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学校に必要なものは何か
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赤いとんがりぼうしの屋根がシンボルのこの学校。
私が今、一番注目している学校「まおい学びのさと小学校」
今年の4月に開校される私立の学校です。
この学校のモデルとするのが、「きのくに子どもの村学園」
そして、この学校をテーマにしたドキュメンタリー映画「夢みる小学校」
の自主上映会がまおい学びのさと小学校でありました。
楽しくなければ、学校じゃない
宿題がない、テストがない、「先生」がいない。
「きのくに子どもの村学園」の子どもたちは「プロジェクト」とよばれる体験学習の授業を通じて、
自分たちでプロジェクトを運営し自らの頭で考えます。
「楽しくなければ、学校じゃない」と、子どもの村のスタッフは口をそろえます。
キラキラした目で笑顔で学ぶ小学生の姿を見た事がありますか?
学校って、本当はこんなにわくわくする場所だったのです。
学校観が180度変わる”うれしい衝撃の授業風景”をご覧ください。
今まで、当たり前と思ってきたものが、「ない」学校。
わくわくがたくさん「ある」学校
ぜひ、この映画を見て、少しでも感じてみたい。
その想いと、まおい学びのさと小学校も見てみたかったという想いを叶えるべく、車で3時間弱かけて行ってきました。
1.こんな学校で学びたい、働きたい
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私が先生という職業についたのは、もう26年も前のことでした。
初任研と称して、教育書を読み漁っていた頃、何かの記事で、和歌山県にあった「きのくに子どもの村学園」の存在を知りました。
国語や算数のいわゆる授業は存在しない。子どもたちが自分のやりたいことをやりながら必要なことを学んでいく。
例えば、 鶏を飼うための小屋を建てる。その時に必要な長さを測ったりや計算をするための知識が"必要 “だから学ぶ。
子どもたちからしてみれば、勉強を押し付けられたのではなく、自分たちがやりたいことをやるために必要だから自然と学んでいる。
そういう学びのスタイルが、「きのくに子どもの村学園」にはあったのです。
若かりし頃の私は、その学校に強烈な憧れを持ったことを今でも覚えています。
あれから20数年。日々の忙しさに流され、あの憧れは自分の中でずっと影を潜めていました。
ここ数年の間に、知ることができたイエナプラン(※1)やオルタナティブスクール(※2)の存在。そこで繰り広げられる子どもたちの自由な学び。
いつしか、自分もそんな学校で働きたい。 そして子どもたちの成長を見てみたい。そんな思いが心の中でふつふつと湧いてきました。
(※1)ドイツにあるイエナ大学の教育学者、ペーター・ペーターゼンが同大学の実験校で始めた教育モデル。オランダで普及。
(※2)文科省が定めた学校外での教育のことで、独自の理念と教育方針によって行われる。教育画一的な教育ではなく、個人を尊重し子どもが本来持っている探求心に基づいて、自律的・主体的に学習や行事が展開されるようにカリキュラムが組まれる。
ひょんな事から、まおい学びのさと小学校の存在を知りました。
早速、学校見学のお願いのメールを送ったり、各種SNSでの追っかけが始まりました。
そして、ここで行われる「夢見る小学校」の上映会のことを知り、26年前に憧れた「きのくに子どもの村学園」と再会することになったのです。
2.自分のままでいていい
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学校には、いろんな個性を持った子どもたちが通ってきます。
一人一人、得意なことや苦手なこと、楽しいと感じること、嫌だなぁと思うこと、才能やセンス、成長のスピードは異なります。
「この子は優れている」「あの子は劣っている」
そういうことではなく、ただ一人ひとりに個性があって、「自分」があるのです。
一般的な学校では、生まれた年月日によって、自動的に学年やクラスに振り分けられ、同じ教材を使って、一斉に、同じスピードで、学習を進めることを強いられます。
そこでは、本来は一人一人違う学び方や学ぶスピードは平均化されることになります。また、無条件で決まりを守ることを要求されます。その方が、多くの子が一度に効率よく学ぶことができるからです。
私は学生時代、この学び方に違和感を感じる事はあまりありませんでした。
それが、当たり前で、ごく自然なことのように感じていたからでしょう。
でも、 自分が教師になってみて、それは自然なことではなかったことに気がつきました。
学校で出会う様々な子どもたちのことを見ていると、中には、このスピードにこの方法についていけず、落ちこぼれてドロップアウトしてしまう子が少なからずいたのです。
一方で、もっと学びたい、学べる能力があるのに、一斉に学ぶことでそのチャンスが得られない子もいます。
でも、「学校とはそういうところだ」「授業とはそういうものだ」という言わば固定概念に、私も含めて多くの人が縛られているように思います。
教員だってそう。
・ 教員免許がなければ教えてはいけない。
・「先生」と呼ばれなけれるものだ。
・教師が教え、子どもが教わらなければならない。
・教科書を使って教えなければならない。
・授業では規律を重んじなければならない。
・ 学力を上げるということは、全国学力テストで良い点数をとることだ。
・ よりよく教え、学力を上げ、よい高校よい大学へ進学させることが求められている。
そんな固定概念に自分自身も縛られていました。
「そうじゃないよ」「自分のままでいいんだよ」
映画「夢みる小学校」は、そんな子どもの学び方、先生の在り方についても応えてくれていました。
3.公立の学校にもできるはず
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「夢見る小学校」のような学校は、ごく稀にある学校で、普通の、ましてや公立の学校で、そんなことなんてできるはずもない。
比べても仕方ないとは思いつつも、自分がこれまで勤務してきた学校には、なかった考え方ばかりです。
かといって、学級担任だった自分の立場で、きのくに子どもの村学園のような実践ができたかというと、それもまた難しかったことでしょう。
でも、既に実践している公立の学校もあるのです。
1956年から「通知表」を廃止している伊那市立伊那小学校では、固定化された時間割や、チャイムもない学校。山羊や豚を飼う、毎日のように森に行く、などの体験を大切にした学校です。
「定期テスト」を廃止して、小テストに変え、校則を3つまでに減らし、服装も髪型も自由な世田谷区立桜丘中学校では、生徒の管理を強化することより、子どもたちを自由にすることで、生徒の平均学力は著しく上がりました。
公立の学校でも、できることがたくさんあるのです。
映画の中では、この2つの学校の実践が紹介されていて、学校長には、学校を大きく変えられる力があるのだと、希望が感じることができました。
まとめ|どう在りたいか?を問いかけた
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私は、今、48歳。
人生100年と考えた時、その半分がもうすぐ終わろうとしています。
残り半分をどう生きていくのか?
最近は、そんなことを日々考えています。
このまま公立の学校で働き続け、やがては学校長として、学校を変えていこうとするのか?
オルティナティブスクールやきのくに子どもの村学園のような学びの場に自分の身を置くのか?
全く違う業種について、そこに、子どもの成長を支えられる場やつながりをつくっていくのか?
いずれにせよ、ここまでの人生の上に積み重ねていく残りの人生。
子どもとの関わりは大切にしていきたいと、今後の自分の在り方について考える良いきっかけとなった映画でした。
自主上映会をわが街でもやってみたいなぁ。
了
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