見出し画像

【インタビュー】こば(kobakutsu)の考える靴屋の魅力 【自問自答】

こどもの頃、NHKでやっていた番組「はたらくおじさん」に憧れませんでしたか?世代によっては「情熱大陸」「プロジェクトX」に憧れた方も多いでしょう。あの憧れを、あなたの熱い仕事を記事にする。
それがこのnoteです!

タイトルは「はたらくマン」

・世の中にはこんな仕事がある。
・これがきっかけでこの仕事を目指した。
・こう思われがちだけど、実はこんな事もやっている。
・この仕事はこんな苦労があるけど、こんな嬉しい事がある。

皆知っているようで以外と知られていない仕事の裏側をnoteにまとめます。
脳内BGMは「はたらくおじさんのOP」「情熱大陸」「地上の星」で補完してください。

■靴屋になったのは「曲がったことが大嫌い」

―こばが何者なのかよく知らない人も多いと思いますので、色々と聞かせてください。まずは、靴屋になったきっかけを。ご実家が靴屋だったのですか?


実家は靴屋ではありません。
父親は工業系の仕事で母親は看護師でした

画像1

―そうなんですね。ではなぜ靴屋に?

話せば長くなるのですが、親の勧めでニュージーランドに行った事が起源です。

ーえっニュージーランドですか?またなぜ?

高校生の頃から競艇の選手に憧れていまして、競艇選手になるために受験をし続けていたんですよね。でも、それが結構大変で合格率が40-50倍の超難関な試験なんです。しかも、当時は受験できるのが満20歳まで

ーそれは、本当に難しい試験ですね。

ええ、様々な試験があり、それでもなんとか最終試験まではいつも残るのですがとうとう年齢制限に至るまで合格の文字を見ることが出来ずに終えました。高校在学中から競艇の道しか見ていなかったので、もう無理なんだなって突きつけられた時は本当に心にポッカリと穴が空いた感じで生活をしていました。

そこで親に言われたのが、どうせ暇なら海外に行ってこい!
という言葉でした

ーその流れで海外なんて、とても思い切ったご両親なんですね。

わたしもビックリしました。
でも、父いわく「これからは英語か中国語が話せるかどうかで仕事が変わる。まだ20歳。どうとでもなるから海外に行って話せるレベルになってこい。気分転換にもなるだろう」という言葉を受けビザの申請や何やらで半年間は間があくので寝る間を惜しんで働いて渡航費用を稼ぎました。

ーいよいよニュージーランドですね!

そうです。また長くなるのでやや端折りますが、ニュージーランドで一番栄えている街。オークランドで生活をしていた時に面白いものを見ました。

義手の大道芸人です。主にパントマイムをされていたのですが、必ずその後ろには整備をするおじさんが待ち構えていて、なにか不調があると持っている道具で微調整をされていたのです!

これに目と心を奪われたのが当時21歳のわたしでした。

義手や義足ってこんな事できるんだ!マジで面白いわ!
というのが第一印象で、そのパフォーマンスを見るために通うようになるのにそう時間はかかりませんでした。

画像2

パフォーマンスを見る前のルーティン。アイスを食べる。

ーその出会いが靴屋にどう関係しているのですか?

はい、実は話には続きがありまして。
帰国してからあの仕事はなんだ??と調べて看護師の親に相談したら
あれはどうやら「義肢装具士」という仕事という事を教えてもらいました。

急いで義肢装具士になるための方法を検索したら、どうやら義肢装具士の専門学校に入って、国家試験を合格したらなれるらしい。

そして、どうやらその学校は九州には私の住んでいる熊本県に唯一あるそうで、気がついたら願書を送って入学して卒業してはれて義肢装具士として世に放たれたのです。

ー 一気に飛びましたね笑 でも、まだ靴屋ではないのですね!

そうですw
義肢装具士になったものの、当然そのようなパフォーマーの整備なんて珍しい仕事につけるわけでもなく働いていました。その当時はインソールと靴、足のサポーターを専門に病院に出向いて製作をしていました。

ただ、教科書のやり方を一生懸命勉強してそれが正解だと思いこんでいたわたしに大きな矛盾というか心がかき乱される出来事があったのです。

それが、そもそも足に合っていない靴にインソールを作る問題と
ただでかくてダサい靴をどんな人にも履かせないといけない問題で

ーいよいよ、靴屋の世界に入りそうですね!

