『インド洋・太平洋』の方がいいと思うんですが…
アメリカのバイデン大統領が来日中です。
今回の訪問、ポイントの一つが中国との向き合い方。
日米首脳会談につづき、クアッドと呼ばれる日本、アメリカ、オーストラリア、インドの4カ国による首脳会議も開かれています。
この「クアッド」は、中国を念頭に置いて、アジアと太平洋地域でいわゆる「自由主義陣営」の4つの大国が結束を固めるのが目的です。
これら一連の外交日程で、何度も耳にするのが「(自由で開かれた)インド・太平洋」(Free and Open Indo-Pacific)という言葉。
この「インド・太平洋」とは、もちろん「インド洋(地域)」と「太平洋(地域)」という意味です。
実は、最初に「インド・太平洋」と聞いたとき、「インド(という国)」と「太平洋(という海)」のことかと一瞬思ってしまいました。
誤解を避けるためには「インド洋・太平洋」と言った方がいいと思うんです。
もちろん、こんなこと考えているのは私だけだでしょうし、慣れれば違和感はなくなると思いますが…。
ちなみに、「アジア・太平洋」という言い方は以前からよく使われていましたが、「インド・太平洋」という言葉はここ数年なのではないかと思います。
(海洋学など自然科学分野は別として…。)
"Indo-Pacific"というときの"Indo"は、「インド」という国でも「インドの」という形容詞でもなく、「インドと」という意味を表すはずです。
例えば"Greco-Roman"(グレコ・ローマン)が「ギリシャ『と』ローマ」の意味になるように。
きょうもまた「気にし過ぎ」な言葉のお話でした。