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元中学校理科教師 自分の失敗を晒します① 〜理科実験編〜
思い出しても赤くなったり青くなったりする失敗ばかり
もともと教師になるつもりがなかったのに教員採用試験に受かってしまい、理科教育に関する専門知識もなく、自分が学生だったときの記憶と、学校に置いてあった「指導書」を元にハッタリだけで授業をしていたあの頃…。
しかも、赴任地は田舎の小さな学校だったので理科教師は私一人。
思い出しても恥ずかしく、いや、命の危険すらあった失敗の数々。
そんな私の失敗が誰かの勇気になったら嬉しいので、晒していきます。
ガスバーナーで天井焦がす事件
理科実験あるあるの、ガスバーナー出火事件。
ガスが出ているのに気づかずに火をつけちゃうんですよね。
それを盛大にやってしまいまして。
ものすごい火の柱が天井まで登りました。
でも、とっさの動きだけは早いので前髪や眉毛を焦がすことはしません。
天井だけ焦がしました。
でも、今思うとなぜ火が横に広がらずにボボーっと上に登ったのか不思議。
周りの生徒が覗き込んでなくてよかった。
実験の神様が私たちを守ってくれたに違いない。
まぁ、こんなもんは理科教師なら誰でも1回や2回やってますよね。
石鹸作りで水酸化ナトリウム水溶液沸騰事件
給食の先生が、理科の時間に廃油で石鹸作りをしない?
廃油がたくさんあるから、ドラム缶を使って外でやろう!
と提案してくれたんですよ。
石鹸作りなんてやったことないから本で調べまして。(その頃ネットは調べ物には使わなかったな〜、掲示板ばっかりよね。)
廃油を水酸化ナトリウム水溶液で中和すると知り、詳しいレシピもゲット。
その頃はアルカリ性の水溶液の怖さも、水溶液の作り方も気にしてなかったので、料理を作るような気分で校庭で作業を始めました。
まず、水酸化ナトリウムを1瓶(500g)入れま〜す。ドラム缶にザザ〜。
次に水を入れて溶かしま〜す。
水をジャジャ〜、と入れた瞬間、ブォワ〜〜〜っと白い煙が立ちました。
見たことのない白い煙!!浦島太郎か!!
周りで見ていた生徒も給食の先生も私もゲホゲホと咳き込んでしまい、知識はないけど勘が働く私は「これはヤバいかも」と気づいて、みんなを遠くに避難させました。
しばらくの間、白い煙は立ち上ってましたね…ハハハ。
収まった頃にドラム缶に近づくと、グツグツと水酸化ナトリウム水溶液が沸騰していて…。見るからにコワ〜。
ビシビシ危ない感じがしてたので、必死に遠くからホースで水を加え、水酸化ナトリウム様のお怒りを鎮めたのでした。
その後は、何食わぬ顔で石鹸作りを再開。
なんとか切り抜けました。
こればっかりは、今思い出しても身震いがします。ホントにヤバかった。
子ども達に怪我させなくてよかった。
田舎の学校で、大自然の中でよかった。
500gの水酸化ナトリウムをそのまんまザザ〜って。
そこに水をジャジャ〜って。
無知って怖い。
こんな失敗してる人、そうそういないんじゃないかな〜。
あ、この話の怖さがピンとこない場合は、「アルカリ性水溶液 怖い話」とかで検索してもらえれば、よく分かっていただけるかと。
誘導コイルで感電
これは失敗というか、悲劇というか。
ある学校に勤務しているとき、真空放電などで使う誘導コイルを棚の奥で見つけました。
「昭和50年」という備品シールが貼ってあります。
大きくて、重くて、いかにも年代物。でも、電源コードやパーツは一見きれいなので通電してみると、バチバチっと放電が見えるし一応使えそう。
でも、やっぱりなんか嫌な感じ。装置の中では変な音がなっているし、片付けのときに静電気のような不安な感覚があって。
ここでも勘が働いたんです。
そこで、放電を見せる授業のときには、気休めのゴム手袋、靴の下には絶縁体になるゴムシートを敷き、電源を入れました。
放電の様子や真空管の陰極線に、生徒たちは大喜び。
無事、実験が終わって電源を切ろうとスイッチを押した瞬間、ドンっと右手に衝撃が走りました。
目の前には星★
一瞬体が固まった感じがしたけど、授業中だと思い出して何食わぬ顔で授業を進めました。
その後、右肩と右腕が筋肉痛のように痛くて痛くて...。
すぐに備品台帳から誘導コイルを抹消し、廃品置き場へ移動、ナリ◯のコンパクトで安全な誘導コイルを買いました。
ほんと、使えないならすぐに捨てて欲しかった。
理科室ってそういうゴミみたいなもの、山ほど置いてあるんですよね!
いつの時代の先生が作ったのか分からない自作の実験器具とか、ホント邪魔だった〜。
全部捨ててやりました。
とにかく、電気も怖い。
まだまだ失敗はたくさんあるけど、今回はこれくらいで。
こんな私でも教師続けられてたから、みんな大丈夫だよ〜!と大きな声で言いたい。