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パリピ大学生活と引き換えた2年間の会計士試験予備校生活のこと
今振り返れば、慶應義塾での大学生活の最初の2年間は、本当の意味でドブに捨てた。
人間、あまりにも生活が無機質だと、その時の記憶をなくす。まるで大学三年の6月までの記憶というものがない。
神奈川県の東急東横線日吉駅、ドンキホーテの裏に住処を構えながら、なんとなくバイトして、彼女ができて、風俗行って、酒に溺れて、たまに、日本で3番目に汚いと言われる鶴見川で釣りして生活してた。
というよりは、時間が過ぎるのをただ待ってた。
しかし僕の生活は、水道橋に拠点を移してから一変した。
講師が主宰した飲み会で、日吉のチャイナエステで20万を溶かした話を皮切りに、男の友達が増えていった。
それから会計士試験に合格する大学4年の11月15日まで、1日も余すことなく走り切った。今思えば、水道橋で僕が過ごした2年間は、その辺の大学生が、ショット飲んで朝まで踊り明かす日々の何千倍も充実していたと言い切ろう。
今日は、その水道橋で起きたことについて話すことにして、最後にまた偉そうな話をしよう。
試験合格への十分条件は、仲間と環境に尽きる
水道橋に拠点を移す前から、一人だけ仲良くしていた同じ大学の友達がいた。
彼とは同じタイミングで短答も論文も合格したのだが、短答3回目に落っこちた時、僕は本気でこの界隈から撤退して就活に踏み切ろうとしていた。
その時彼は、撤退しようとする僕を止めてくれて、その人のおかげで、今こうしていられる。
僕は昔から人に生かされていて、自分のチカラでなし得たものなんて本当に一つもない。
答練が終わるたびに毎回点数マウントをとってくるやつというのは大抵どの予備校にもいる。そういうやつは、決まって点数が高く、模試でも早い時期からA判定をとって、これでもかとタイマンを張ってくる。
そんな人ほど、原因不明に毎回本番の試験に失敗するもんだ。
そんな奴は放っておけばいい。
結局、上記のタイマン野郎もそうだけど、結局人間の一番汚い部分の、承認欲求というものをみんな持っている。
承認欲求は本能で、この欲求をうまく操るには、
人に頼ることで欲求を分散させる
ことしかないと思う。
そしてその手っ取り早い方法は、
整備された環境に飛び込む
こと。僕の飛び込んだ水道橋の環境運勢は、大吉だった。
名前も知らないような大学の学生がいて、丸亀製麺にしか行かない極貧高卒ニートがいて、赤髪のシャンクスがいて、我の強い三振ネクストバッターがいて、毎日レッドブル飲んでるすっげえ美魔女お姉さんがいて、自習室でずっと日経読んでるお相撲さんがいて、うっせえ高学歴大学生のグループがたまーにいて、
その特異な環境を素直に喜んだ。
元々社交的だったのですぐに相方みたいな賢い友達もできて、生まれて始めて簿記という科目にのめり込んだ。
バイトと大学と勉強を並行することは困難を極めたものの、自分の足で立って歩いている感覚は、誰にも奪われることの無い財産となった。
大学3年の12月短答式試験と、その悲劇
僕は夏頃に水道橋校舎に移籍し、その半年後の12月に短答式試験をpassした。
僕はその試験日の夜の飲み会を断っていた。
だから試験が終了した18時ころ、誰もいなくなった早稲田大学の教室で、企業法と管理会計論と監査論の丸つけをした。
僕の得意科目は管理会計論と財務会計論だった。ただ、管理会計論は難易度によってボラティリティが高いと思ってたから、ハナから期待はしなかった。
案の定、僕が合格した回は、過去最高難易度の管理会計のせいで、Twitterが沸騰していたそうだ。
結局僕は特に問題なかったのだがここで、僕が散々お世話になった人達が、管理会計論で40点を切るという足切りによって、合格点を超えたにも関わらず落ちてしまった。
あの日のことは鮮明に覚えている。
仲間によって自分が生かされていることに気づけなかったら感じることはなかっただけに、なかなか見過ごすことのできたものではない。
往く道は精進にして、忍びて終わり悔いなし
たまたま水道橋という街が資格試験の聖地と言われ、幸運なことにチャリで通える距離にあって(片道21キロ)、頭のおかしい環境と仲間によって、生かされていることをまざまざと感じた。
その幸運が重なって、ギリギリだけど在学中に合格し、残りの大学生活半年は、たかが外れたように遊びきった。
僕はその幸運で、人生を賭けてもいいくらい熱狂できるものを見つけた。
一方で、ぶつぶつ文句を言いながらこの試験を撤退していく人っていうのは、覚悟を決めて熱狂できなかった人だ。
覚悟を決める勇気がないなら、同士の類の飲み会にでもいけばいい。環境は買ってでも手に入れた方がいい。どうせ一人の力なんてたかが知れてる。
そして一度この道を往くと決めたならば、圧倒的な努力でとことんやりきれ。
さらにもう一つ、いつも通り偉そうに付け加えるなら、
人生の中で最も恵まれた若い季節を、なんとなく生きるな。
どんなボロボロになっても、それがあとで振り返って見れば、笑い話になり、そのかけがえのない日が、他の誰かの力になるかもしれない。
自分が信じたものに熱狂できる特権は、僕たち若者特有の財産なのではないだろうか。
一桁や二桁の順位の合格者の発するキレイで参考になるような話ではない。
これはあくまで、四桁順位で滑り込んだ崖っぷち会計士の放つ、あまりにもしょぼい、いつもの戯事に過ぎないんだけども。
♪KARA「STEP」
おやすみなさい!
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