DXをバズワードと切り捨てず楽しく付き合うためのたった1つのポイント
DX(デジタルトランスフォーメーション)ってなんか分かりづらいですよね。なんでも斜に構えて見がちな僕なんかはこういった言葉と付き合うのは結構苦手なんですが、一度しっかり向き合ってみると意外と今の状況が良く表われていて「今の時代に必要な言葉なんだな」と思えるようになりました。
ちなみに経済産業省の「DX推進ガイドライン」ではDXは次のように定義されています。
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。
でもこの定義、ちゃんと読みましたか?
…読んでないですよね。すっ飛ばしましたよね。
そうなんです。読めないんです。
なんか凄そうなんだけど興味が湧かない、分かりそうだけどパシッと頭に入ってこない、そもそも脳が拒否してるのか、読めない。
そういうところがいまいちDXに乗り切れない理由ですが、ちょっとポイントを押さえれば楽しく付き合えるようになるので、今日はDXに馴染めない人の為にその辺の話をします。
DXを理解する上で押さえるべきポイント
という事で、ズバリDXの本質とは
「ITは単なるコストとちゃいまっせぇ!ITはあんさんの強みを更に尖らせる最強の矛なんやでぇぇぇぇ!」
「ま、萬田はん…!」
という事なんですよね。
もう少し丁寧に言うと次のような感じになります👇
DX以前のIT
DX以前のITはビジネスのために「必要だから」使うコストという認識です。それだけでは競争優位にはなりません。
・「メール無いと連絡でけへんから使えるようにせんとあかんなあ・・」
・「会計システムないと決算でけんからこれも買わんとなあ・・」
・「でもメールも会計システムも、わしらが競争に勝つためのもんとはちゃうわなあ・・」
DXで考えるIT
DXでのITは自分達の強みを伸ばして他社と差別化するための投資です。
・「こんだけコミュニケーションが活性化したらメンバーの成長率めっちゃ高まるでえ」
・「毎日の活動やら工夫やらがナレッジになって貯まりまくっとるがな。来年にはどんだけ強くなっとるか怖いでえ・・・」
・「お客さんとのコミュニケーションがどえらいスムーズになってもうて、ごっつい受注率が高まっとるでえ」
・etc...
つまり「IT=コスト」から「IT=競争力の源泉」という転換が中心にあるのがDX。
IT=コストという認識だと、スピードや柔軟性はどうでもいいから外部委託してコスト削減しよう、という考えになるけど、IT=競争力の源泉という認識なら、自分達で理解してスピード重視で動き、変化に即応しようと考えが変わる。
「矛は持っとるだけではあきまへん。誰かに任せっきりにしてもあきまへん。こんなふうに常に傍らに置いて、いつでも使えるようにしときなはれぇぇ!(ビュオッ!)」
「ヒィィィやめておくんなはれ萬田はん!」
という事ですね。
DXではITを「使い倒す」事が大事なわけです。
そしてそのITを「使い倒す」ためのコストも、ノーコード、ローコード、クラウドサービスの登場によって以前より大幅に下がってます。
昔は専門家にお任せしないと使えなかった矛も、今では社内のメンバーで扱える軽くて丈夫な矛があるし、すぐに使いこなすのが難しいなら一緒になって支援してくれるベンダーもたくさんある。
ただ残念なのはその事実に気づいていない人がたくさん居るという事。考え方をアップデートするだけで、たくさんの組織の競争力が上がる時代なのだから、それを世に知らしめるために言葉が必要。それが「DX」なんだと思います。
「競争相手がこの矛で毎日強みを積み重ねていっとる間、あんさんが無為に過ごした日々。その隠れた利息は……トイチでっせぇぇぇぇ!!」
「払います!払いますよってに堪忍しておくなはれ!萬田はん…」
というホラーストーリーを使ってでもDXを進めていった方がいい。そう思える今日このごろです(嘘。本当は「トイチでっせぇぇ」って書きたかっただけ。)
と言うことでまとめると、大事なポイントはこの3つ👇
1. ITは単なるコストではなく強みを更に尖らせる最強の矛
2. DXではITを「使い倒す」事で一層競争力がUPする
3. IT内製化のコストは下がっており、一緒になって支援してくれるベンダーもたくさんある
そして、絶対覚えるべき「たった1つのポイント」は上記1だけです。
ともかくこれさえ覚えておけば、DXをなにか難しいもの、自分にはあんまり関係ないものと切り捨てずに楽しくDXと付き合えると思います。
DXという言葉は人によっていろんな解釈がありますし、ここでの定義を乱暴と感じる方もいらっしゃると思います。
でも細かい理屈にこだわらず、ポイントを押さえて理解することで生まれるものもあると思うんですよね。
DXを推進する立場にある方、DXを外部から支援する方、それぞれの方々がこの言葉の良いところを活かして、世の中が楽しく便利になっていくといいなと思ってます。