#1 Before Coronaを引っ張り出して、整理して、愛でたりもして。
Before Corona. こちら側の気分にかかわらず突然区切られた時間帯。コロナの流行があってもなくても過去に戻ることはできないのだけど、なんだかすごく大きく過去から切り離されたような感覚があって、自分の中での整理がついていない。
最近、思考の時間軸がぐるんぐるんしている。行ったり来たり。きっかけはおそらく、実家に置いたままになっていた自分の荷物を整理したことなのだろう。実は正直、自分のものはもうほとんど実家に残っていないと思っていた。でもいざ片付けに着手すると出てくる出てくる。想定以上の量だった。洋服、フラメンコの衣装、写真、本、CD、過去に自分が執筆に参加した雑誌類、青色申告関連の書類など。必要なもの以外はすべて捨てて、譲って、売った。何故かそこには思考や感情がほとんど挟まってこなかったのですごくハイペースに作業が進んだ。1ヶ月くらいですべて片付いた。
その後、状況が落ち着いて一息ついたときから、自分の思考が「いま」を境に過去と未来を行ったり来たりすることが急に増えた。アメリカから緊急帰国した時から6ヶ月ほどは毎日を健やかに過ごすよう努めることに必死だった。だから余裕を完全に失っていたんだと思う。過去に愛していた自分の持ち物を片付け終わったことでひとつの時代を自分の手で終えたというか、何かのスイッチが入ったのかもしれない。
2011年ごろから一時期、Evernoteで自分のログを取っていた。たしかTwitterのつぶやきのように投稿できるiPhoneアプリみたいなものがあったと思う。当時、自分の感情を整理するためによくTwitterでつぶやいていたのだけど、良くないなと反省したのがきっかけ。どんなに言葉や表現を変えてもその想いを伝えたい人にはバレバレで、それがさらに険悪なムードになったこともあった。だからTwitterではなくEvernoteに投稿することにしたのだった。その、Evernoteのログを急に振り返りたいという衝動に襲われ、今朝5時からざっと流し読みをした。もう9年くらい前の自分。書いてあることはもうなんというか、到底ここではご紹介できない……。とんでもなく独りよがりで、青くて、すごく切ない。こんなに感情をブンブンと動かしていたら疲れてしまうよなあ、というような内容だった。
で、今の自分に戻ってきた。9年前の自分がちょっと羨ましくなった。すごく痛々しいんだけど、とことん正直。嗚呼、今の私はどうなんだろう、と考えてしまった。20代の激しさなど、30代後半の私にはもう抱えきれない。だけど一体、どこでこの熱さを手放してきたんだろう。少しさみしい。
今年8月、星読みをしているお友達から「自分を殺していませんか?」という指摘をされた。直後はピンとこなかった。帰宅後からじわじわとその言葉が浸透してきて、思考の旅をしている今はしっくりくる。生きやすさを選択するために切り落としてきたものはなにか。もう少し旅を続けて、自分の破片を集めたい。
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