ブルネイ・ダルサラーム国訪問
ブルネイ・ダルサラームという国を知っている人はこの国にどれだけいるだろうか。
あるいは名前を知っていてもこの国がどんな国で、どこにあるのかわからないという人は多いだろう。実際、自分の周りにも正確な位置を言える人はかなり少数であった。
ブルネイという国は赤道付近のボルネオ島(カリマンタン島)に位置する立憲君主制を採る小さな王国である。首都はバンダルスリブガワンにあり、石油と天然ガス、そしてマングローブ林観光で稼いでいる。
周りの人がヨーロッパ諸国へ赴く中、どうしてそんなところへ行くのか?と思う方も多いだろう。事実僕も母に「そんなところへ行って何があるの?」と言われた。
なぜこの国を選んだか、それはこの国特有の政治体制である。
1984年までこの国はイギリスの領土であったが、独立を達成し今日まで至る。前述の通り、この国は憲法が置かれ、国王と首相が別に存在している「立憲君主制」の形を取っている。しかし、この国では国王であるハサナル・ボルキア・ムイザディン・ワッダラーが首相・国防相・蔵相を兼任し、実質的な統治を行う「絶対君主制」とも言えるような体制になっているのである。
ちなみに国政選挙は一切行われず(一応政党は三つあるのだが)、閣僚は全て国王が指名する。が、国民は特に不満を持たず、各建物には国王夫妻の写真が飾られている。
そんなブルネイの特異な環境下で市民はどのように生活しているか。それを調査するため、当国へ赴いた次第である。