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『中越え三塁打』をどう読むか

大リーグ・ロサンゼルス・エンゼルスの大谷選手の活躍は目が離せいないですね。
チームは調子を落としていますが…。

今回は野球に関するお話です。
画像は大谷選手(と秋山選手)の活躍を伝えるスポーツ新聞のウェブ記事(見出し部分)です。

「中越え三塁打」とありますが、意味は分かりますよね。
放送での実況中継だったら「センターオーバーのスリーベース(ヒット)」と言うところです。
「中越え三塁打」だと6文字ですが、「センターオーバーのスリーベースヒット」だと18文字あります。
目で文字を読む場合は「中越え三塁打」の方が分かりやすい、しかし放送など耳で聞く場合は「センターオーバーのスリーベースヒット」の方が分かりやすいということになります。
ウェブ上でもそうですが、新聞記事やテレビの画面上の字幕などは、スペースに限度があるので、なるべく少ない文字数の方が都合がいいわけです。
また、カタカナがたくさん並んでいると、文字を追って意味を理解するのが負担になります。

これに対し、耳で聞くと「なかごえ」(中越え)では意味がつかみにくいですね。
センターのことを「中堅手」とは言いますが、口頭で「中(ナカ)」と略すことはありません。

スポーツ新聞(またはウェブ記事)に慣れた人だと、「中越え三塁打」という文字列を見て「センターオーバーのスリーベース(ヒット)」と思いながら読むこともあるでしょう。
「投手」「捕手」「遊撃手」と書いて「ピッチャー」「キャッチャー」「ショート(ストップ)」と読むのも同じようなことですね。

これらは、ある意味、漢字の「訓読み」に似ているかもしれません。
訓読みとは、例えば「山」(サン)という文字を「やま」として、「水」(スイ)という漢字を「みず」として読んだり使ったりするわけですが、日本語以外にもあるそうです。
例えば英語で"etc."と書いて"and so on"(「等々」の意味)と読むのも、広い意味で「訓読み」だということです。

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