結婚して一番良かったことは、もう恋愛しなくて良いということ。

小学1年生の時の話。

学校の中庭にて、授業で育てている朝顔に水をやっていると、

同じクラスのAちゃんが「はちるなちゃん、いいなー、羨ましい…」と話しかけてきた。

私はてっきり、私の朝顔が褒められたのだと思って、

「Aちゃんの朝顔も、こんなにいっぱい咲いてるよ。」と返すと、

「違うよ!はちるなちゃん、××くんの隣になったでしょ!」と。

一瞬何のことか分からなくて、ああ、そういえば席替えしたんだっけと思い出した。

××くんはサッカークラブに所属する、カッコイイ感じでモテモテの男の子だ。

そういえば、Aちゃんは××くんのことが好きだって言ってたっけか。

でも、席が隣になったぐらいで羨ましがられるなんて、すごくビックリした。


この時の衝撃は、私が周りの子たちと女子っぽい会話が出来ないことの象徴として、頭の中に鮮明に残り続けている。

その後も女の子たちが当然に楽しんでいる、恋愛やお洒落などについて、

今となっては擬態しているけれど、本質的には興味がないのが本音である。


高校生大学生頃には、洒落っ気なくて彼氏もいない私を心配したらしい母に

「もっとお洒落したらどうなの」と言われて、

「彼氏が欲しいと思ってないし、お洒落しないから彼氏が出来ないなんて大きなお世話だ」と言ったところ、母は、

「彼氏欲しいと思ってないなんて嘘!人間なんだからそういう欲求が無いなんておかしい!」と言った。

私は、嘘つきか、欠陥がある人間のどちらかにされてしまった。

今、書いていて思ったけれど、この件に関しては、結構母に傷つけられていたんだな。

嘘つきにも欠陥品にもなりたくなかった私は、お洒落して恋愛して結婚しなければいけないと思うようになった。


紆余曲折ありながら夫と結婚できて、もう恋愛しなくても良い、むしろしちゃ駄目という世界に変わって、

本当に心から清々している。

どうして世の中は恋愛するのが当たり前という空気なのか。

そんな空気は消えて無くなって欲しい。

今まで恋もしたけれど、それは他人にお勧め出来るほど素晴らしい感情では無い。

恋して成長するなんてのも思わない。

むしろ恋は、人を狂わせて破滅させる恐ろしいものだ。

そんなもの無くて良いじゃないか。

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