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【2ブロック】全国大会2024予選 中四国エリア調整録

■はじまり


熾烈な店舗予選を終え、我々高知勢が参加することとなったのは、新弾『悪魔神、復活』発売後、初のエリア予選となる中四国エリア。

調整の手始めに取り掛かったのが今までの入賞リストのおさらいからでした。

ジャイアント
トリーヴァゼニス
クローシスプレジール
普通のマジック
ターボマジック…

色々と回していくうちに感じたのが、「クローシスプレジール」…これがかなり強い

プレイングはむずかった



《COMPLEX》と《プレジール》という2本の軸がありつつ、この2本の軸に対して有効となる「受け気味のデッキ」に対して《ゼナーク》が相性補完として優秀。
3つのカードは特段相性が良い訳ではありませんが、お互いの弱点を補いあって成立している面白い構成のデッキでありました。

ポケモンみたいなデッキ。サザンガルドマリルリ。


また、新弾によって超強化を受けたのが「ターボジャナイフツウノマジック」こと「赤青マジック」

プレジールが10倍くらい強くなってた


《♪堕ちるかな》によってロングゲームを見据えたメタ貫通の動きや呪文トリガーのケアが可能になり、ただ早いだけだったマジックはかなり全盛期に戻った形(2ブロ界において)となりました。


数日の調整の結果、とりあえず強そうなのは「プレジール」と「赤青マジック」に決まり

ここからは一旦この2つに勝てそうなデッキを新カードプールから探していく作業へと移りました。



■ワルドバロム篇


「悪魔神、復活」ではハイパーエナジー関連のカード、そして《ワルドバロム》の関連パーツが多く収録。

特に《ワルドバロム》はフィニッシャーとしての性能はかなり破格であるため、まずはここから触ってみることにしました。

後ろから見てたオタクに「シールド戦?」って言われた


勝てん!



《ゼナーク》の展開に対して《ザガーン》が強いのでは!?

という所までは良かったのですが、《テスタロッサ》が絡んだ展開では《ザガーン》はほぼバニラ

そもそも《プレジール》絡みの展開や「赤青マジック」の攻めを受け止められるような感じにもならず、
2ブロックでは《ワルドバロム》周りに足並みを揃えても得られる特典が《ワルドバロム》か《パーフェクトバロム》しかないのも微妙でした。

《獅子王》とか《ミラクル》でもあればなぁ…


というわけで、《ワルドバロム》くんの犠牲のかいもあり、
(他にも色々組んだけど)

①《ゼナーク》の展開を透かすこと
②《プレジール》or《カクメイジン》のパンチを受け切ること
③《COMPLEX》&《♪堕ちるかな》の展開に耐性があること


この3つもの要素が必要となる低速気味のデッキは、

あまりにも組むことが困難であるということを理解。

たとえ組めたとしても他のデッキに勝たないだろうとなり、「ゼニス系のデッキ」を含めた低速気味のデッキは触る候補から早々に外しました。

(これにより早速ドロマーエルボロムの可能性を逃しました!精進!)



■青黒ハイパーエナジー篇


そんなわけで、次に目をつけたのが《♪ハックより》。
受けの強力さに対して詰め筋が微妙な2ブロックにおいて、追加ターンの取得というのは非常に魅力的でした。

ポセイドライトがオシャレ



回した感想としては、まぁ悪ないな、という感じ。

3t《ヨミノ晴明》や《スケルハンター》によってゲームの流れを掴みやすく、想定通り《♪ハックより》はどのデッキに対しても強力なフィニッシャーとして働いてくれました。

ただ、早いターンで《♪ハックより》を消費する場面になった時、追加ターンを活かしきれず《COMPLEX》+《ミュート》の展開をケアしきれないことがありました

折角だしなんかいい出し先ないやろか…

エルバーロも結構ブレイクスルーだった


傘の姉さん!


闇単ファウンテインに入れたことがあって覚えてた


意味不明なテキストは《COMPLEX》の下のカードごと消滅させることが可能であり、
盤面と手札を刈り取って準備を整えてから一旦ターンを返す…のような追加ターンを器用に使う動きも可能になりました。

これにより《♪ハックより》はどの場面で詠唱しても撃てば勝ちとなる呪文に

完全体となった「青黒ハイパーエナジー」は調整の結果、「クローシスプレジール」には有利。

これは勝ったな!ということで、後日、俺たちはウキウキで「赤青マジック」とぶつけてみました。

パシフィックヒーローは先攻だと強かった


全然勝てんやないかい!



