ユーザーの職人化を防いでポジティブにUI変更を続けられるようにするためのサービス設計
ちょっと前になりますが、JRのチケットを発券する操作が格好良くてずっと見てられるとTwitter辺りが盛り上がってた事がありました。
こういうやつですね👇 この30秒くらいからの動きがほんとすごい。
この流れるような指さばきは正に職人技って感じです。
一方、こういった業務系の専用機でなく一般ユーザーが利用するサービスでは「ユーザーの職人化」は、あまり歓迎されません。
ユーザーが不便なUIに慣れて職人化すると、慣れなくても分かりやすいようUIを改善した時に不満が出てしまうからです。
変化に対応し続ける現代のサービスでは、ユーザーの職人化によってサービスの進化が阻害されないように注意する必要があります。
職人化を防ぐ方法
でも、職人化を防ぐ方法なんてあるんか?ってことなんですが、そもそも過度の職人化が起こるのは「特定の人が限られた時間に、大量の入力を行う必要がある場合」がほとんどです。
例えば先ほどのJRの発券業務や、経理部の仕訳入力みたいに入力がボトルネックになってるケースでは、大きな負荷がかかるオペレーターさんは、ストレスに対応して職人化してしまいます。
なので、職人化を防ぐためにはサービス設計の観点で、そもそもの「人間が入力のボトルネックになるポイント」を未直す必要があると思うんですよね。
例えば「熟練のオペレーターさんに入力をお願いする」というユーザー体験を「好きな時間に自分でゆっくり入力する」に変えたり「そもそも入力をさせない」ようにする。
既に行われている事では、JRチケットのスマホ購入や、会計ソフトで銀行やクレカからデータを自動取り込みを行う機能等は入力のポイントをずらす施策と言えるでしょう。
そうしてユーザー体験が変われば、UIのあり方も変わっていきます。
カツカツの入力を行いたい職人にとっては無駄に思えるガイドや説明も、ゆっくり入力する素人にとってはならないもの。
ユーザーがみんな素人で分かりやすさが重視される世界では、無味乾燥なUIは無くなってUI改善は歓迎されるようになり、サービス提供者は改善を素早く継続的に行えるようになります。
僕がプロダクトマネージャーを担当しているコラボフローは、特定の担当さんに集中する書類業務を個人で申請できるようにして負荷を減らす目的で使われることも多いので、サービスとしては「職人化問題」を解決する側に立っているつもりです。
でも使い方によってはコラボフロー自体が入力のボトルネックになるようなケースもあるので、ユーザーの職人化という気づきづらい問題については、常にセンサーを張っておく必要があるなと思う今日このごろです。