以前にも述べた事だけど関節をポキポキ(アジャスト)する前にもっと施術してから。
患者の中には、自身の身体について非常に詳しい方がいらっしゃることがあります。彼らは素人とは思えない程整体用語やカイロプラクティック用語を使い、肩の痛みなどを適切に説明します。私は彼らに、これまでどのような治療を受けてきたかを尋ねることがあります。すると、整体やカイロプラクティックなどと答えられることがあります。しかし、その治療を受けても改善しなかったため、私の治療院に来ることになったのです。
彼らからは、背骨がズレている、骨盤がズレている、足の長さが違うといった診断結果のような言葉で症状を説明されることがあります。私としては、背骨や腰椎、骨盤が本当にズレているとすれば、歩いて治療院に来ることは不可能でしょう。
また、解剖学的に考えれば、脊椎や腰椎はそう簡単にズレるものではありません。実際にズレてしまった場合、その部位から下は半身不随になってしまうはずです。テレビで見かけるような車いす生活になってしまうはずです。
また、足の長さが違っていると大げさに言われることもありますが、その場で足の長さを揃えることができるテクニックは、仙腸関節を少し調節すればできるものです。しかし、素人の患者をごまかすために、そのような簡単なテクニックで凄い先生だとアピールする治療家もいます。
関節や筋肉のバランスを正常にするために、無理やりアジャストを行うことは望ましくありません。
最近では、国家資格を持つ治療家でさえ、そのような治療を行っている方が増えているようですが、日本の国家資格の試験ではアジャストを指導されていないはずです。患者が何も知らないことをいいことに、好き勝手な治療をするのは問題です。
さらに言えば、整体やカイロの施術院で有料のマッサージを行うことは、日本の法律では罰金刑となることがあることを、患者は知らないでしょう。施術を行っている治療家自身も、この点について十分に認識していないかもしれません。