《ヒメカット》のすべてのテキストが重い上、絶対の信頼を置いていいはずの《ツインシックス》が《バイブス/♪殴り合い》で簡単に破壊されてしまうのがマジでやばい。

というわけで急遽構成を変更し、低コスト帯を除去に対して強く出やすいカードへと変え、高コスト帯は除去とトリガーに寄せることでなんとか勝ちに行こうとしたのが上の構成です。

しかしながら、これでも《ヒメカット》や《♪殴り合い》がぶち当たって負ける試合も多く、
そもそもトリガーが単体除去主体のデッキのため、そういった動きをされなくとも後手番だと捲りきれない試合もちらほら。


そんなわけで、悲しいかな、「赤青マジック」には構造上どうやっても勝ちきれないことが判明してしまいます。



■シロフェシーシリーズ



「青黒ハイパーエナジー」の悲しい殉職がありましたが、我々は調整中あることに気づきます。

《シロフェシー》強くね?

先攻だとマジで強かった



そんなわけで第1号として生み出されたのが『白単ウイング』でした。

読み通り《シロフェシー》は「プレジール」の展開の要である《イカリノアブラ》、そして「赤青マジック」のメインギミックをすべて封殺でき、非常に強力。

とはいえ問題点もあり、

①《シロフェシー》がとりあえず出れば勝つ訳ではなく、ある程度の優位状況でないと勝ちにはならないこと

②《COMPLEX》のプランに毛ほども刺さらないこと

③要注意デッキ2種には《テスタロッサ》や《♪ラッキーナンバー》など展開を遅らせるカードが搭載されていること



の大きくわけて3つの問題。
特に②と③は密接に関わった問題点であり、《シロフェシー》がハンドに腐り続けることによってゲームに出遅れ《COMPLEX》や《カクメイジン》が間に合ってしまう…という展開はかなり頻出しました。


アルティメットをリソースにするのがオシャレ




というわけで、③の問題を解決しようとしたのが「赤白型」。

豊富な除去とスピードアタッカーによって《シロフェシー》の通りを良くしようと考えました

結果としては感触はかなり良かったものの、やはり赤白というカラー故の事故率の高さに加え、ハイパーエナジー特有の低コスト除去られるとキツい問題がやはりネック

また②の問題は特に解決している訳ではないので、《COMPLEX》+《ミュート》の展開がどうしようもない場合が多かったのも気になる所でした。

同期+エンゴルが気持ち良かった




そんなわけで、事故らないように青を入れてみよう、となったのが「青白型」です。

《ツインシックス》や《バブルボール》などドローできる展開が増えたことで事故が少なくなり、

②の問題も《スケルハンター》を《エンゴルギーニ》で無敵化することで解決。



これはもろたで!ということで、とりあえず「赤青マジック」と対戦してみました。



負け負け負け。




下ブレはあったものの、よくよくリストを見返すと「青黒ハイパーエナジー」と問題点がそっくりそのまま一緒のデッキということに気づいてしまいました。


俺はただ《シロフェシー》の問題点を解消していっただけなのに…

人生とは難しいものだと思い知ったのでした。




■ジャオウガを使おう



人生の難しさを知りデザイナーズデッキを狩り尽くした我々は、

《ジャオウガ》は強いし普通に使おう!という期間に入りました。

見た目はすごくいいよね




色々思いつく型はあれど、普通に使おうと言った手前なので赤黒でメイク。

《ボロック》があらゆる障害を乗り越えつつ1マナのハイパーエナジー元として優秀でしたが、

トリガーケアの手段が《ジャオウガ》の盾焼却以外存在しないのがネック。

総評しては、《ジャオウガ》のおかげで弱くは無いけど使いたくなる魅力がないな、と言う感想に。

でも《ジャオウガ》は強い!

海底の超人で山固定するのが難しくて笑いました




というわけで、大量のトリガーを搭載することで実質的なトリガーケアをする構成も構築。
理念としては通常環境の「青黒コンプ」みたいな感じですね。


「赤青マジック」はまぁトリガー踏ませたら勝つやろ、ということで、まずは「プレジール」と当ててみます。


結果はほぼ5分でした


《ジャオウガ》は確かに強力でしたが、正直ほぼほぼミラーマッチのような《ミュート》踏ませゲー。

なんなら「プレジール」には《♪ラッキーナンバー》の再詠唱や《赤黒決断》によるハンデスといった搦手も存在しており、対してこちらの優位要素は5枚全ての盾を使えることの1点のみでした。


なら「プレジール」でええなぁ…!


