決意の朝に、受験生が聞きたい言葉
コーチのTomooです。今日は言葉の話。2月1日は、東京の中学入試解禁日です。私も、午前午後と受験生の応援に出かけてきました。中学校の正門の前には、たくさんの先生たちが集まっています。これから勝負に挑む受験生へエールを届けに来たのです。これから、本番を迎える人には、どんな言葉をかけたらよいのでしょう?
こんな人におすすめ
身近に挑戦する人がいる方
良い応援の仕方を知りたい方
これから自分自身が挑戦する人
この記事の結論
かけたい言葉をかけるのではありません。聞きたい言葉を考えましょう。
▼2月1日は決意の朝
今日は、東京都中学入試の解禁日。
12歳。小学校6年生が、自分の進路をかけて挑戦する日々が始まります。
日本では、多くの子が公立中学校へ進学します。
全体的に見れば、中学入試を挑む子は一握りです。
近年の中学入試は、大学入試の難易度と変わらないんじゃないか?と思うほど。
問題が難しくなっています。
小学生が読む文章。考える対象としては、難しいものが多くあります。
外で思いっきり遊びたい!たくさん寝たい!
子どもだったら誰もが思うことを我慢して、勉強に励む毎日。
すごいですね。本当にすごい。
今、中高一貫校が増えています。
つまり、今日の試験は、これから6年間の自分の居場所を決める挑戦なのです。
▼朝、受験生にかける言葉はそれでいい?
中学入試は、一種のお祭りのようなものです。
当日の朝には、学校のキャンパス内にたくさんの人が集まります。
その多くは塾の先生たち。
受験生にエールを届けにくるのです。
学校教員で来ているのは、本当に少数。ぼくくらいなものです。
受験生が大勢やってきます。
その度に塾の先生たちが握手をします。そして一声かけるのです。
「がんばって!」「自分を信じて!」「落ち着いて!」
さて、ぼくが学校教員だから感じることなのかもしれません。
また、コーチだから感じることなのかもしれません。
中には、その言葉、大丈夫かな?
これから勝負に挑む受験生に。
贈っていい言葉なのかな?
そんな感じを受ける言葉がありました。
未来を担う子どもたちみんなが、やってよかったと思える入試を経験してほしい。
そう願って、記事書きます。
▼受験生には、かけられたい言葉がある
受験会場に入る直前に。
これから勝負を迎える戦士たちにかける言葉。
かなり言葉を選んで伝えている方もいれば、反対に不安を感じさせてしまう言葉をかけているなぁと感じる方もいました。
また、受験生の集中力を崩してしまうようなテンションで話かける方も。
まず、どんな願いで入試の応援に来ているのでしょうか。
それは、
受験生が力を発揮できますように。
ですよね。多分そのはずです。
受験生は、勇気づけられるような言葉を欲しています。
自信を持って、立ち向かっていけるような言葉が欲しいのです。
▼言葉の実験
言葉は、感情と深ーくつながっています。
感情は身体ともつながっています。
こんな実験がありました。
同じ植物を用意します。
両方とも、同じ条件で育てるために、ケースに入れています。
ただし、変えた条件が1つだけあります。
それは、「植物に聞かせる言葉」です。
片方の植物には、絶えずポジティブな言葉を。
もう一方の植物には、絶えずネガティブな言葉を浴びせ続けました。
[結果]
ポジティブな言葉をかけ続けた植物は、元気。
ネガティブな言葉を浴びせた植物は、枯れてしまいました。
ネガティブな言葉には、深刻な影響を与えてしまう力があるのです。
▼受験生をダウンさせる応援があります
先生たちもまた、子どもたちにどんな言葉をかけたらよいか、
一生懸命に考えています。
誰一人として、子どもの成功を願わない人なんていません。
でも、考えに考えた末にかけた言葉が、
子どもにとって、マイナスに働いてしまうことがあることも考えておかなくてはなりません。
今日見つけたのは2パターンありました。
①受験生を不安にさせる応援
②受験生の集中力をそいでしまう応援
①受験生を不安にさせる応援
その言葉は、一度だけではなく。
今日何度も聞かれた言葉でした。
「おはよう。緊張してる?」
「どう?不安なの?」
開口一番、先生が受験生に発する言葉がこれ。
とても多かった。
緊張してるの?だなんて聞かれたら、
たとえ大丈夫であっても、「あ、ちょっとはしてるかも。」と感じてしまうかもしれません。
緊張は悪いことばかりではないです。
でも、周りの言葉から生まれる緊張は、ただのプレッシャーです。
緊張してるのは、実は受験生ではなく、先生の方なのかもしれません。
そんな先生たちにかけたい言葉。
「大丈夫ですよ。先生は今日まで、あの子に全力を注いできましたね。先生がここまで熱心にサポートしてきたのですから、きっといい経験をしてきますよ」
②受験生の集中力をそいでしまう応援
「大丈夫!!落ち着いてね!!!!!!!」
「頑張って!!最後まで諦めないでね!!!!!!!!!」
すでに集中力を高めてきた受験生。
せっかく作り出した緊迫感を、崩すようなテンションで力任せに応援をする先生も多かった。
スポーツを例に考えていきましょう。
スポーツには2種類あります。
動的スポーツと静的スポーツ。
動的スポーツは、サッカーとかラグビーとかバスケとか。
とにかく体力の続く限り、走る!
