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チームメンバーの相互理解を爆上げする為のスキルマップ作成

僕は現在、コラボスタイル全体のプロダクト責任者をやりながらクラウドソリューションチーム(略してクラソル)」のチームマネジメントも担当しています。

クラソルは他サービスとの連携機能を開発したり、パートナーさんへの技術サポートを提供したりと、なかなか幅広いタスクを持っているチームです。

このチームは最近リニューアルして絶賛成長中なので、
マネージャー自身はあまりでしゃばらず、自律したチームとしてメンバーの相互マネジメントが育つような支援を行うことを心がけています。

観察してみえてきた課題

そんなクラソルのメンバーは(新人が多いにも関わらず)
みんな理念に共感して集まってくれているだけあって、何もせずとも自律的に考えて動いてくれます。えらい!

でも観察していると課題も見えてきます。
それはタスクという「ボール」を誰が取りに行くのか?という事です。

みんな意識が高いから積極的にボールを取りに行ってくれるけど、それだけでは守りが手薄になる箇所ができるよね。
疲労が溜まって動けなくなる時もあるかもね。

じゃあボールをどう処理すればいいのか?

メンバーはどう位置取りするべきなのか?
ボールが来たら誰にパスを出すべきなのか?
相手の力を信頼して強めのパスを出すにはどうしたらいい?
強いパスを納得して受け取るメンタリティはどこから生まれる?

チームメンバーそれぞれが自律して局面を判断し、
今は誰にパスを出すべきなのか?
あるいは自分でゴールを狙うべきなのか?

そういった事を判断するための基準をチームメンバーが共有する事が必要だと感じました。

誰がボールを取るかの基準

その基準を作るために必要な事って何なのか?
それはシンプルに相互理解だと思うんですよね。

チーム内のAさんはどこにポジションが得意で、どんなときにボールを取りたがるのか?どんな局面で力を発揮するのか?

どんな成長をしているのか or したがっているのか?
何が苦手なのか?

チームメンバーのそういった好みや特徴をメンバー全員が理解している事が、ある局面での適確な判断基準につながる。

そんな思いで作ったのが「相互理解爆上げスキルマップ」です。

相互理解爆上げスキルマップ

スキルマップ自体の説明は他の記事に譲るとして、
ここでは僕たちのチームでやったことを中心に説明します(見れば分かるし)

これは実際に作ったスキルマップから「コミュニケーションスキル」の一部を抜き出したものです。

一番左の列が「スキルの種類」
それ以外の右の列が、チームの各メンバーが保持しているスキル(&好み)を表しています。

ポイント1:技術的なスキルに絞らない

このスキルマップの一つ目のポイントは「技術的なスキルに絞っていない」事です。

エンジニアのスキルマップでは「どのようなプログラム言語に精通しているか?」といった技術的なスキルを重視するイメージがありますが、実際の仕事ではコミュニケーションスキルなどの周辺スキルも(かなり)重要です。

そのため、技術的なものに絞らずスキルを選定しています。

ポイント2:スキルを細分化する

また、見て頂くと分かる通り「コミュニケーションスキル」にも色々あるので、スキルをかなり細分化しています。

例えば僕たちのスキルマップでは「他チームとのコミュニケーション」と「他チームとのタスク調整」が分かれています。

前者はシンプルに「交流が好き」という事を表していますが、「交流は好きだけどタスク調整は好きじゃない」人もいますよね。

それを細分化して明確にする事で、メンバーそれぞれの得意分野、立ち位置、成長の可能性を正しく探れるようにしています。

ポイント3:感情を表せるようにする

後はマークも重要です。以下はスキルレベル。

神 …マスタークラスと自認している
◎ …人に教えられるくらいには理解している
○ …人に教えるのは微妙だけど自分ではできる
△…誰かにフォローしてもらえばできる
× …できない
-…やったことない

以下は感情マーク。感情マークは他のマークと併せて使えます。
「○♥」だと「できるし好き」になります。

♥…好き
↑ …やらないといけないと思ってる
↓ …やりたくないと思ってる

感情マークがある事で、スキルマップが単なるスキルレベルを測るものではなく、個人の好みや学習目標、やりたくないことまで理解する事ができるものになります。

個人的にウケたのはこれ。
Aさんは「取引先との調整」は「できないしやりたくない」のに、
「取引先との交渉」は「得意で好き」になってる。
極端やなww

Aさんいわく

「取引先との日々の調整はやりたくないけど、ここぞという時に相手と交渉するのは得意だし好き」

みたいな事を言ってました。
なるほど。なんかわかるなあー。

調整と交渉をわざわざ分けたのはこの辺りのニュアンスを炙り出したかったという目的もあるので、違いが出て嬉しかったです。

こんな感じで、単なる得意不得意だけで無く、仕事に対する姿勢や好みが大きく出るところが僕たちのスキルマップの特徴です。

やってみてどうだったか?

スキルマップは何度かに分けてトータル3時間くらいかけて作成しました。
項目数は現状で100くらいかな。

マークを付けた後「なんでこのマークなのか?」というのをみんなで話したり、チームとして手薄なスキルについての対策を話したりしたので、結構時間がかかっています。

でも、やってみての印象は「とにかく楽しい」です。
特にコミュニケーションやドキュメント作成に対する考え方を話すのは楽しいし、盛り上がる。

「苦手なんですよ」「やりたくないんだよー」っていう話も、率直に聞いて話し合う事に意味がある。

「コミュニケーションが苦手」という人も、スキルを細分化する事で、全てのコミュニケーションが苦手な訳ではない事も分かる。

そんな事をチーム全体で意識できたのは大きなメリットだったと思います。

まだまだ始まったばかりの取り組みなので、これが本当に「誰がボールを取るかの判断」に役立つかについては今後の検証が必要ですが、
チームとして手薄なスキルが明確になり、誰がそれをカバーすべきかという「ポジション取り」の意識ができただけでも大きな収穫です。

今後も効果を検証しながら、より良いものに成長させていきたいと思っています。

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