私にとってクルマは盆栽である
電気系トラブルのため、クルマを1週間預けていた。
預けている間、駐車場を見るたびにクルマが無いのが寂しいのだ。
ペットがいないというか、相棒がいないというか、なんとなく寂しくなる。
以前乗っていたクルマは最新のVW車で、何もトラブルなく毎日快適だった。だがそれがまったく面白くなくて、全然乗る気にならなかった。それが今のオンボロ空冷になった途端、楽しくてしょうがない。
とにかくいつもどこかが壊れている。が、直さなくてもなんとかなる。ちょっと工夫して乗っていれば、なんとかなる。でもやっぱり直すと安心して乗れる。次はここが気になる。そこが壊れる。の繰り返し。
経年劣化によってゴムやパッキンはボロボロだし、ボディは傷だらけ。常に修復と手入れと整備を繰り返して、乗るというより乗らせてもらう的な感覚。
年間のうち数日間だけは気持ち良いが、それ以外は暑いか寒い。雨が降ると車内はビショビショだし、雪が降ったら駐車場からも出れない。
ガソリン臭いし、オイル臭いし、排ガスも臭い。ついでに排気音もうるさい。ほとんど移動手段として成立していないが、これまで所有したクルマの中で一番気に入っている。
洗車してホコリを落とし、コンパウンドを掛けてワックスを掛ける。サビを落として金属を磨く。ホイールを磨いてタイヤワックスを掛けて完了。ピカピカになったクルマを眺めて、うっとりとする時間が最高の休日である。
私にとってクルマは乗り物ではなく、手入れをして愛でることができる美しい存在。ほぼ盆栽趣味と一致している。