【効果的な訪問リハビリ】心配性な利用者さんに声かけする時のポイント!
訪問リハビリの利用者さんは、困難になっている生活動作が自立、もしくは上達できるように様々な挑戦をしていかなければいけません。
しかし、利用者さんの中には関節運動や筋力トレーニング、バランス練習は行ってくれても、歩行練習などの実践的な練習には消極的、もしくは拒否的になってしまう方がいます。
そんな時は、セラピストが挑戦を促すようなポジティブな声かけをしていきます。
それでも、心配性のために挑戦を渋ってしまう方がいて、困ってしまうことがないでしょうか?
以前の私は、大変困っていました(汗)。
今回は、そんな心配性な利用者さんの意外な特性を考慮した声かけする時のポイントについて紹介します!
心配性な利用者さんの意外な特性
意外な特性は以下の2つになります。
心配することは良いことと信じている。
白黒はっきりさせたい。
上記の特性について詳しく解説します。
1.心配することは良いことと信じている
心配性な利用者さんは、そもそも心配することを良いことであると信じています。
つまり、念入りに準備をして安心感を得ないと行動に移せない傾向があり、様々な要因に対して心配をしてしまいます。
例えば、屋外を歩くことに対して心配性な利用者さんの場合は、気温や湿度などの天候、寝不足や食欲不振などのちょっとした体調不良、足以外の身体の痛みなどに対しても心配が及んでしまい、完璧な体調と身体状況になるまでは「外を歩きたくない」と考えていることがあります。
また、屋外歩行に挑戦し、「外を歩くと腰が痛かった」というエピソードがあると、その理由について何度も考えてしまい、もう1度、屋外歩行をやろうと思うまでに時間がかかることもあります。
上記のような特性がある利用者さんは、家族や友人からも心配しすぎであるというイメージを持たれていることが多いです。
そのため、人生で何度も心配し過ぎであることを指摘された過去の経験により、さらに心配性に拍車がかかっている場合があります。
つまり、励ましなどのポジティブな声かけが効果を発揮しません。
2.白黒はっきりさせたい
心配性な利用者さんは、曖昧なことを脅威と考えてしまう完璧主義な方が多いため、「とりあえず、やってみよう」が難しいです。
例えば、屋外を歩くことを心配している利用者さんの場合には、「手すりに掴まらずに立ち上がることができてから、、、」、「朝起きた時の腰痛が良くなってから、、、」のように、利用者さんが考える基準に達しないと挑戦的な行動へ移せない傾向があります。
また、「~かもしれない」、「~可能性がある」、「たぶん、大丈夫」のような曖昧な表現を嫌い、「必ず」、「絶対」のようなはっきりした表現を好みます。
心配性な利用者さんに声かけする時のポイント
声かけする時のポイントは、以下の3つになります。
利用者さんの心配事に共感する
挑戦すること=リハビリの心構え、メリットについて詳しく説明する
挑戦する時には安心感を与える
例えば、十分な歩行能力があるが、屋外歩行に挑戦することに心配がある利用者さんの場合。
体調に関する問診時に、利用者さんから「昨日はよく眠れなかったから、歩けない。」と言われたら、、、、
以下のように、”不眠により、歩行に不安があること”にしっかりと共感します。
上記のように、共感を進めていくと「眠れなかった=歩けない」ではないことが浮き彫りになっていきます。
そのタイミングで、歩行練習をするか、どうかの提案を行っていきます。
その時には、以下のように歩行練習をすることのメリットについて声かけをします。
利用者さんの気持ちが歩行練習を行うことに傾いたところで、利用者さんを勢いづけようと「よしっ!がんばりましょう!」とポジティブな声かけをするより、以下のように歩行練習への安心感を与える声かけが効果的になります。
まとめ
今回は、心配性な利用者さんの意外な特性を考慮した声かけする時のポイントについて紹介しました!
心配性な利用者さんは、心配することが良いことであると考え、曖昧なことに脅威を感じています。
そこで、心配事に共感しながら、リハビリで行うことのメリットや心構えにいて詳しく説明をします。
そして、いざリハビリで困難な事に挑戦することになったら、安心感を与えることがポイントになります。
このポイントを意識した声かけをすることで、実践的なリハビリにも継続的に挑戦することができると思います!
是非、試してみてください!
利用者さんに挑戦を促すアイディアについては、以下の記事にも紹介しているので、読んでみてほしいです!