おまたせしました!
そうなんです。教科書的にも実体験的にも足とインソールの相性もそうですが、そもそもの入れ物である足と靴の相性が最悪なものに作るよう命じられる事が多かったんですよね。

それぞれ相性の問題なので足、靴、インソール。全てのバランスが良くないと良い効果は出ません。しかし、現実はそうではありませんでした。

また、同い年ぐらいのかわいい女の子にただでかくてゴツいだけの靴を履かせないといけない事がありました。もちろん、治療とはいえこういうデザインを履いてほしくないなぁ。という思いもそうですが、明らかに拒絶されました。

これは履きたくないと

そりゃそうだよなぁ。というのが一番の印象です。

世の中には本当にたくさんの靴があります。
ちょっと工夫をすれば今の状態でも愛らしい靴を履けるのに、退院しても履けるし、きっと彼氏さんや旦那さんが来た時にも綺麗な姿を見せれるのになぁ。。。。

という思いが自分の中で大きくなって、今の体勢で出来ないのなら自分が店を開いてやるしかない!という結論に至り、5カ年計画で

靴屋をやろう!

という風に考えてコバ靴店を起業しました。

ーそのようなエピソードがあったのですね!実際にやってみてどうですか?

大変ですが、やっぱり喜ばれるし、面白いなぁ!という風に思います。

とあるお客様なのですが、外反母趾やウオノメで30分歩くのがやっとだった、しかもゴッツイでかい靴で洋服にも合わないし色々と諦めておられました。

このご婦人の足元を赤のサンダルにちょっと調整をしたらスタスタと歩かれて、本当に喜んで頂けましたし、絶対に無理と思われていた夢の欧州旅行にも行かれたそうでその喜び用を見るとわたしまで嬉しくなりました。

画像3

画像4

ーそこまで喜んで頂けるなんて素晴らしい仕事ですね

手前味噌ですが、本当にそう思います 笑
生活はまだまだ苦しいし、考えに考え抜いた靴、サンダル、インソールでしたので良いお声を聞けた時は本当に嬉しかったです!

ーあなたにとって靴屋の魅力とはなんですか?

靴屋の魅力は痛みや悩みに直結する「謎解きゲーム」な事です。

わたしのやっている靴販売は義肢装具士という事もあり、
足の痛みや悩みを解決する事が主目的です。

ただ、カラダの悩みというのは一朝一夕でなるものではありません。
その人のカラダのクセや体質、生活環境など様々な面による
長年のカラダへの負担の積み重ねが形として現れたのが

「痛みであったり、変形であったりします」

そこの現実的な見極めと対策、そしてお客様の求める履物の限界と現実を確認しあって「では、この靴にこのインソールをこうしましょう!」という風になります。

その中でも痛みの対策をわたしに求めるお客様が多いです。
ですので痛みの原因となぜ痛くなるのか?

という問題を正確に把握する必要があります。
見当違いであれば、買ったのに痛いじゃないの!!!

となってしまうからです。痛かったらもちろん、
評価は最低でリピーター様になって頂けるはずもありません。

ですので、ここは慎重になるのですが
その真剣さ故にある種の「謎解きゲーム」感があって楽しいのです。

ー靴で謎解きゲームって斬新ですね!

はい!仕事は楽しくしたいので!
何でしょうね。こどもの頃ってただ「追いかけっこ」するだけでも楽しかったじゃないですか?

走ってタッチされないように逃げる。
タッチされたら別の人にタッチする。

という、次世代ゲームで出したら確実に叩かれるような留学3日目の子にも伝わるような簡単なルールであっても

当時はこの世の娯楽の粋を極めた!と思わんばかりに楽しくありませんでしたか?

ー確かに気がついたら夕方になって、友達と分かれるのが惜しいぐらい面白かったです。

でしょ?
あれってルールが楽しいのではなく、本当に真剣にやるから楽しかったと思うんですよね。銀魂でも言ってましたし。

それと同じくらい人のお悩みを聞いて、足を見て、足を触って、カラダを見て、カラダを触る(主に骨盤)。それらの情報と症状の推察から

靴とインソールで出来る確実なお悩みの対処法をいくつか導きだす。

この作業がわたしにはとても面白くて、いつまでも考えられる事なのです。
一般の靴屋とは違うかもしれませんがこれが靴屋として一番楽しい瞬間であり、やり続けられる理由です。

靴屋は楽しいですよ!
道具でのアプローチなので、履けばその瞬間効果が出るのが魅力です。
筋トレやストレッチのように数ヶ月単位で効果が出るものではなく、その瞬間瞬間が勝負であり、謎解きゲームの答え合わせの合否がその場で分かる。

気の短いわたしにもピッタリです!

ー本日はありがとうございました。



今現在で約3600文字です。
このような感じで様々な人にインタビューをして実際にまとめる時は
5000-10000文字ぐらいで様々な画像を頂いて考えております。

ご希望の方はこのnoteのメインメニューから購入後
Twitterにご連絡ください!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?