【効果的な訪問リハビリ】落ち込みやすい利用者さんと会話する時のポイント!
訪問リハビリの利用者さんは、障害を抱えたことで以前と同じように生活動作を行うことが難しくなっています。
そこで、セラピストと一緒に身体機能の改善を図ったり、新しい方法での生活動作を練習したりしながら、利用者さん自身が「できる動作」を増やしていきます。
しかし、すべてのリハビリがトントン拍子に進むとは限りません。
訪問リハビリで行ったことを実生活でやってみたら上手くいかない、転倒してしまうなどの失敗を経験することが多々あります。
この失敗により落ち込んでしまった利用者さんの多くは、再挑戦できなくなったり、リハビリへの意欲が低下してしまいます。
そんな時、みなさんはどのように声をかけますか?
以前の私は、利用者さんをとにかく励ましたり、丁寧な説明を繰り返すことを行っていましたが、あまり効果的ではありませんでした。
今回は、落ち込みやすい利用者さんと会話する時のポイントについて紹介します!
ポイント①
落ち込みやすい利用者さんは、そもそも「自分一人では何かに挑戦することは難しい」と思い込んでいるマイナス思考であると考えます。
すると、モチベーションが下がり、失敗しやすくなるだけでなく、失敗に対する耐久力も低くなってしまいます。
上記のようなマイナス思考に陥っている利用者さんは、「運や難易度で結果=未来が決まってしまうと思い込んでいる人」になります。
例えば、リハビリの時間で100m歩けるようになったという成功体験をしても、「セラピストがストレッチや関節運動をやってくれたからたまたまうまく歩けた」と考えてしまいます。
また、1人でトイレまで歩いたら転倒してしまったという失敗体験をした時には、「滑りやすい靴下を履いていたから転んでしまった」と考えてしまいます。
上記のような考えのままでは、リハビリの時間にできることが増えても、日常生活で実践=再挑戦することが難しくなります。
そんな落ち込みやすい利用者さんとの会話でのポイントは、自己統制感を高めるようなフィードバックを行うことになります。
自己統制感とは、成功の原因も失敗の原因も、自分自身の行動や戦略によるもので、結果=未来を自分自身でコントロールできると考えることになります。
例えば、落ち込みやすい利用者さんが、リハビリの時間で100m歩けるようになったという成功体験をしたとします。
その時の会話では、下記のように軽い称賛をした後に質問を投げかけます。
「うまく歩けるようになりましたね。どんなことに気をつけて歩いたんですか?」
この質問に対する利用者さんの回答=利用者さんの取った戦略についてさらに正のフィードバックをし、不安感や自信などのついて話を深めていきます。
また、落ち込みやすい利用者さんが1人でトイレまで歩いたら転倒してしまったという失敗体験をしたとします。
その時の会話では、下記のように心配の声かけをした後に質問を投げかけます。
「大きなケガがなくて良かったです。転んだ時には前、横、後ろのどちらにバランスが崩れましたか?」
この質問に対する利用者さんの回答=利用者さんの弱点について、リハビリで修正を図っていけるように話し合いを行っていきます。
訪問リハビリでは、セラピストが主導してリハビリを進めるのではなく、利用者さんの意見を取り入れたリハビリを進めていくことをおススメします!
ポイント②
落ち込みやすい利用者さん=マイナス思考の利用者さんだけではありません。
落ち込みやすい利用者さんの中には、初めの内は意欲的にリハビリを行うが、徐々にやる気が落ちてきてしまう方がいます。
その正体は、「目標達成までの過程を軽んじている人」になります。
訪問リハビリでは、セラピストと一緒に身体機能の改善を図ったり、新しい方法での生活動作を練習したりしながら、利用者さん自身が「できる動作」を増やしていきます。
この訪問リハビリの時間内に、即時的な効果を体験することがあります。
すると、「リハビリの時間だけ運動を頑張っていればドンドン良くなる」、「自分自身で努力しなくても何とかなる」と考えてしまう利用者さんがいます。
しかし、一度できるようになったことが日常生活でも自然とできるようになるには、繰り返し繰り返しの運動や動作練習で体が覚える必要があります。
そのため、リハビリの時間以外は今までと変わらない生活を送っている利用者さんは、目標達成までに時間がかかってしまい、挫折感とともに落ち込んでしまうことがあります。
上記のような落ち込みやすい利用者さんとの会話でのポイントは、自主トレーニングや家での過ごし方についてのセラピストと一緒に考えて、事前に計画しておくことになります。
毎日、訪問してリハビリすることが難しいため、セラピストと一緒に目標達成に向けて伴走できるように、利用者さんのマインドを作る手伝いをする関わるも大事になると考えます。
まとめ
今回は、落ち込みやすい利用者さんと会話する時のポイントについて紹介しました。
落ち込みやすい利用者さんは2つのタイプに分けれます。
①マイナス思考で「運や難易度で結果=未来が決まってしまうと思い込んでいる人」
②リハビリに対して受身的で「目標達成までの過程を軽んじている人」
①のタイプの場合では、「成功の原因も失敗の原因も、自分自身の行動や戦略によるもので、結果=未来を自分自身でコントロールできると考えられるように工夫したフィードバックを行うこと」がポイントになります。
②のタイプの場合では、「自主トレーニングや家での過ごし方についてのセラピストと一緒に考えて、事前に計画しておくこと」がポイントになります。
それぞれに共通して言えることは、利用者さんとセラピストが対等な関係で、一緒に伴走しながらリハビリを進めていけるように、会話を行う事になります。
是非、試してみてください!
利用者さんとの関係構築に関する以下の記事も是非読んでほしいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
それでは、また来週!!!