未だにプレジールの方が強いと思ってる





そんな思いとは裏腹に、魔王軍のりっきー選手の入賞によって各地のCSで流行り始めたのが「前寄せクローシスジャオウガ」。

《ゴツンマダンマ》などを採用したタイプでした。


とりあえず、回すか…と回してみた感想としては

すげー簡単に勝っちゃうな

ということ。


先攻《ゴツンマ》→《ジャオウガ》の展開を止めることは並大抵のデッキではできない上、プレイも「プレジール」ほど難しくないので使用者が増えるのも頷けます。

とはいえ、《ゴツンマ》が後手の時あまりにも弱いカードになってしまうことや、プランの豊富さ、受けの枚数など色々な要素を総合すると、まだ我々としては「プレジール」の方が評価が高く

CSでの使用者の多さは「簡単だから流行っている」や「エリアで使う本命デッキの隠れ蓑として使っている」などの線を否定できないのがかなり厄介でした。


この問題は新弾1発目のエリアであることや、辺境住み故の情報アドバンテージの少なさによって、最後まで解決される事はなく、「ジャオウガ」が中四国エリア会場にどれくらいいるのか?は当日まで頭を悩ませる要素となってしまうのでした





■過去デッキリバイバルシリーズ


そんな《ジャオウガ》に辟易としながら次に回したのが、新弾によって強化されてそうな過去デッキたち。

《アカネ》ちゃんがかわいいので、とりあえず「ジャイアント」から触ってみることにしました。

1枚でも入れてると強かった



《ゼナーク》がキツい

《イカリノアブラ》+《ゼナーク》によってジャストダイバー込でも確実に盤面3アドを取られてしまううえ、それを躱す手段がジャイアント種族に用意されていない(オリンピアが一応いるけど)のが苦しいポイント。

それでもジャイアントという種族は強いのでなんとかならないか、と考えました。

調整中1回もEXウィンできなかった



いっぱい出せば《ゼナーク》をかわせるのでは?(妄想構築録リスペクト)

非常に脳筋な考えでしたが、本当に《ゼナーク》自体はかわしやすくなっていました。

普通に殴り負けることを除けばいいデッキでしたね。

ゼナークをかわせる人をずっと探してた




そんなわけで、次に着手したのがメカでした。


《アメリア》のおかげで盾追加系のテキストが使いやすくなっているのでは?と思い組んでみたリストでしたが、回してみると想像以上に強い


特に《ザゼゼーン》は《ブラックゼナーク》の破壊を受け止めてくれる他、フリーズ効果によってハイパー化などタップをコストにするカードのコストを実質的に除去してくれるため、環境との噛み合いも非常良いカードでした。

《ザゼゼーン》のポテンシャルの高さに気づいた我々は早速、本格的な調整を開始するのでした。




■ザゼンメカ篇

ジョナスは弱かった



先の調整で《ザゼゼーン》の継続起動の強さを実感した我々は、盾追加カードはいっぱいあった方が良いことに気づきます。
そこで、《テスタロッサ》に弱い《ゴールドフラウム》の代わりに採用してみたのが《アリガテ》でした。

ありがてぇ~ってずっと言ってた



1枚で2回分のシールド操作を行える上、《ドランゴルゲルス》から繰り出せるコスト帯であるため、非常に枠効率の良いカードで好感触。

《ガンマ》の起動がしやすくなったことで《テスタロッサ》の突破がしやすくなったのも良かったですね。



そんなわけで《アリガテ》入りの調整を続けること数日。

調整の結果としては「マジック」「プレジール」「ジャオウガ」「ジャイアント」「ハイパーエナジー系」…

どれに対しても、先後手の差は大きく出るが基本的には有利だろうという結論に

《ガンマ》による上振れやニンジャチェンジを初めとする初見対応の難しさを考えると、大会で勝てるデッキの要件をかなり満たしていたため、
このあたりで、使用デッキはザゼンメカに決定。



いよいよ調整期間は残り1週間を切り、最終調整は、この先後手の差をどう埋めるかにスポットが当たります。




■受け札論争



先後手の差で負ける展開。

その殆どを占めたのが除去と早期の殴り切りの両方を通されることでした。

「火水マジック」であれば《ヒメカット》+早期《メイジン》の殴り切り、「プレジール」であれば最速《プレジール》+《イカリノアブラ》による押しつけといった感じ。


そのため、STクリーチャーでなんとか出来るだろう、ということで採用したのが《コブラ》でした。

ペトローバが減りだしたのもこの辺



確かに、その展開で踏ませれば勝つけど…
あまりにも役割がトリガーだけすぎる

また、序盤に闇文明を引きすぎてしまうと、せっかくの《ガンマ》+《ドランゴルゲルス》の最強の上振れの動きが窮屈になってしまうことがあり、安直な闇文明の増加は上振れ率を下げてしまうことに繋がることも分かりました。

