キングダムから学んだ与件文読解テク
「与件文をサッと読んで、問題点や課題をパッと理解して、解答作成にドカッと時間をかけて質の高い解答をバーンと作成したい気持ちは山々だけど、如何せん与件文読解に時間がかかりすぎて80分では絶対に無理…どうしたらええねん!無理やん!」
このように「与件文読解」にお悩みの方は結構いるのではないでしょうか?
でもご安心ください!コチラをお読みいただければ解決します。なぜなら、私がまさにこの状態だったからです。本記事ではこの問題を解決するための「読解テクニック」をお伝えします。読解力向上のきっかけになれば幸いです。
第0章 本記事の位置付け
今回の記事は、ここに位置づけられます。
過去問演習時における実践的テクニックです。
第1章 与件文読解は激ムズ案件
与件文は約3,000字と膨大です。そして中身もとても複雑で、更に過去から現在、そして未来というように時間軸も意識しながら読む必要があり、内容の整理は一筋縄ではいきません。
加えて、「80分」という短い試験時間において与件文読解に充てられる時間は決して多くはありません。
そのような中で、素早く情報を整理してポイントを押さえるのは、難易度最高レベルの激ムズ案件なんです!
問題を整理すると次のようになります。
①与件文が膨大
②文章の構成が複雑
※検討時は所要時間の制限を考慮
つまり、ザックリいうと、
「量」(→文字数多すぎ)
「質」(→内容複雑すぎ)
の両面においてそれぞれ問題があるということです。
それでは次章でこれらの解決策をお伝えします。
第2章 「量」対策
多いなら○○せよ!
与件文全体を“1つのかたまり”として捉えると、その時点で詰みます。約3,000字もある与件文情報を一気に整理しようとすると時間がいくらあっても足りません。
それならどうするか?
切り分けましょう!
量が多いため一度で処理しきれずに消化不良を引き起こしてしまうのであれば、小さく切り分けちゃえばいいのです。与件文を分割し、設問と紐づけましょう。たったそれだけで、一度に読み解く分量がグッと圧縮され、読解時の負担が大幅に軽減されます。
ここでのポイントは2つです。
ポイント①漏れなく切り分けられなくても『しょうがない』
全ての与件文を漏れなく紐づけようと必死になりすぎると時間が足りなくなります。「無駄な文は一つもない」といったことをよく耳にしたりします。確かに深く深〜く考えれば、もしかしたらどこかの設問に紐づけることができるのかもしれません。しかし、そこまで深く考えなければ設問に紐づけられないような部分が解答根拠として絶対に外すことができないポイントになるとは思えません。文字数制限もあれば時間制限もある中で、試験本番にそこまでやるだけの価値はないと思います。大切なことは、出題者からの“明らかな”ヒントを見逃さないことです。先ずは、わかりやすいヒントから順番に紐づけましょう!
ここで注意していただきたいのが『結果的に紐づけられなくても“しょうがない”』ということです。制限時間内に綺麗に全ての与件文を設問と紐づけられるのであれば、それに越したことはありませんよね。だから、漏れなく紐づける努力は「一応」する、ということです。一番ダメなのは、「大体紐づけできればいいや」と、与件文と設問を紐づける意識がはじめから低く、出題者からのせっかくのヒントを読み飛ばしてしまうことです。一応全ての与件文の切り分け・紐づけを目標としつつ、「時間制限もあるし、ここまでできれば及第点かな」とスパッと割り切る、このメリハリが大事であるということを忘れないようにしてください。
ポイント②設問との紐づけが難しいヒントは一旦保留
「明らかに「ここを解答に使えッ!」という出題者の意図は感じるが、どの設問で使えばいいのかわからない」
このようなときありますよね。そのような、設問との紐づけが難しくても明らかにどこかの根拠として使うと思われるような“くさい”箇所を見つけたときは、是非“グリグリマーク”して、その存在を決して忘れないようにしてください。その時は紐づけられなくても、解答を検討していく中で用途を考えつくことが多々あります。その時に“忘れずに使う”ことができるように、しっかりとグリグリマークしておきましょう!
第2章まとめ
与件文を切り分けて設問に紐づけることができれば、一度に読む分量は1/5以下になる。
与件文全体を最初から最後まで読んで内容を理解することに比べれば、読解に要する負荷は激減する。
漏れなく紐づけることは難しいが、最初から諦めない(そのような甘い考えでは明らかなヒントすら見落としてしまう)
出題者からの明らかなヒントはグリグリマークして、使い忘れを防ごう
第3章 「質」対策(その1)
○○を意識せよ!
