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進化するコインランドリー

こんにちは、コーイチです。
 今回は、今までの常識を覆すおしゃれで、単に洗濯する場所だけではないコインランドリーが続々と誕生しているので、それらの国内外の事例の一部を見ていき、今後もそのような施設が増えていくのか、又他の業態にもこのような進化は参考になるのか考えていきたいと思います。

1.コインランドリーの変革

 近年、「コインランドリー」という場所の在り方が変わってきています。
 ただ洗濯機に衣類を預けてその場を去るのではなく、洗い終わりまでの時間を有効に使えるような設備やサービス、空間を備えた店が増えてきています。
 Wi-Fiや電源を完備したスペースや、カフェが併設されて、そこで仕事が出来たり、荷物の発送が出来たり、焼きたてのパンが食べられたり、カクテルが飲める店舗などもあります。
 また、洗い終わりの後のアイロンがけやミシンが使える家事室や、洗濯代行サービスがある店舗も増えてきています。
 目的が「ただ洗濯すること」から「洗濯兼自分の時間づくり」に変化しており、背景には、社会の高度化に伴うライフスタイルの変化が挙げられます。

 以前は「コインランドリー」というと、単身者御用達の印象が強かったと思いますが、共働き世帯が増えたことにより、家事の時短を求めるファミリー層が積極的に利用しているようです。
 週に1〜2度、まとめて洗濯と乾燥を済ませられれば、日々の空いた時間を有効活用できるのと、家庭用と違い、強力なガス乾燥機で短時間に乾くのも魅力となっています。
 また、布団や毛布、枕などの寝具類が手軽に洗えるようになったのも大きく、自宅(特にマンション)では洗って乾かすことが難しかった布団をわずか2時間ほどで丸洗いから乾燥までしてくれる便利さは非常に便利なものです。
 駐車場付きのコインランドリーでは、週末に自動車で寝具類を洗いに来る家族の姿も数多く見受けられます。

 厚生労働省の調査では、全国のコインランドリー店舗数は毎年5%前後の伸び率で順調に伸び続けており、今まで多かった郊外型店舗の比率が、近い将来都市型の店舗数が逆転するといわれています。

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2.Green Laundry Lounge

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(出典:inhabitat.comより)

 創業者の機械設計技師であるジェイ・デサイは、コインランドリーとカフェという2つの主要な要素を統合し、一般的なコインランドリーのコンセプトを刷新して、サステナビリティとコミュニティというひねりを加えた空間を構想していました。
 サウスカロライナ州グリーンビル近郊にある「Green Laundry Lounge」は、世界初の多目的スペースで、人々が家族や友人と充実した時間を過ごしながら洗濯をするためのスペースとして機能させ、体験することを目的として2021年12月に誕生しました。

 「Green Laundry Lounge」は、繊細な衣類やブランケット、布団など、様々なものを持ち込めるだけでなく、エネルギー効率の良い洗濯機が導入されていることから、35分~1時間で洗濯が完了します。 
 特徴は、使用されている洗剤が環境負荷の小さいものである点と、「地域の人々が集う場所」になるという点になっています。
 ここには、パティオのような屋外スペースやカフェラウンジ、さらにリサイクル素材を使った快適な家具、無料Wi-Fi、iPadステーション、書籍なども用意されており、訪れた人々は楽しみながら待ち時間を過ごすことができるだけでなく、様々な交流や活動を促します。

 更に「Green Laundry Lounge」のエコフレンドリーな精神に基づき、建物には、再生木材の壁やリサイクル材を使った家具など、再利用された素材が使われており、自然光を最大限に取り入れ、人工照明の使用を抑えるために、高い天井を持つ空間にしています。
 また、「農場から食卓へ」を意味する“Farm to table”が掲げられたカフェラウンジでは、地元で調達されたオーガニック食材を使った新鮮でヘルシーな食事が楽しめ、食を通して地域の魅力を再発見できるだけでなく、100%リサイクル素材でできたコーヒーカップやリサイクル素材でできたラウンジの家具や建築素材など、廃棄物の価値も再発見できる仕掛けもある施設となっています。

3.FREDDY LECK sein WASCHSALON

(出典:フレディレック youtubeより)

 ベルリン北部にあるウォッシュサロンのオーナー、フレディ・レックがオープンした、コインランドリーとクリーニングサービスを行う日本国内1号店は、2017年夏、東京・学芸大学にオープンしました。
 「FREDDY LECK sein WASCHSALON TOKYO」は、コインランドリーの概念を覆すようなおしゃれな空間が注目され、撮影を楽しむ人にも大人気となっており、コインランドリー内にカフェが併設されていて、オリジナルグッズの販売も行われています。
 オリジナルグッズは、洗剤やハンガーなど、洗濯にまつわるものが充実し、壁紙や照明、選曲やアートワークなどの細部に至るまで、演劇を学んだ経歴を持つオーナーによる表現のこだわりが詰まっています。

