今さら新聞各紙元旦号読み比べまとめ2024Part1【2024.5.7】
「一年の計は新聞元旦号にあり」と、お正月を迎えると毎年、朝日、読売、毎日、日経、東京(中日)の5紙を読んでいる。2024年もまた自宅近くのコンビニで店員さんの視線を感じつつ、買い集めてきた。(昨年はこちら。今さら新聞各紙元旦号読み比べまとめ2023 Part1【2023.5.13】)
まずは、総頁(広告特集含む)の変化から。
【朝日】'18' 106頁→19' 98頁→20' 108頁 →’21 92頁→’22 92頁→’23 84頁→’24 96頁 ※前年比+12頁
【読売】'18' 96頁→19' 104頁→20' 90頁 →’21 82頁→’22 86頁→’23 86頁→’24 88頁 ※前年比+2頁
【毎日】'18' 76頁→19' 68頁→20' 64頁 →’21 64頁→’22 72頁→’23 64頁→’24 60頁 ※前年比ー4頁
【日経】'18' 96頁→19' 104頁→20' 112頁 →’21 104頁→’22 91頁→’23 88頁→’24 92頁 ※前年比+4頁
【東京(中日)】'18' 56頁→19' 56頁→20' 48頁 →’21 48頁→’22 46頁→’23 46頁→’24 42頁 ※前年比ー4頁
オリンピックが開かれる年は広告が増える傾向にあるが、その好影響を受けたのは朝日、読売、日経の3紙。一方、毎日、東京の2紙はいずれも4頁減に沈んだ。だが、その影響は明暗を分けた。
同じくオリンピックイヤーだった2020年と比べると、日経が20頁も減っているのが目を引く。広告媒体としての新聞の価値低下は目を覆うばかりだ。
一面トップは、新聞製作をしていた12月31日夕方から1月1日未明にかけ、大きなニュースが発生していなかった分、ニュースや連載記事など、各紙がそれぞれの特色を出していた。5月に入った今から振り返れば、「嵐の前の静けさ」だったと痛感するのだが…。
ストレートニュースを掲げた朝日は「安倍派『中抜き』裏金8000万円か/派閥に納めず 下村氏約500万円」。読売も「移植見送り60件超/東大・京大・東北大 昨年 臓器提供集中で/他施設搬送も」。
そのほか3紙は新年企画連載だった。いずれも1面だけではなく、複数頁にわたって大展開。東京は「みんなが主人公 まちを変える」。1面で「声を上げた 政治が動いた/周到な請願 再生エネ推進」。2面では「各地に広がる請願・陳情」と続く。
毎日が「遮音(ミュート)社会」。1面が「正義の牙 突如私に 信じた配信者『俺のストーカー』。社会面でも「『偽物崇拝』悔いる女性 今も配信者 突き放せぬ親子も」と続く。プライベートで困難を抱えた女性が、買春や痴漢撲滅を訴えるユーチューバーを熱烈に支援するようになるが、やがて「ストーカー」扱いされる話。「遮音」によって人々が分断されている現状を描く。
電車に乗り合わせた人の多くが、ヘッドホンやワイヤレスイヤホンをつけている。周囲の雑音を「遮音」する日常を目にするだけに、着眼点が面白いと思った。
そして、今年の新年号でもっとも私の関心を引いたのが、日経の「昭和99年 ニッポン反転」だった。活字の大きさが他紙よりも小さくて文字ぎっしり。地味な整理が印象的な同紙が、6センチ四方の大きさの文字で「解」「き」「放」「て」と派手な見出しが踊る。「2024年、日本は停滞から抜け出す好機にある」。この出だしに、しぼんでいた心が少し弾んだ。さて、中味はーー。(つづく)
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