与件文を時間をかけずにサッと読み、しっかりとポイントを押さえたいですよね。「つまり、こういうことだよね!」というように、スマートに要点を掴みたいですよね。しかし、既に述べたとおり、与件文の内容は様々な要素から複雑に構成されており、情報の整理がとても大変です。
それならどうするか?
『課題解決フレームワーク』を意識しましょう!
課題解決フレームワークとは?
課題解決フレームワークとは、以下の6つの要素の関係性、流れを図解したものです。
課題解決フレームワークを簡単に説明すると次のとおりです。
この「流れ」を整理したのが先ほどお見せしたコチラです↓
決して特別なことではなく、ごくごく当たり前のことを図解したにすぎません。詳細な説明は割愛しますが、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
なぜ「課題解決フレームワーク」を意識すればよいのか?
「課題解決フレームワーク」の主な用途としては“設問解釈時における解答骨子の作成”を想定していましたが、実はこのフレームワークは与件文読解にも使えます。なぜなら、与件文の構成も主に「現状」「環境変化」「あるべき姿(理想)」「課題」「取組」「効果」の6つの要素で構成されているからです。課題解決フレームワークは、ありとあらゆる『行動原理』を図解した「普遍的」なものなので、企業の行動分析にも当然使えるというわけです。
【具体例】
「今は太っているけど半年後には斎藤工のようになりたい!そのためには先ずはこの脂肪をそぎ落とさないとな!そのために食事制限と筋トレをやるぞ!」
「数学のテストで今日は70点しか取れなかったけど、次のテストでは100点取りたい!課題はわかりきっている!それは微積分だ!だから重点的に微積分の問題を解きまくるぞ!」
皆さんが普段から何気なく思っていることこそが、まさに“課題解決思考”なのです。与件文に書かれていることもこれと要素は同じです。ただこれが具体的に書かれているというだけであり“要素は全く同じ”なんです。具体的に記載されている分、約3,000字とボリューミーですが、与件文の主な構成要素はあくまでも「現状」「環境変化」「あるべき姿(理想)」「課題」「取組」「効果」の6つです。だから与件文読解にも「課題解決フレームワーク」が使えるのです。
「これは“環境変化”だな」
「これは企業の“現状”だな」
「これが“課題”だな。だからこんな“取組”を行ったのか」
このように、複雑な与件文のポイントを簡単に整理することができるようになります。
課題解決の“流れ”を意識すれば更に読解力は高まる
課題解決の“流れ”を意識することで更に読解力は高まります。流れと言っても難しいことは一つもありません。ここでもう一度「課題解決フレームワーク」の流れをおさらいします。
ただ単に課題解決フレームワークの「要素」だけを機械的に覚えるのではなく、「流れ」を意識した方が覚えやすく、そして理解しやすくなりますよね。
流れを意識すればなぜ読解力が上がるのか?
それは今後の展開が“読める”ようになるためです。
例えば、令和3年事例Ⅰのコチラをご覧ください。
これは構成要素でいうところの「環境変化」ですね。環境が変われば、それを踏まえて自社の「あるべき姿」も変わってきます。そして、あるべき姿が変われば、そこに至るまでの「課題」が必然的に生じるし、その課題に対してA社は何らかの「アクション(取組)」を起こすだろう、こんな風に予想することができますよね。
ほらね?課題が生じて、その課題解決のために行動(取組)してるのがわかると思います。どうでしょうか?与件文…読めてませんか??
流れをちょっと意識するだけで、初見の与件文であっても読解負担が劇的に軽減されるのです。
「こういう状態だっただけど、時代の変化とともに環境がこう変わってきたから、こうなるためにこういったことを行ってきた、ってことね!」
こんな感じで与件文のポイントを掴むことが可能になります。与件文は長々といろんなことが記載されていますが、「課題解決フレームワーク」というレンズを通して見てみるだけで、与件文の「つくり」が透けて見えるようになり、ポイントをしっかり押さえることができるようになります。
第3章まとめ
あらゆる事象は「現状」「環境変化」「あるべき姿(理想)」「課題」「取組(行動)」「効果」の6つの要素で説明できる。
これらの関係性を図解したのが「課題解決フレームワーク」
だから「課題解決フレームワーク」を意識すれば読解力が高まる
課題解決思考の“流れ”を意識すれば展開も“読める”ようになる
coffee break ~2種類の読み方~
中小企業診断士試験に限らず、人々のありとあらゆる行動は「課題解決フレームワーク」で分解・整理できます。それはつまり、日々の行動というのは常に「課題解決の連続である」ということです。大なり小なり、常にあるべき姿を追い求め、課題解決のための行動をしているはずです(行動原理の説明の中でお伝えしたとおりです)。そのため、人や企業の一連の“行動(動き)”を記事にした新聞やニュースなどは当然に「課題解決フレームワーク」で読み解けます。また、企画書や提案書といった“行動(動き)”を提案する類のものも、要素は「課題解決フレームワーク」のものと全く同じです。プレゼン資料なども基本的な構成要素はこれと同じです。身の回りのほとんどのものが「課題解決フレームワーク」で整理できるのです。この課題解決思考は普段の仕事でもめちゃくちゃ生きてきます!文章力、企画書の質、そして他人の作成した文章や企画に対する分析力などがめちゃくちゃレベルアップします!
