大人の青春

馴染みの居酒屋が閉店するらしい。


24,5歳の頃に、たまたま見つけて通うようになって、

マスターが顔を覚えてくれて、

「今度、常連集めて忘年会するからおいでよ」って誘ってくれて、

新しい出会いを求めていた私は、一人で恐る恐る出向いて、

どんな人が来るのかも聞いたけどよくわからず、到着するまでかなり怖かった。

(それでも行ったあの頃の自分は結構頭がおかしい)

集まったのはジジババ通り越して爺さん婆さんたちで、和やかでホッとした。

ちなみにこの忘年会は、翌年の方がイケイケの若い人たちが集まっていて怖かった。

怖かったけど、知り合いになれたので、お店で会ったら話したりとかして、

楽しい時間が過ごせた。


ある時は満席だからと相席になった出張中のあんちゃんと、ひと夏の恋を楽しんだりもした。

彼が帰るまでの3ヶ月の間、何度かデートをして、人生相談にも乗ってもらって、彼の言葉は今でも胸の中にしまってある。

とても良い言葉をもらったと思う。

彼はバツイチだと言っていたけど、本当は地元に奥さんがいたんじゃないかと思っている。

帰るころにキッパリ振られちゃったからね。

でも、良い思い出ができたと嬉しく思っている。


またある時は、私の友人を連れて行き、友人と他のお客さんが仲良くなってたり、

彼氏を連れて行って見定めてもらったり、

マスターに夜中、泣き言を言いに行ったり、

大人の青春を過ごした場所だった。


コロナ渦で私も全然行けなくなってしまって、

やはりお客が減ったのが影響したようだ。

残念だな。

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