生理不順と入院と全身麻酔②
昨日書いた文章に2か所ほど訂正ありました
✖「大きい病院紹介しますのでそこで手術してください」
〇「大きい病院紹介しますね」
→ここで倒れました(雑魚)
✖大きい病院に半年以上待たされた
〇実際は五か月ぐらいでした
続き行くよォ~
10月頭ぐらいに病院から急に連絡来て急に上旬に入院決まった。
一応6月ぐらいに入院のオリエンテーション受けたんやと思う
それで事前に渡されてた冊子見ながら入院の準備。
でかめのリュック一個に収まったと思う。
幸い?自分の住んでた場所から5駅ぐらいのとこで移動楽やった。
入院開始。個室に通される。
個室って入院費高くね?嫌なんですけど…と思いながら初日は(確か)山のように検査した。
診察やら問診やらCTやら心電図やら採血やらMRIやら。
なんか最初に「癌だった場合、ご本人にお伝えしてもいいですか?」
と神妙な面持ちで伝えられた。
え?癌疑惑あるとか初めて聞いたんだがと動じながらも同意。
知らずに死ぬよりはええよなあと。
そして初めてのMRIにビビリ散らかしながら(閉所恐怖症)入室。
健康診断かなんかで母が事前に受けており、感想を聞いていた。
「あたしどんなもんかと思ってね、目開けたまま入ったんやけど相当しんどかったけんやめた方が良いよ」
アホである。
他にも胃カメラを初めて飲んだ時に麻酔を使うことを推奨されたらしいのだが、何故か麻酔を断って相当苦しい思いをしたらしい。アホである。
MRI専用の服に着替えていざ筒の中へ、と思いきや
「胃腸の動きを抑えるための注射打ちますからね」と。
そんなん聞いてない!と内心めっちゃパニック。
冷や汗と手汗と足汗と全身汗止まらん。
看護師さんに「注射怖いんですけど痛いですか?(小並感)」
と恥ずかしげもなく聞く。恐怖優先。
そしたら「うーんちょっと痛いかもしれません」
おわった。
左肩に打つんやって。そんな場所小学生の時の判子注射以来やん。
怖すぎてマジで半泣きになって
「怖いですーううー」と呻く。
「大丈夫よ、すぐ終わらせるから」
オギャり全開にした時の看護師さんの頼もしさは異常。
「チクっとするよー」
打たれた。針が皮膚にめり込む。
「あだだだだだだ」「大丈夫やからね」
でも不思議とそんなに痛くないのである。
恐怖で思わず痛いリアクションを取ってしまうが、実は自分は痛みに強いらしい。あと看護師さんのスキル。
一番怖い注射を乗り越えMRIの中へ。
ぶっちゃけ消化試合だった。
目を瞑っていればナニモワカラナイ。
機械音や金属音が断続的に聞こえる空間。
何分間スキャンされたかわからんけど気が付いたら終了。
目を瞑りさえすればMRIよりも注射の方が何倍も怖かったのだった。
まずいと聞いていた病院食普通にうまいし、それ以外の時間はあつ森で建築。ちょうど3年契約の仕事を終え休職期間中だったので、特に日々何かに追われていた訳ではないが強制的に非日常感を味わえて良かった。
でも3日かそこら過ごして全く手術の予感なし。
併設されたコンビニでお菓子買いまくって一人お菓子パーティしたりぶっちゃけめっちゃ楽しかった。
消灯時間に寝てなくて巡回する看護師さんに怒られたりもした。青春?
だがこの日々は長くは続かなかった。
「明日手術なのでコンビニでナプキン買っておいてくださいね」
終わった。
そうだ、自分はビジホに無限宿泊しに来たわけでも介護施設に入所した訳でもない。他でもない手術のための入院だった。
翌日(多分)採血。
「お昼ぐらいに迎えに来ますんで着替えといてくださいね」
今でも手術着の手触り、重さ、色形を思い出せる。
そして気分が悪くなる。
なんか内側と外側の紐を交互に縛って着るやつ。
つま先の空いた着圧ニーハイソックス。
これを装備してお迎えを待った。
スマホを見るも気もそぞろ。
ガチビビリながら吐き気に襲われる。
何分待ったであろうか。お迎えが来た。
「行きますよ鳩飼さん、緊張してます?」
「はい(小声)(震え声)」
「そうですよねぇ」
エレベーターで移動する。
なんか長い廊下を歩く。緑色の景色。
手術着を着た人間が沢山居た。終わりだ。
そして如何にも「ここにラスボスが居ます」みたいなでっかい扉の前に座らせられる。
名前、生年月日確認。
本人認証完了。
しばらくしてでかい扉が開け放たれた。
「よろしくお願いしまーす」「よろしくお願いしまーす」「よろしくお願いしまーす」
何人もの声が不揃いに届いてきた。
自分も一応「よろしくお願いしまーす(小声)」と挨拶。
「じゃあここに寝てくださいねー」
「はい…」
仰々しい設備。間違いなく手術はここで始まるのだ。
タオルやらが敷かれた無機質なベッドの上へ乗る。
「じゃあ手首にチューブ通しますねー」
やられた!また針だ!酸素マスクみたいなのを付けられて終わりじゃないん!?現実は浅い医療ドラマみたいにはいかない。
手の甲に針を刺される。
もうこの辺緊張しすぎて針の苦痛も乗算されてほんとにこの世の終わりみたいな感情になってた。
というかめちゃくちゃ吐きそう。息が苦しい。
パニック障害という状態を認識したことがないけど、多分これがそうなんだろうなと思った。
本当に吐く!やばい!と思いながら浅い呼吸を繰り返す。
「あの、」と言いかけた瞬間「眠くなるお薬入れますねー」
手首の針から冷たい液体が元々あった血液を血管から押し出すように侵入してくる。
それと同時に意識がフッと消えるのを感じたが、その瞬間に手術着をシュバっと脱がされた感覚が最後に残った。ああ、これ男女混合の場所で全裸を晒したのだな…とモヤっとした。せめて意識が落ちきっていてほしかった。
「鳩飼さん!」
看護師さんの呼ぶ声で目覚めた。
ガラガラガラとベッドで運ばれている。
「なっちゃん!」
母も居た。
2022年時点、未だコロナ禍中であったので両親のうち片方しか呼ばれなかったらしい。
体感数秒。めちゃくちゃ疲れていた。
もっと寝させろと思った。
「あの」ナガノさんは麻酔大好きだそうだが、クッソビビリな自分はもう二度とあんな目には遭いたくないと思った。
噂通り全身麻酔は秒で意識が落ちた。
睡眠とも違う不自然な感じ。
睡眠が「寝る」「起きる」なら
全身麻酔は「落ちる」「戻る」って感じ。
安楽死するならこの「落ちる」感覚で逝けるんだろうなと思った。
ヘソやその周りに数か所穴を開ける腹腔鏡手術だった。ちなみにこの時からヘソがちょっと変になった。
手術は無事成功で、別に癌でもない良性腫瘍だったらしい。
卵巣も残せたと。要らないのになぁ。
欠損すれば「子を持て」と煩い世間を黙らせて憐れんで貰えるのに。と少し残念だった。
山場を乗り越えた、かのように思えたが、本当の地獄はこれからだった。
区切ります。次で最後です。