必ずしも長期間に及ぶ歴史や、因縁や、抗争みたいな部分は無くってもいいんだなあと思いました。友情だったり、愛だったり、信頼だったり、ハッピーな気持ちだけでもいいんだな、と。

そんな風にエモい気持ちになっていたら、DOUKI選手が「みちのくプロレスのグループLINEを抜けていない」って話をし始めたのでめちゃくちゃ笑いました。なんの話をしてるんだ。抜けろ抜けろ
そして、DOUKI選手が「佐々木さんが世界ジュニア、自分がIWGPジュニアを取ってまた試合をしましょう」と言っていて、ああここからまた二人の物語は繋がっていくんだ~って思ったんですよ。MUSASHI選手はみちのくプロレス所属としてはいったん卒業だとしても、この二人は当たり前にレスラーを続けて、またどこかで行く道が重なったときに試合したりするのかな~って。その時にはもしかしたらお互いがチャンピオン同士だったりするのかな~とかね、妄想がはかどるね。よく分かんないけどチャンピオンになったら二人でみちのくに凱旋してくれ。

その後、DOUKI選手の言葉を受けて、MUSASHI選手が「自分から喋んないのにずっと一緒にいてくれてありがとう」的な話をしていて、「やっぱり自覚あんのかよこいつ……」ってなりました。でもMUSASHI選手って話さないイメージ持たれがちだと思うんですけど、めちゃくちゃ話しかけると全然返答はしてくれるんですよね。だからDOUKI選手もMUSASHI選手にいっぱい話しかけたんじゃないかなあって思います。
最後に、MUSASHI選手が「最後じゃないんだから、湿っぽくならないでほしい」というような話をしていて、これからもMUSASHI選手のレスラーとしての人生は続くし、一生のお別れじゃないし、またどこかで会うこともあるから悲観的になることはないかな、って私も思えました。MUSASHI選手が卒業を発表してから全然受け入れることができなくて、道場プロレスで号泣したりとかもあったんですけど、この日、ようやく卒業を受け入れられました。佐々木大地時代のフィニッシュ技を久しぶりにこの目で見たり、DOUKI選手が来てくれたことで「MUSASHI」として帰ってきたあの日のことを思い出したら、なんとなく、準備ができたんですよ。心の。だから個人的にはハッピーエンドな気持ちで興行を終えることができました。

MUSASHI選手は15年所属したみちのくプロレスを飛び出して、新しい道へと進んでいきます。とりあえず、直近は全日本プロレスの世界ジュニアのベルトへ挑戦。MUSASHI選手ならきっと大丈夫。信じてます。
これまで私がみちのくプロレスのファンとしての過ごした期間の中で、MUSASHI選手はずっとリングにいました。道場プロレスにも、本興行にもMUSASHI選手はいてくれて、毎試合、全力で闘う姿を見せてくれました。当たり前にいたMUSASHI選手がいなくなるのはちょっと寂しいですが、MUSASHI選手の新しい門出を心からお祝いしたいです。そしてまたいつか、みちのくプロレス出身のレスラーとして、みちのくプロレスのリングに戻ってきてくれたら嬉しいです。
MUSASHI選手がこれから歩む道が、たくさんのハッピーで埋め尽くされますように!

BGM:米津玄師 - KICKBACK/RADWIMPS - 大団円 feat.ZORN


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