15、女が働くという事。
2日後の朝、もうこれ以上社長を待たせられないと思い夫に先日の話をした。
彼は寝ぼけたまま朝のテレビを眺めていた。
彼の頭が朝は働かないことはよく知っている。15年一緒にいるのだから。あとで「聞いていないよ。」と言われる可能性もあると思っていた。
でも彼は、とても喜んでくれた。
「そっか、良かったじゃん。頑張って!」
思いの外あっさりと承諾してくれた上に、心から喜んでくれているようで安心した。まずは家族は大丈夫だ。社長に報告できる!
数日間の胸のつかえが取れてその日の午前中はぐったりとして動けなかった。夫に「2ヶ月後、仕事を始めようと思っているの」とひとこと言うだけなのに、こんなにも緊張していたのか。
午前中のお掃除は省略して、ソファーに横になるとお昼までぐっすりと眠った。
中学生と高校生のいる専業主婦の生活は思っていた以上に不規則だ。
何か運動がしたいとヨガ教室に通ってみようとしたけれども、結局子供の用事や家族の事情で行けないことも多く、続けられていない。
今は気が向いた時にストレッチや以前習ったヨガを思い出しながらやる程度で、自分の身体をいたわる暇など皆無だ。
家族の事情に100%左右される生活なのだ。
それが私の、専業主婦という仕事だ。
最初の3年くらいは「専業主婦も悪くないな!」と思っていたけれども、社長の言う通り専業主婦が一生務まる性格ではないのかもしれない。
お昼まで眠るなんて久しぶりだ…
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