銀行株が買われる背景


山野草

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≪相場予想(株探より)≫

今週の日経225先物(12月物)は、翌週に控える米FOMCでの0.75%利上げを織り込むなか、リバウンドを試す相場展開が意識されそうだ。9日の米国市場では主要な株価指数が続伸し、NYダウ、 S&P500、ナスダックのいずれも心理的な上値抵抗である75日移動平均線を突破してきた。8月半ば以降の調整によってボリンジャーバンドの+2σまで下落し、売られ過ぎシグナルが発生。その後のリバウンドによって、達成感が台頭しやすい75日線を上回ってきたことにより、もう一段のリバウンドを試す動きが期待されてきた。東京市場でもセンチメントの改善に伴いリバウンドの動きが優勢になりそうだ。

 先週の日経225先物は週半ば以降、リバウンドに転じた。8月26日のジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言以降、FRB高官によるタカ派姿勢を支持する発言が相次いだほか、8月の米ISM非製造業景況指数が2カ月連続で改善するなど予想を上回る経済指標の発表があった。これを受けて米長期金利が6月以来の高水準となるなか、今月のFOMCでの積極的な金融引き締めが警戒されて、日経225先物は7日に一時2万7030円(ナイトセッションを含む)まで売られた。テクニカルでは75日線を割り込み、ボリンジャーバンドの‐2σまでの調整となったが、その後の強いリバウンドによって週末には2万8000円を回復した。

 2万8000円水準に位置する25日線を回復し、短期的には達成感が意識されやすい水準まで戻したことにより、週末の米国市場の動向が注目されていた。米国市場が続伸となった流れからナイトセッションで同線を明確に上回ってきたため、2万8000円を支持線としてもう一段のリバウンドを試す展開が意識されやすい。まずはボリンジャーバンドの+1σが位置する2万8500円が目先のターゲットとなろう。

先週末9日はメジャーSQだったが、週末の日経平均株価は朝方に2万8286円まで上昇し、SQ値(2万8253円40銭)をクリアしたものの、その後は週末要因もあってSQ値を下回って推移していた。ただし、ナイトセッションを2万8190円で終えており、配当分(220円程度と推定)を考慮すると2万8410円となる。日経平均はSQ値を 明確に上放れる格好となるため、ショートカバーも強まりやすいだろう。

 今週は米国で13日に8月消費者物価指数(CPI)、14日に8月卸売物価指数(PPI)、15日には8月小売売上高、9月フィラデルフィア連銀製造業景気指数といった経済指標の発表が予定されている。それらの内容によってはFOMCでの積極的な金融引き締めを後押しする可能性がある。

ただ、相場の不安要因となる展開は警戒されつつも、0.75%の利上げ自体は既に織り込まれているため、株式市場はアク抜けを想定した動きに向かいそうだ。

 今月のFOMCで3会合連続の0.75%利上げを決定した後は、11月に0.50%、12月に0.25%の利上げが見込まれており、来年前半には利上げの打ち止めも意識されてくるとみられる。来週のFOMC 通過後は年末に向けたリバウンド機運が高まりやすく、押し目待ちのロングも、エントリータイミングを切り上げてくる可能性が期待される。

VIX指数は22.79に低下し、支持線として意識される25日線水準を下回ってきた。同線を明確に下回ってくると、8月半ば以来の20.00割れも見えてくる。このため、センチメントとしては8月半ば以降の株価下落を埋める見方にも向かわせやすい。FOMC通過後になりそうだが、日経225先物も8月17日高値2万8990円を意識したトレンド形成を強めてくる可能性はありそうだ。
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