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【訪問リハビリあるある】自信満々な利用者さんとの関わり方のポイント!

訪問リハビリの利用者さんの中には、家族やケアマネジャーの印象と異なり、「生活で困っていることはない」、「歩いてもふらつかない」とおっしゃる利用者さんがいます。

そんな”自信満々”の利用者さんのリハビリ担当した際、本人を否定する訳にもいけないが、どんどん褒めるわけにもいかず、困ったことはありませんか?

今回は、”自信満々”な利用者さんとの関わり方のポイントを紹介します!


”自信満々”な利用者さんの特徴

自信満々 特徴


人間の持っている先入観の1つに、ダニング・クルーガー効果というものがあります。

これは、実力や実績が低ければ低いほど自身の能力を高く、実力や実績が高ければ高いほど自身の能力を低く見積もる傾向になります。

そのため、”自信満々”な利用者さんは、「自身の能力を高く見積もってしまっているが、実際には実力がない人」である可能性が高いです。

実際には実力がない”自信満々”な利用者さんの特徴は、良い点と悪い点があります。

良い点は、「何事にも挑戦できること」の1つになります。

悪い点は、4つあります。

①困難に感じた時には、対処できなくなる。

②物事が上手くいかない時に、その原因を自分以外のもののせい(例えば、その状況や他人)にしてしまう=他責思考。

③他者からの助言を参考にしない。

④知識を増やそうとしていない。


上記の特徴があるため、”自信満々”な利用者さんには、気軽に褒めたり、助言するなどのフィードバックをしてはいけないと考えます。

それでは、具体的なコミュニケーション術を紹介していきます!


自信満々な利用者さんとの関わり方

”自信満々”な利用者さんとの関わり方では、下記の3つのポイントがあります。

①親しい間柄になる。

②アドバイスを求める。

③客観的な指標でリハビリを進める。

それぞれについて詳しく説明します。


①親しい間柄になる。

親しくなる


”自信満々”な利用者さんは自己評価の誤りに気付いていないため、セラピストの話に耳を傾けてくれるようになることが大事です。

そのためには、利用者さんと親しい間柄になる必要があります。

親しい間柄になるために最も有効な手段は「傾聴テクニック」になります。

傾聴とは、ただただ話に耳を傾けていることではなく、相手が話したいことを推測し、質問を繰り返しながら会話を進め、感情や思考を共感する作業になります。

「傾聴テクニック」のポイントや進め方については、以下の記事を参照ください。


②アドバイスを求める。

アドバイス


”自信満々”な利用者さんと親しく会話できるようになってきたら、ついついセラピストの意見を伝えたくなると思いますが、我慢してください!

”自信満々”な利用者さんには、アドバイスは不要です。

その代わりに、利用者さんから「アドバイスを求める」ことをしましょう!

アドバスを求める=自分自身の話をすることができるため、褒められていることと同様の効果があります。

それだけではなく、アドバイスを与えた相手に対して、脳が勝手に大切な人であると感じてしまいます。

これは、脳の中に、好きな人にはアドバイスをするが、嫌いな人にはアドバイスをしないという理屈が存在しているためです。

それでは、具体的にどのような「アドバイスを求める」と良いのでしょうか?

アドバイスは、リハビリに関することにしましょう!

例えば、家族やケアマネジャーが「壁や手すりを掴まないと歩行不安定」と評価しているが、利用者さん自身は「歩行してもふらつかない」と考えていた場合は、下記のような質問でアドバイスを求めます。

『安定した歩行とは、どうゆうものだと思いますか?』

『手すりを掴まらずに歩くには、どうすれば良いと思いますか?』


上記のような質問をした場合、”自信満々”な利用者さんは、実力以上のことを回答することが多いので、回答に沿ったリハビリを評価の一環として実際にやってもらう事で、自己評価の修正を図っていきます。

他責思考があるため、失敗してしまうと再挑戦してくれない可能性があるため、実際に行ってもらう課題の難易度はセラピストが調整し、課題が大変であることを自覚できる程度にしましょう!


③客観的な指標でリハビリを進める。

客観的


”自信満々”な利用者さんとのリハビリを進める時には、客観的な指標を決めましょう。

”自信満々”な利用者さんは、1回できたことで続ける必要性を感じないことが多いです。

そのため、セラピストの考えと知識をもとに運動量を決めたり、スケールを用いて評価していきます。

例えば、家族やケアマネジャーが「壁や手すりを掴まないと歩行不安定」と評価しているが、利用者さん自身は「歩行してもふらつかない」と考えていた場合。

リハビリで、自室↔トイレの無杖歩行をするとします。

この時は、自室↔トイレの無杖歩行を連続5往復しても疲れを感じなければクリアとしたり、大股2歩で身長以上進めたらバランス良好と判断したりします。

上記のように、”自信満々”な利用者さんとのリハビリでは、利用者さんの生活に即したリハビリを進める前に、医学的根拠に即したリハビリを行い、リハビリに関する知識を深めながら、利用者さんが自身の能力に目を向けられるようにすることをおススメします。


まとめ

自信満々な利用者さん まとめ


今回は、”自信満々”な利用者さんとの関わり方のポイントを紹介しました。

”自信満々”な利用者さんは、「自身の能力を高く見積もってしまっているが、実際には実力がない人」である可能性が高いです。

そのため、気軽に褒めたり、助言するなどのフィードバックをしてはいけないと考えます。

”自信満々”な利用者さんとの関わり方では、下記の3つのポイントがあります。

①親しい間柄になる。
②アドバイスを求める。
③客観的な指標でリハビリを進める。


上記のポイントを押さえながら関わり、利用者さんがリハビリに関する知識を深めながら、利用者さんが自身の能力に目を向けられるようにすることをおススメします。

そして、困難にはセラピストと一緒に挑戦し、うまくいかない時には一緒に解決策を考えられると良いと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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