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本当に使われるSaaS連携を作るためにSaaSベンダーは何をすべきか?
ユーザーのSaaS利用が当たり前になっていく中で、SaaS同士をつないで現場フィットさせるニーズは、ますます高まってきています。
コラボスタイルもコラボフローとkintoneの連携を2015年から提供しており、SaaS同士の連携が生み出す価値の高さは、身にしみて感じているところです。
ただ、そのkintone連携もリリースしてすぐに多くのユーザーに受け入れられた訳ではなく、現場ニーズに即した提案ができるようになるまでにはたくさんの紆余曲折がありました。
メーカーの限界
kintoneに関しては、過去の積み重ねからベンダーとしてかなりしっかりした提案・支援ができる体制を作れてはいますが、先日リリースしたLINE WORKS連携のようなSaaS間連携を今後も増やしていく中、限られたリソースで意味のある連携提案ができる体制を維持することは、なかなか難しいチャレンジです。
また、専用機能を作り込まず、WebhookやAPIを使って接続できるサービスを含めると、SaaS間連携はそれこそ膨大な組み合せとなります。
結果としてベンダーだけで、考えられる全てのSaaS間連携をフォローする事は事実上、不可能だと言えるでしょう。
現場ニーズに至る道を整備する
でも、ベンダーがSaaS同士を「機能的」に接続しただけでは、本当に意味のある連携にはなりにくいのも事実です。
SaaSを島に例えるなら、連携機能を作っただけでは、お互いの島と「ユーザーニーズの島」に橋を渡し、「仮説の道」を作って「これでいつでもお互いの島を行き来できるようになりました!」と言ってるようなものです。
仮説がばっちり当たっていればいいですが、時にベンダーは「ユーザーニーズの島」のどこに村(ユーザーの現場ニーズ)があるのかも分かってなかったりします。
だからベンダー側は村に向けて道を整備したくても、どこに道を作ればよいかも分からない。そんな中でできる事はとりあえず仮説の道をきれいに整備するくらいです。
しかしこのままでは、橋を使う人は誰もおらず、全く使われない道が整備されただけ。隠れた村につながる小道を見つけるには、ユーザーの協力が必要です。
ユーザーが双方のSaaSの特徴を理解して現場業務に落とし込み、実際の動作を検証して、なお足りない部分は運用を工夫する。この地道な努力を行う中で、初めてユーザーニーズの小道が現れます。
そしてできた小道を、ベンダーはしっかりとフォローして誰もが使える道にしていく。
それによってようやく島同士をつなぐ橋が利用されるようになり、本当の意味で両方の島が「つながった」と言えるのだと思います。
現場起点で生まれる業務をどう支援するか?
ではメーカーは小道をユーザーが作ってくれるの待つだけしかできないのか?というと、もちろんそんな事はありません。
しっかりユーザーニーズに関するアンテナが張れていれば、ユーザーが道を作り始めた事をいち早く察知して支援し、小道を可能な限り素早く整備して、多くのユーザーに共有する事ができます。
また、両方の島の特性や村に詳しい専門家(現場ニーズの理解と特定の業務知識を併せ持つパートナー)と協力し、その案内の元に村を探すといったアプローチもとれるでしょう。
また、最近はiPaaSのジャンルでもこの「現場フィット」を重視したサービスが現れつつあります。この方々はSaaSベンダーとは別に、あるいは一緒になって島に橋をかけ、さらにユーザー村の探索まで行おうとする交通インフラのプロ?みたいな存在ですので、ベンダーとしてはこういった方々と、しっかりと協力体制を作り上げておくのが重要ではないかと思います。
課題はあれど楽しみなSaaS連携
SaaS同士の接続はまだまだ未開拓のジャンルです。しかし、だからこそこれまでにない多くの価値をユーザーに提供できるチャンスでもあります。
今後はSaaS島とユーザーニーズ島のそれぞれに詳しい専門家の方々の力や、交通インフラのプロたる新世代iPaaS製品群の力がますます重要になってくるでしょう。
SaaSベンダーとしてはいろいろな方々のお力を借りながら、何ができるかを考え抜いて、より現場にフィットする連携を実現できる体制を作って行きたいと思います。