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訪問リハビリ会話術!利用者さんの「自分でもやらなくちゃ」を引き出すコツ!

訪問リハビリでは、日常生活動作が困難になった方々に対して自宅に訪問してリハビリを行います。

訪問リハビリの利用者さんは、介護保険を使うと提供時間が40分~60分で週に1~2回の利用がほとんどだと思います。

そのため、訪問リハビリ以外の時間に、利用者さん自身が「自分でもやらなくちゃ」と感じリハビリ=運動するように、セラピストは宿題=自主トレーニングの提案を行います。

しかし、ただただ宿題を出をしてもやってくれる、もしくは継続してくれる利用者さんは少ないのではないでしょうか?

今回は、セラピストが宿題を出した時に、利用者さんの「自分でもやらなくちゃ」を引き出すコツについて紹介します。


「自分でもやらなくちゃ」となる理由

自分でやらなきゃ


利用者さんが「自分でもやらなくちゃ」と感じ、宿題=自主トレーニングを積極的に行うことができる理由は、大きく2つに分けられます。

①利用者さんの誠実性が高いために、宿題を義務として捉える。

②利用者さん自身がリハビリが楽しいと思えている。

上記の①のように誠実性の高い利用者さんであれば、セラピストが何の工夫を行わなくても宿題=自主トレーニングを行ってくれると思います。

しかし、多くの利用者さんは、「リハビリや運動はつらい、疲れる」というイメージを持っているため、「リハビリが楽しい」と思えず、宿題=自主トレーニングへの着手が先延ばしされやすいと思います。


「自分でもやらなくちゃ」を引き出すコツ

利用者さん自身に「自分でもやらなくちゃ」と感じてもらうためには、「リハビリが楽しい」と思わせることが必要になります。

それでは、「リハビリが楽しい」とはどのようなことでしょうか?

因みに、「訪問リハビリの時間にセラピストと一緒に会話したり、運動するのが楽しい」ではございません(笑)


知識と繋がる


「リハビリが楽しい」と思える時は、利用者さんの持っている知識や経験と、リハビリの知見や理論との繋がりがある時を指します。

例えば、椅子からの立ち上がりができるようになったが、ソファーからは立ち上がれない利用者さんの場合。

深くお辞儀するようにアドバイスしながら、ソファーからの立ち上がりを反復練習することでは、「リハビリが楽しい」と思ってもらいにくいです。

リハビリが楽しい」と思ってもらうためには、椅子から立ち上がれる理由とソファーから立ち上がれない理由について、利用者さんに以下のように解説します。

「立ち上がりは、お尻を持ち上げることが1番大変です。それは、体重の3割程度の重さがあるからです。」

「しかし、椅子に座っている時とソファーに座っている時の利用者さんのお尻の重さは変わらないのに、どうしてソファーから立つのが大変だと思いますか?」

「実は、立つ時にお尻を持ち上げているのは足の力だけじゃないです。頭の重さも使っています。」

「お辞儀をして頭が下がる時の力の反動でもお尻が上がります。つまり、椅子に座っている時には勢いよく頭を下すことができるが、ソファーに座るとこの勢いが弱くなってしまうために立ちにくくなります。」

上記の解説を行い、利用者さん自身が一人でやっても「立ち上がれるかもしれない」という改善の可能性を感じることができると、「リハビリが楽しい」=「自分でもやってもようかな」となりやすいと考えます。

この解説は、利用者さんのスポーツ歴、趣味活動などの経験をもとに、リハビリ=運動との繋がりを例え話することも有効になります。

「リハビリが楽しい」は、利用者さん自身の挑戦のハードルを下げてくれる効果もあるため、リハビリで行ったことを一人で実践してくれやすくなります。

リハビリの時間の成功体験を、リハビリ以外の時間でも体験することができれば、ますます「リハビリ楽しい」が加速し、継続して行うようになります。

最後には、継続の積み重ねにより、生活へ定着していきます。


まとめ

今回は、セラピストが宿題を出した時に、利用者さんの「自分でもやらなくちゃ」を引き出すコツについて紹介しました。

利用者さん自身が「自分でもやらなくちゃ」と感じてもらうためには、利用者さんの持っている知識や経験と、リハビリの知見や理論との繋がりがあることを解説し、利用者さんの工夫により困難への対応が可能になるように関わることが有効と考えます。

つまり、セラピストの知見を利用者さんとシェアし、一緒に困難に立ち向かうチームとしてリハビリを進めていくことが大事になります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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