未来で飲む酒
生まれる時代を間違えた、とたまに思う。
平成生まれだけど、和服がとっても似合う純日本人顔で、
夫は20歳年上なので私と出会うまでずいぶん長いこと待たせてしまった。
街中の車は静かに通り過ぎて、電車はワープするかのように地下を走る。
それらを見て、未来に来てしまった!と錯覚する。
とはいえ、未来の文明の恩恵はちゃっかりしっかり受けている。
体の弱い私は、未来の医療が無ければ、淘汰される対象だったかもしれない。
栄養たっぷりの美味しいご飯は、未来の素晴らしさの神髄だ。
大人になったらさらに、「お酒」も恩恵として与ることになった。
私が生まれたかった時代はきっとお酒なんてそうそう飲めない。
悶絶するほど美味しいお酒が、庶民である私でも簡単に手に入れられるなんて。
ついでに美味しい肴の作り方も調べればすぐに分かるし、女一人で飲みに行ったって良い。
美味しい肴で美味しいお酒を飲んでいる時、私は素晴らしい未来に来た!と嬉しく思う。