しかし、課題解決フレームワークで分解できないものが一つだけあります。(他にもあるかもしれませんが、今のところ私が気付いたのは次の一つだけです。)
それが「自己啓発本」です。自己啓発本の構成はこれまで繰り返し述べてきた課題解決フレームワークを構成する6つの要素とは異なり、主に「主張」「理由(根拠)」「具体例」で構成されています。
「何を思ってどのように動いたか」という“行動分析”であれば課題解決フレームワークが使えますが、自己啓発本はあくまでも筆者の“考え”を述べているものであり、課題は何で、その解決のためにどのような取組を行って、その結果どのような効果があったか、といった行動分析ではありません。そのため、自己啓発本の構成要素は課題解決フレームワークのそれとは全く違っているのです。(※自己啓発本の読み方は、筆者の「主張(一番言いたいこと)」を探す作業となります。)
このように、課題解決フレームワークで分解できない例外も一部ありますが、少なくとも与件文読解には課題解決フレームワークを活用した“課題解決思考”で読み解けますのでご安心ください!
第4章 「質」対策(その2)
○○を先に見つけよ!
段落単位で「現状」「環境変化」「あるべき姿(理想)」「課題」「取組」「効果」がキレイに分かれていればとてもわかりやすいですが中々そううまくはいきません。場合によっては、1つの段落の中に複数要素ががこれでもかというくらい盛り込まれていることがあり、そうなると内容を読み解き、そして短時間で内容を整理するのは至難の業です。課題解決フレームワークを意識することで「これが環境変化」「これが取組」といった具合に読むことができるようになったとはいえ、これら6つの要素が入り組んだ文章であればさすがにその情報の整理は容易ではありません。
それならどうするか?
「取組(行動)」を先に見つけましょう!
コードの先から紐解こう!
若干脱線しますが、上記のような複雑な与件文は「長いコードが複雑に絡まっている状況」に例えることができます。この絡まりを直そうと、テキトーにコードを引っ張ってはいけません。無駄に時間を浪費するだけでなく、余計に絡まるという最悪のケースすら起こり得ます。
絡まりの効率的な直し方は、コードの「先」から一つ一つ順番にほぐしていくというやり方です。そのため、コードの「先」を見つけることが第一優先となります。「先」の部分さえ見つけてしまえば、複雑に絡まっているコードを直すことができます。急がば回れです。
この「コードの先」が与件文でいうところの企業の「取組(行動)」です。企業の「取組(行動)」がわかれば複雑な与件文も比較的簡単に読み解くことができるようになります。
なぜ『取組(行動)』がわかれば読み解きやすくなるのか?
企業の想いが全て『取組(行動)』という形で現れるからです。取組には大変多くの情報が詰まっています。そして、我々が実際に目で見て確認できるのは「取組(行動)」しかありません。人の心の中は直接見ることができませんが、行動であれば誰の目から見ても明らかです。そこに解釈が入り込む余地はありません。行ったことは紛れもない事実であり、そのことが与件文にストレートに記載されています。つまり、「取り組んだこと」「行ったこと」といった企業の“動き”は他の要素に比べて非常に見つけやすいのです。
そして、繰り返しになりますが、「取組(行動)」からはとても多くの情報を読み取ることができます。その理由も既に述べたとおりですが、企業の想いが全て『取組(行動)』という形で現れるからです。上述した「行動原理」のところでお伝えしたとおり、「行動」には必ず「目的」があります。その「目的」が「課題解決」です。皆さんの行動も全て、何らかの「課題解決」のために行っているはずです。行動“全て”です(気が付いたら無意識にやってたということは除きます)。そして課題があるということは「現状」には満足していないということです。「理想」とのギャップを感じているはずです。そのギャップが「課題」です。その課題を解決して理想に近づけるために「行動」しているということです。
つまり何が言いたいかというと“全ての「行動」は「課題解決のため」に行っている”ということです。
人の心の中を直接見ることはできません。しかし、心の中を“ある程度予想する”ことはできます。その唯一の方法が「行動を見る」ことです。「行動」の理由を考えれば、何をしたいのかがわかってきます。何を課題として捉えているのか、企業の現状に対し、あるべき姿をどのように考えているか、といったことが見えてくるのです。
与件文をみれば、問題が多発し、課題が山積しています。この情報の整理は至難の業です。しかし、誰であれ、どこの企業であれ、最終的な判断が「行動」という形に収束され、現れます。だから、「行動」から逆算して考えることで、企業が何をしたかったのか、企業は何を課題として捉えているのか、あるべき姿をどのように思い描いているのかがわかるのです。だから、取組(行動)を見れば読み解きやすくなるのです!