 オーナーのフレディ・レックは、過去にドラマにも出演したことがある元役者で、表現しているようでいて型にはめられてしまう役者という仕事に疑問を抱き、いずれは自分の店を持って想いを表現したかったのだといいます。
 洗濯をしてキレイを手にする場所であるはずなのに、コインランドリー自体が魅力的ではないというその矛盾に目を付け、自分の新しい表現の場所として、地域のコミュニティとして成り立つ新しいスタイルのコインランドリー「FREDDY LECK sein WASCHSALON」をオープンしました。
 日本に上陸するようになったのは、家庭用品や家具・インテリアの販売をベースにする「株式会社 藤栄」のスタッフが、ある雑誌でフレディ・レックの存在を知ったことがキッカケで、アポもとらずにベルリンへ訪れ、話合った結果、2008年に業務提携を締結し、可愛いランドリーグッズを作るために日本に来て、自社開発とドイツからのインポートを取り入れながら、オリジナルグッズ製作をスタートしたのが始まりと言います。

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 (出典:freddy-leck-sein-waschsalon HPより)

 ドイツのクリエイティブ性と日本のものづくりの力が融合した「FREDDY LECK sein WASCHSALON TOKYO」は、使い心地の良さや実用品としての優れた機能性を大切にしながらも、毎日の洗濯の時間や空間をもっと魅力的なものにする遊び心に満ち溢れたブランドとなっています。

4.Baluko Laundry Place

(出典:PLAY TOKYO youtubeより)

 「Baluko Laundry Place」は、今までのコインランドリーのあり方を一新して、新しいランドリー体験を提供することを目指し、2017年7月に千葉県市川市に第一号店を開業し、以来、関東、北海道、関西、九州、北陸と店舗を拡大し、全国で約140店舗を展開しています。
 「Baluko Laundry Place」は、従来のコインランドリーのイメージを一掃する清潔でスタイリッシュな店内にはセルフランドリーのほか、クリーニングや洗濯代行サービスの「Laundry OUT」、天然酵母を使用したパンが人気のベーカリーカフェなどを併設しており、上質な洗濯品質と心地よい体験を提供しています。
 また、店舗によっては、洗い終わったものをそのままレンタル収納できる室内型トランクルームの「Strage PLUS」があったり、スニーカークリーニング、デニムクリーニングなどもあり、衣類のメンテナンスが1拠点で完結できる店舗になっています。
 早朝から夜間まで利用可能で、多様性のあるライフスタイルに対応している施設となっています。

 「Baluko Laundry Place」はライフスタイルの多様性、そして昨今の衛生意識の高まりを受け、ランドリーを通じてより快適で便利な生活空間と新しいライフスタイルを提案しており、“汚れを落とせばいい”という考えから一歩進み、洗浄力は保ったまま、pHを少なくして液性を中性に仕上げた、オリジナル洗濯洗剤&柔軟剤「peu(ピウ)」を使用しています。
 毎日のあたりまえの洗濯の時間を特別なひとときに変える空間を全国へ展開している施設となります。

5.LANdry(番外編)

(出典:The Esports Ads youtubeより)

 若者たちの中には脱いだものを放りっぱなしで洗濯すらしない人も少なからずいます。
 そこでそんな若者が来たがるようなコインランドリーをサムスンが作りました。
 コインランドリーにはパソコンが並べられ、洗濯している間はインターネットでもオンラインゲームでもPlayしほうだいといいます。
 洗濯のコントロールはスマート洗濯機にコネクトしたスマートフォンから行え、洗濯終了通知もスマートフォンに表示されます。
 これなら普段洗濯するのも億劫な若者も、わざわざやってくるでしょう。
 意外な方法で “10代の子供たち”と“家事”を繋ぐことに成功したサムスンによるアンビエント施策(広告)の紹介となります。

6.最後に

 近年の異常気象や衛生意識の高まりにより、コインランドリーの社会的役割が注目を集め、ニーズが高まっています。
 日本の家庭の洗濯機普及率は100%と言われていますが、大型のプロユース機器の洗濯の仕上がりや、家事労働を軽減し圧倒的な時短にもつながること、また家庭では洗いづらい羽毛布団や毛布などの大物洗濯需要の増加などが考えられます。
 今やコインランドリーは単に洗濯をするだけの場ではなくなっており、洗濯の質やバリエーションに加えて、洗濯以外のサービスや居心地の良さなどの付加価値も店舗選びの決め手となっており、その傾向は今後ますます強まっていくと考えられます。

 また、「コインランドリー」を新たなコミュニティーの場、ビジネスの場として活用する動きも広まっていおり、店舗内のスペースを無料で提供して、地域の住民同士が交流したり、困ったときに助け合ったりする場として活用するという試みも行われています。

 尚、京都、福知山にある「カリフォルニアランドリー&カフェ」は、カフェにコインランドリーが併設されている業態として、カフェ主体の施設も出来てきており、今後も様々な業態との融合が考えられます。

(出典:JAPAN TRAVEL & GOURMET youtubeより)
 
 このように現在の「コインランドリー」は、従来の機能や利便性を徹底的に追及しつつ、付加サービスや地域コミュニティの場を設けることにより、新しく生まれ変わることが出来た事例と言えます。
 まだまだ旧態依然の業種は多くありますが、考え方を変え、柔軟に取り組むことで、新たに生まれ変われる可能性があると思います。
 そのような従来の店舗を変えたいと思う気持ちを持つ方は、一度チャレンジしてみませんか?

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。 
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KOH
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