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VRChatの賑わいの中で感じる、かすかな孤独という名のノイズ


皆さん、こんにちは!今日も今日とてVRChatを徘徊しているみっちーです。

おかげさまで、フレンドとワールドを巡ったり、イベントを企画したりと、VRChatライフを満喫している毎日です。
ですが、笑い声が飛び交い、楽しい時間を共有しているはずなのに、
ふとした瞬間に、胸の奥に小さな、でも確かに存在する寂しさを感じることがあります。

まるで、賑やかなパーティー会場の隅で、自分だけイヤホンで耳を塞いで
別の音楽を聴いているような。
周りの楽しそうな声が遠く聞こえ、自分だけが透明な壁に隔てられているような、そんな隔絶感。

もちろん、VRChatでの出会いは素晴らしいものです。現実世界では決して出会えなかったであろう人々と繋がり、共感し、笑い合える。でも、アバターを介したコミュニケーションは、どこか表面的で、心の深い部分までは届かないのではないか、と感じてしまいます。

以前の記事で、私たちは皆、何かしらの「仮面」を被って生きているという話をしました。VRChatでのアバターも、その一つです。理想の自分を演じ、現実の制約から解放されることができる反面、完璧なアバターの裏に隠された、ありのままの自分をさらけ出すことへの躊躇も生まれます。

「こんなことを言ったら、この楽しい雰囲気を壊してしまうかもしれない」
「こんな弱音を吐いたら、相手はどう思うだろうか」

そんな思いが頭をよぎり、結局、当たり障りのない会話に終始してしまう。相手もまた、同じように仮面を被っているのかもしれない。
そう考えると、目の前にいるアバターが、本当は何を考えているのか、分からなくなる。

物理的な距離感も、この寂しさに拍車をかけているのかもしれません。
隣にいるのに触れられない、温もりを感じられない。画面越しに見える笑顔は本物だろうか?ふとした表情の変化を読み取ることができないもどかしさ。

もちろん、VRChatの中にも、深い信頼関係を築ける人もいます。
時間をかけて、お互いの素顔を見せ合えるような、そんな貴重な出会いもあります。しかし、そうした関係を築くまでには時間がかかりますし、誰もがそうした幸運に恵まれるわけではありません。

この孤独感は、決してVRChatに限った話ではないのかもしれません。SNSでの繋がりが当たり前になった現代社会において、私たちは常に誰かと繋がっているようでいて、実は深く孤独を感じているのかもしれません。

自己意識は他者との関係性の中で初めて成立する
(引用元 - ドイツの哲学者ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル)
これは、私たちが自分自身を認識するためには、他者の存在が不可欠であることを示唆しています。VRChatでは、アバターというフィルターを通して他者と関わるため、時に自分の存在意義や相手との関係性に曖昧さを感じてしまうのかもしれません。


「私たちは他者からの評価や反応を通して自己を認識する」
(引用元 - アメリカの社会学者チャールズ・ホートン・クーリー)

SNS上の「いいね」や「リプライ」は、私たちに承認欲求を満たしてくれる一方で、常に他者の評価を気にしながら行動してしまう側面も生み出します。


上記を鑑みるに、VRChatは、手軽に他人との繋がりを得られる場所であると同時に、その繋がりの脆さや、深みに気づかされる場所なのかもしれません。

このかすかな寂しさを解消するために、僕が意識していることはいくつかあります。

・少人数での交流を大切にする:  大人数でワイワイ騒ぐのも楽しいけれど、心の底から繋がりたいと思うなら、少人数でじっくり話す時間を持ってみましょう。
例えば、共通の趣味を持つ仲間と、お気に入りのバーチャルワールドの隅っこで、熱い音楽談義を交わす。最近あったちょっとした良いことを、顔を見ながら(アバターだけど!)報告し合う。そんな何気ない時間の中に、思いがけないほど温かい心の繋がりが生まれる瞬間があるはず。
もし、話すことが見つからなくても大丈夫。ただそこに一緒にいるだけでも、心地よい安心感が生まれることもあるから。

・自分の気持ちを正直に伝える勇気を持つ: もちろん、相手に配慮することは大切ですが、時には自分の弱い部分を見せることも、相手との距離を縮めるきっかけになります。

・VRChat以外のリアルな繋がりも大切にする: VRChatはあくまでも現実世界の補完。リアルな友人や家族との時間も大切にすることで、心のバランスを保つことができます。

・「寂しい」と感じる自分を否定しない: 無理にポジティブになろうとするのではなく、自分の感情を受け入れることも大切です。

VRChatで感じるこのかすかな孤独は、決して悪いものではないのかもしれません。むしろ、私たちが本当に求めている繋がりとは何かを改めて考えるきっかけを与えてくれる、貴重な感情なのかもしれません。

もし、あなたもVRChatの中で同じような寂しさを感じているのだとしたら、あなたは決して一人ではありません。僕も、そしてきっと多くのVRChatユーザーが、同じような思いを抱えているはずです。

この小さな孤独を抱えながら、それでも私たちはVRChatで誰かと繋がりを求め、共に笑い合おうとしています。その姿は、どこか切なくもあり、そして力強くもあるように思います。

それでは、今日もVRChatのどこかで、あなたと心を通わせられる瞬間があることを願っています。


この記事を読んでくれたあなたへ

今回の記事は、少し内省的な内容になりました。もし、あなたがVRChatでの孤独について何か感じることがあれば、ぜひコメントで教えてください。あなたの経験や考えを聞かせていただけると嬉しいです。

PS. VRChatのアバターと自分との間で悩んだら、映画『her/世界でひとつの彼女』がおすすめ。AIとの恋愛を描くSFですが、きっと共感できるはず。
デジタルな繋がりについて深く考えさせられます。


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