構図は同じ
これは試験勉強と同じ構図となっています。過去問をみて、出題形式、出題範囲を確認してからテキストを見ますよね?テキストで学習してから過去問着手では非効率なのと全く同じです。テキストと過去問、やることは同じなのに、行う順番が違うだけで効率もかなり変わってきます。与件文読解も全く同じです。「取組(行動)」を先に確認し、それからその行動で解決できる「課題」を探す方が効率的に情報を整理できるのです。「過去問」から「テキスト」の順です。同じように与件文読解は「取組(行動)」から「課題」の順です。企業の「取組み(行動)」を最初に見つけようと言ったのはこのためです。
少し説明が長くなってしまったので、一度ここまでの内容をまとめます。
第4章まとめ
「現状」「環境変化」「あるべき姿(理想)」「課題」「取組」「効果」の6つの要素のうち、「取組(行動)」は与件文にストレートに記載されているため見つけやすい
山積している課題に対し、真っ向から勝負を挑むのは非効率
「取組(行動)」から逆算して行動の意図を考えれば効率的に与件文情報を整理できる
「これが企業の取組(行動)ね!なぜこれを行ったのかというと…(与件文チェック中)…これか!これが課題だったから、このような取組(行動)をしたわけね!そう考えると…(与件文チェック中)…なるほど!このように外部環境が変化したから、今までのやり方が通用しなくなって、このような課題が生まれたってことか!」
こんなイメージです。企業の「取組(行動)」を起点にして考えれば、複雑に絡まっていた情報をきれいに、そしてスムーズに整理できるようになります。
coffee break ~きっかけは「キングダム」。媧燐の分析に感謝~
「取組(行動)」を起点にする読み方に気付くことができたきっかけがコチラです。
構図としては、李牧が事例企業で、 李牧(事例企業)を冷静に分析する媧燐が私です。
“やること全てに意味がある!”
この、媧燐が発した何気ないフレーズが、与件文読解に苦戦していた私にものすごく刺さりました。雷が落ちたような衝撃を受けました。この考え方はめちゃくちゃ大事です!
例えば仕事の場合、仕事が早い人はよく周りを見ています。人間観察をしています。しかしそれは決して表面的なものを見ているわけではなく、その行動の裏にある“心理を読んでいる”のです。「どのような課題を解決するためにそのような行動をとったのか」についてひたすら“深読み”しているのです。行動の背景にある“意図”を考えているのです。仕事を頼まれる前からそのように考えて準備ができているから仕事が早いのです。デキる人は、わざわざ言わなくても行動の目的を瞬時に察して先回りしてサポートしてくれるのです。(デキる人は違いますね!)
