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『とんでもごさいません』は変なのか?
「とんでもない」という言葉を丁寧にしたいばあいは、なんと言いますか?
「とんでもございません」というのをよく耳にしますが、言葉としてはちょっと違和感がありますよね。
「とんでもない」ということばは、「とんでも」と「ない」に分かれているのではなく、「とんでもない」でひとつながりだから、というのが理由。
広辞苑によると「とんでもない」は「途でもない」が転じたものだそうです。
例えば「あどけない」は「あどけございません」とは言わないのと同じようなこと(似ている)と言えそうです。
ほかにも「あっけない」とか「あられもない」なども仲間に入れていいかもしれません。(ちなみに「あられもない」についてウェブ上の辞書「精選版 日本国語大辞典」を見ると、「『あられぬ』の『ぬ』に代わり、助詞『も』、形容詞『ない』が付いて一語化したもの」との説明があります。)
したがって、「とんでもない」を丁寧にする場合には、「とんでもないことです」「とんでもないことでございます」などとするのが望ましいようです。
ただ、広辞苑にも「いまは『とんでもありません』『とんでもございません』の形でも使う」とあり、「絶対ダメ」とは言い切れないし、そのうち『市民権』を得ることになるのでしょう。