眼瞼下垂手術体験記

自分は生涯で二回手術を受けたことがある。
一つは前述した卵巣嚢腫。
もう一つは眼瞼下垂。

ご存じの方はいるだろうか。


眼瞼下垂(がんけんかすい)とは、先天的理由、後天的理由(眼筋疾患・加齢・コンタクトレンズ装用・自己免疫疾患等)により、上眼瞼(上まぶた)の機能に障害が生じ、瞼が開きづらくなる疾病の一つ。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

こういうのがあるのだ。(ずんだもん)
例えていうなら、ミヤネ屋の宮根誠司さん、和田アキ子さんなどが比較的最近この手術を受けていた。

自分は間違いなく先天的で、両親家族共に全員一重で目が細い。
完全に遺伝である。

幼少期の頃はほぼほぼ容姿に拘りがなかったので、誰かと比べたりコンプレックスを抱くようなこともなかった。写真は嫌いだったが。
また、目が細いことで小学生の頃は同級生に「なっちゃんそれ前見えとるん?」
と訊かれ、自覚もコンプもなかった自分は
「うん!こうしても見えるよ~」(極限まで目を細める)
といったサイレントいじめ(本人の自覚のないいじめ)を受けた。
当時は鈍感で良かった、と後々になって心から思った。

だが中学に上がる頃には流石に容姿コンプや人格コンプ、HSPや発達などの問題が頭にチラつくようになってくる。

多分鬱を発症したのは中学からだ。
また別記事で書こうと思うが、とにかく人間社会に溶け込むのがしんどすぎて当時は頭がおかしくなっていた。
今もおかしいのだが。

それはともかくとして、周りが色気づきだす年頃。
自分もそれなりに容姿が気になるようになる。
なんだこの眉毛は。なんだこの鼻は。目は。
とにかく鏡を見れば気になる箇所ばかり。
親に聞いてみても「別に普通よ」との返答。

幸い中学高校で細目弄りをされることはなかったと思う。

専門学校に入学する頃には化粧を覚えなければ!ととにかくキャンメイク中心に化粧品を揃えた。安くて性能のいいキャンメイクは神である。

これは完全に自分の偏見なのだが、日本人には"都会顔"と"田舎顔"が存在すると思っていて、地元の四国から大阪へ上京(?)してきた折に感じたのはそれだった。
視界に入る人ほとんどがなんか垢ぬけているのだ。
顔の造りから違う。中には田舎にも都会顔は存在したと思うが、都会にはあまりにもその数が多すぎるのだ。
そしてその存在達はまた自分を自覚無くコンプ沼へと突き落とした。

手術に踏み切ったのは学校を卒業して一年後だった。
その頃は所謂「キャンマジ5番」ぽいクソデカ黒コンやアイプチでどうにか凌いでいた。
…のだが、当時交際していたモラハラ男の勧め洗脳で手術を決めた。
(すっぴんを見られると明らかに嫌そうな顔をされる、など当時は様々なモラに遭っていた)

これがキャンマジ5番だ。

今となっては結果よかったのだが、他人の圧で任意の手術をするなんて正気の沙汰ではないので、みんな逃げようね!


二つの病院でカウンセリングを受けた。
一軒目では「これは保険適応外ですねー」と断られた。
二軒目では「保険適応で行けますよ」とのこと。
ここは美容整形外科もやっているし、説明も親切で分かりやすく、親身になってもらえたのでここにしよう!…と思ったのだが、

初めての手術。局所麻酔のみ。時間も2時間前後と長い。
かなり悩んだ。が、好条件すぎて諦めるには勿体ないと思ったので、
数日悩んだ結果、ここに決めたのだった。

同意書には「手術当日は目が腫れて流血する場合がある」だの、恐ろしいことが書かれていた。
痛みにはめっぽう弱い(と思っていた)ので、事前に
「ロキソニンを飲んできていいですか?」と聞いて、OKを貰えた。

手術当日。徒歩で行ける距離の病院だった。8月だった。
ロキソニンを飲み、恐怖心を押し殺しながら歩みを進める。
病院に到着し、手術台に寝転ぶ。鮮烈な体験だったはずなのにそんなに覚えてないので不思議だ。


まず最初に瞼への麻酔。怖すぎて「怖いです怖いです」と看護師さんに泣きつく。「大丈夫やからね」と手握ってくれた。オギャった。だが全然痛くなかった。ロキソニンが効いていたのだろうか?
続いてジャキジャキと音を立てて切られる皮膚や脂肪。痛くはないが感覚はある。
「今脂肪切ってまーす」とか実況されたような気もする。
時間が経過すると少し痛みが戻ってくるので、その度に注射で麻酔を追加してもらう。注射が嫌いなのに自ら注射を求める自分に矛盾を感じたりした。

時々目を開けるよう促されたりした。
途方もなく長い時間こうしているような気がした。ここまで来ると怖いという感情は既になく、何を考えていいのかを考えていた。

長い長い時間を横たわっていたが、「終わりましたよ」との声がかかる。
ゆっくり起き上がる。軽い説明を聞き、帰宅。
幸いにも帰宅途中流血することはなかった。

手術前。アイプチとでかいカラコンでなんとか。
術後すぐ。めちゃくちゃ腫れた。
術後一週間ぐらい。多分抜糸後。すっぴん裸眼。


当時はカラコン、つけま、アイプチを使用していたので、頑張って化粧しても30分は掛かった。
現在は一番手を抜いて10分前後で家を出られる。
めちゃくちゃ時短になった。

料金も保険適応で5万とか。普通の整形なら20~30万は掛かると思うので、糸目民の参考になればなによりである。

手術のメリット

・コンプ解消したのもそうだが、眼瞼下垂といえば瞼があまり上がらない為、デコを上げて視界を広げる必要があるので、そのせいで二次障害の慢性的な頭痛、肩凝り、鬱などを発症する。
その必要がなくなったのはかなりデカい。

・化粧の時短。

保険適応で5万前後。

これは整形ではなく病気なのだ。整形級に捗ったのは言うまでもないが。
きっかけがなんであれ結果的には受けてよかった。

以上です。ご覧いただきありがとうございました。


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