そんなときには、とにかく力強い応援をしたいものです。
静的スポーツは、ゴルフとか弓道とか。
そんなときに、力強く応援されたらどうでしょうか。
きっと、相手はびっくりしてしまいます。
多分、落ち着いていないのは、先生なのですね。
やっぱり、そんな先生たちには、こんな言葉をかけます。
「大丈夫ですよ。先生は今日まで、あの子に全力を注いできましたね。先生がここまで熱心にサポートしてきたのですから、きっといい経験をしてきますよ」
じゃあ、受験はどちらなのでしょうか。
静的スポーツより?
動的スポーツより?
▼相手ファーストの言葉をかけよう
ここまで、色々と書いてきましたが、
何より相手ファーストであること。
絶対に忘れないでおきたいことが2つあります。
①一人ひとりかけてほしい言葉は違う
②本番当日のコンディションはいつもと違う
こと。
①一人ひとりかけてほしい言葉は違う
だから、力強い応援がいい人もいます。
だから、落ち着いた応援がいい人もいます。
でも・・・
②本番当日のコンディションはいつもと違う
いつもなら、力強い応援がいい人なのに。
いつもなら、落ち着いた応援がいい人なのに。
なんだか様子がちがうなぁ。
それが本番です。
だってそうです。
いつも学校や塾で会っているのに、今日は試験会場で会っています。
普段は会わない時間に。いつもと違う雰囲気で。
子どものコンディションも、そして私たち大人のコンディションも違います。
▼一言目は、調子どう?でジャブ打ち
じゃあ、どんな応援をしたらいいのか。
相手ファーストでいるためには、
相手のことを考えるわけですが、
当日のコンディションはわからないわけですから、
いくら前もって考えても、その言葉を欲していないことがあります。
だから、最初は、「おはよ!調子どう?」って相手に聞いてみることが大切です。
→<ポジティブな返答>いつもどおりです!いい感じです!など
いいね!!最高だね!!!調子を整えてくるなんて、さすがだね!!
なかなかできることじゃないよ!
相手を認めて、さらに勇気付け。
→<ネガティブな返答>緊張してます。不安です。など
いいね!!自分の状態を把握できてるって、とっても落ち着いてるってことだよ。今まで本当によくがんばってきたね。だから、◯◯さんなら大丈夫だよ。
やっぱり、相手を認めて、勇気付け。
ここに書いてあるのは、ただの一例なので、明日そのまま使っても、うまくいかないこともあります!
でも、最初の一言目。
「調子はどう?」って、相手に委ねてみるのはとてもおすすめです!
▼さらに、保護者ケアもできると完璧
入試当日は、保護者が同伴してきます。
子ども以上に力が入っているのは、親の場合もあります。
お家の方がそんな感じだと、子どもも固くなりますよね。
緊張はうつります。
私たち教員や塾の先生たちは、学校の正門までしか入れません。
そのあとは、校舎内まで保護者と受験生が2人で歩いていきます。
だから、保護者にも一言リラックスのできる言葉を贈ると、ほっこりした気分になれます。
「今日まで、おつかれさまでした。◯◯くんとってもいい状態ですね。きっと、お母様が朝からリラックスできる雰囲気をつくっていらしたのですね。さすがですね!」
こんな感じでしょうか。
最後の最後、受験生を送り出すのは、保護者ですから。
▼今日の質問
本番当日。自分がかけられたい言葉はなんですか?
かけたい言葉をかけるのではありません。かけられたい言葉を考えましょう。
今日も、貴重な時間を使って、記事を読んでくださってありがとうございました。ぜひ、明日の続きも読んでいただけたら嬉しいです!!
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