人の考えは態度や行動、何気ない仕草に如実に表れます。「課題解決」と聞くと、何かビジネスライクな感じがしてアレルギー反応を起こしてしまいそうですが、決してそんなものではなく、普段の行動“全て”が課題解決であるということがわかった瞬間でした。モヤモヤしていたのが急に晴れたことを今でも覚えています。
「考えや思考は最終的に“行動”として表れる」
「行動から逆算する形で行動の意図や目的を考えることでスマートに事象を整理することができる」
このように思うことができたのです。
2次試験は知識試験ではなく“能力”が問われている試験です。それがわかっていたからこそ、当時の私は自分の読解能力の無さに絶望していました。
「どうしても与件文読解に時間がかかりすぎる…能力は短期的に鍛えるのが難しい…詰みか…」
キングダムを読んだタイミングが、このようにちょうど絶望していた時期だったので、媧燐の「やること全てに意味がある」というフレーズが特に目に飛び込んできたんだと思います。(2次対策もせずに漫画を読んでたんかいッ!というツッコミは甘んじて受け入れます笑)
つくづく私は運がいいと思いました。(そして、キングダム面白すぎる)
第5章 その他読解テクニック
本章では少し細かいですが、押さえておくことで読解負担が軽減される読解テクニックを紹介します。
先ず初めにお伝えしたいのが「出題者は模範解答を用意している」ということです。そうでなければ解答字数を設定できません。そして、出題者は必ず与件文中に「解答へ導くためのヒント」を盛り込んでいます。このヒントが無ければ誰も模範解答に近づくことができないからです。だから、ヒントを見逃さずにモレなくピックアップすることがとても大切になります。これから紹介するテクニックは、この“出題者からのヒント”を見つけやすくするためのものです。
テク①「なお、~」
あからさまなヒントです。解答作成にあたりこの情報が無いと出題者の考える模範解答に辿り着かないことから、後から付け足した文章であり、ほぼ確実にどこかの解答根拠として使うため、見つけたらグリグリマークを心掛けましょう!
テク②比較用語
これらは競合他社と比較してはじめて言えることです。自社だけ見ていてもそれがいいのか悪いのか、品質が高いのか低いのかはわかりませんよね。このような比較した結果を示す「比較用語」も意識して読めば沢山見つけることができます。比較した結果、勝っている点は強みとして使いましょう。逆に劣っている点は解決を提案してみましょう。
テク③インパクトがある用語
これは多分に感覚的です(笑)。複数年度分の過去問を繰り返すことで、例年根拠として使われるインパクトのある表現、あるいは例年にはないインパクトのある表現に対する嗅覚が研ぎ澄まされていきます。キーワードとして使ってもらいたいという出題者からのヒントかもしれませんので、こういった用語に対する感度も高めていきましょう。
テク④一般的に改善余地がありそうな用語
これらは明らかですよね。「解決できるように提案してね」という出題者からの大ヒントです。
いかがでしょうか?これらからは出題者からの“何らかの意図”を感じませんか?この「なんとなくクサいな」という感じをキャッチできるようになることが大切です。
ここで私が言いたいのは、これらを丸暗記しろということではなく、「出題者はこんな感じでヒントを教えてくれているよ」ということです。わざわざヒントを目立たせることで出題者が想定する模範解答に誘導してくれています。わかりにくいように隠すのではなく、上記のとおり比較的わかりやすいようにヒントを教えてくれています。そこにしっかりと気が付けるように過去問演習を繰り返し行いアンテナの感度を高めましょう。嗅覚を鋭くしましょう!
第6章 まとめ
真正面から向かっていっても勝ち目はない(読解で相当時間を浪費しゲームオーバー)
先ずは膨大な与件文を食べやすいサイズに切り分け(紐づけ)よう
「課題解決フレームワーク」を使った課題解決思考で読み解こう
与件文は、企業の「取組(行動)」から読み解こう
「出題者は出題者が考える模範解答に辿り着くよう、ヒントを散りばめている」このことを頭に入れた上で与件文を読もう(これを意識するだけで同じものを読んでも感じ方が変わってくる)
これも一つの「スキル(=能力)」。過去問を繰り返し行って鍛えよう!
読解テクニックは以上です。
これ以上はハッキリ言って「人それぞれ」の領域だと思います。それを強制したら、かえって読みにくくなるだけです。ここまできたら、あとは実際に過去問演習という名のトレーニングをひたすら繰り返して「自分なり」の読み方を見つけ、そして、読解力を高めてください。シュートフォームが人それぞれあるように『読み方』も人それぞれです。練習を通じて自分に合ったシュートフォーム(読み方)を見つけていただきたいと思います。
第7章 最後に
中小企業診断士試験の最大の山場は“2次試験(筆記)”です。そこの対策があなたの「人生」の明暗を分けます。人生といったのは決して大袈裟なことではありません。中小企業診断士試験は年にたった一度だけなので、1度の失敗は「1年の足踏み」を意味します。限りある人生の残り時間のうち1年も無駄に過ごすのは非常にもったいないです。
私のようにしくじらないために、私のような方を生み出さないために、私が辿り着いた2次試験対策の「結論」をお届けします。
コチラは、私自身が合格した後に「なぜ合格できたのか?」を忘れないうちにメモしておこうと自分自身を見つめ直していたら、いつの間にかこのような記事が出来上がったものです。
時間を金額換算すればものすごい出費になります。1年の足踏みは時間を奪うだけではなく、あなたからお金さえも奪います。是非今回でけりをつけましょう!
以上です。