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【読書感想文】あやうく一生懸命生きるところだった

ダイヤモンド社より、ハ・ワン氏の「あやうく一生懸命生きるところだった」の感想文です。

本屋さんに通う人ならば、一度は目にしたことのある表紙ではないでしょうか?特に「自分はこのままでいいのかな…」と今の生活に漠然とした不安を抱き、自己啓発本やメンタルコントロールの本を求めて本屋さんへ行った方は、そんなコーナーにこの本が置かれているのを見たことがあると思います。

実際かなり売れているようで、私が購入した本の帯には「日韓でベストセラー累計45万部」とあります。すごい。
それだけ多くの人が同じような悩みをもって生きているんですね。


私もこれまで何度も本屋さんでこの表紙を目にしていました。仕事のストレスで友人と会っても愚痴しか言えない時にも見つけて、友人に「自分みたいな人が読むべき本やん」と勧められました。しかしその時は買おうという気になれなかったです。

だって一生懸命生きてるつもりが無かったんです。
この程度じゃまだダメだ。一生懸命って、もっと本気で頑張っている人にこそ使う言葉で、自分はまだ一生懸命頑張れていない。
そんな風に思っていました。

仕事を辞めて落ち着いて、今になって当時の自分を振り返ってみるとそれなりに頑張っていたと思います。
そして今この本を読んで、当時読んでいてもきっとここまで共感はできなかっただろうなとも思います。

この本では、前向きな言葉ばかり並べられているわけではありません。
努力が絶対報われるわけではないとか、やりたい仕事なんて探しても見つかるもんじゃないとか。
そんな元も子もないこと言わないでよ、なんて考えるのはきっと年齢の若い方ではないでしょうか。社会に出て数年働いた方なら「その通りだ」と首を縦に振ってしまうと思います。
一生懸命に生きている人ほど、挫折したらその反動は大きいです。

現実は厳しいなあ。でもそれに絶望するのは大変です。
それなら適度に肩の力を抜いて、まあこれくらいだろって過度な期待をせずに挑んで、それが成功したら喜んで、失敗してもやっぱりな、て受け入れるのもいいじゃないですか。

人生ゲームでいう一回休み中の現在、こういう生き方もありだなと思わせてもらえた一冊でした。

人の数だけ人生があって、人気作品の主人公のような人生を歩む人がいる傍ら、主人公が訪れた街にあるレストランの店主、ではなく店の端っこに座っている背景にいるモブにしかなれない人生もあります。

どんな人生にしたいかは人それぞれなので、全員にこの本をおススメするつもりはありません。

モブな人生でも自分が楽しいならいいかな、そんな風に思う人は、気が向いたらこの本を手に取ってみてください。もしかしたら自分も一生懸命生きていたことに気づくかもしれません。

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