その辺に落ちてたので集めやすかった


そのため、できるなら光単色が良いだろうということで、次に試したのが《クーソクゼーシキ》。

かっこいいバージョンは落ちてなかった


《ガンマ》のメクレイドに対応しており、生き残ると《ドランゴルゲルス》が暴れ出すので上振れの動きがさらに強化。
さらに、コスト5の処理要求メカの総数が増えたことで最終盤面の形成がやりやすくなったのも好感触でした。


しかし、問題点が1つ。


流石に受けとしては《コブラ》の方が強い。


特に「マジック」に対しては《カクメイジン》絡みの展開で踏ませても《♪蛙の子》でケアされることがあり、我々の当初の目的のカードとしてはズレた採択になってしまっていたことも事実でした


そんなこんなで調整メンバー内では意見が以下の3つに別れることに。


《コブラ》派:受け目的なんだからしっかり受けに寄せるべき、甘えるな!


《ゼーシキ》派:後手になるかは50%。そもそも有利なんだから相手の過度な上振れを拾うより、先攻の上振れ率とのバランスを大事にするべき


そもそもST要らない派:そもそも有利なんだし、優勝1点狙いなら、後手の下振れを換算するな。




最終的な結論としては《ゼーシキ》採用に。

一応、細かい理由付けはしましたが、これはもう我々の好みだと思います。

ほかの言い分も分かるので。





といったところで、時間切れ。



調整メンバーたちは「本当に強い」「今回は勝てる」と言ってくれたのですが、

「ジャオウガ」項で触れた問題や、「他にも自分の見えていないデッキがあったのでは」といった、

新環境1発目でかつ、辺境住み故の情報アドバンテージのなさからくる不安から、正直、自分だけはずっと気持ちが上がらない状態でした。

知らないデッキにシバかれて帰るのいやだなぁ…





■結果





9人シェアで4人上がり。
うち1人がベスト4と上場の結果に。

会場は「ジャオウガ」だらけで、構築で《ゼナーク》のマークを効かせすぎた部分は少しハズしたものの、「ターボマジック」等の不利対面となるデッキはほとんどいなかったのは僥倖でしたね。


惜しかっただけに悔しい気持ちもありますが、新デッキに出し抜かれて泣いて帰ることがなくホッとしているというのが正直な感想でした。



デッキについての詳しい解説等はコチラでしていますので気になる方はどうぞ。


このあと、関東エリアで「ドロマーエルボロム」の活躍を知ってかなり病みました。

エリアで負けた時より悔しかった。



■おわりに


というわけで、全国まで後一歩届かず、悔しい思いもありますが、

久々のエリア戦に加え、限定戦の特有の調整はとても楽しかった!

特に今回、デッキ構築の面では、DTLでも活躍した流星弾入りのターボマジックや黒単ゼナーク、そして今回のザゼゼーンメカの制作に1枚噛め、自分の成長を実感できたとともに、関東エリアで活躍したドロマーエルボロムの活躍を見て、自分に足りていないものを振り返ることもでき、非常に実りのある数ヶ月だったと感じています。

また、5年前のエリアの時とは様変わりした調整メンバーとの日々の練習を通じて、改めて各々の良い所やこれからの課題を見つけていけたんじゃないかと思いました。

来シーズンではリベンジを果たせるように日々、皆でこれからも研鑽を積んでいきたいですね。


ただ、権利戦はもう少し軽めにしてくれると嬉しいです(参戦回数17回)(交通費10万オーバー)(勝った時ちょっと泣いた)



というわけで、ここまで読んでくださりありがとうございました。

Youtubeもやってますので投げ銭代わりに登録してもらえると嬉しいです。

真面目にやってるチャンネル。エリアでしばらく動かせなくてごめんなさい。

個人チャンネル。近々動かし始めます。



折角なのでデッキメーカーに落ちてた屍を全部置いておきます(実際はもっと作ったけど)
ゼナークにシバかれすぎなんよな


受けてもゼナークで盤面破壊されると勝てなかった


青白決断が引けないと終わってた


勝つために必要なカードが多すぎた


勝てない人はもっと殴った方が良い


2ブロはファウン引けない問題が解決してないのでエナドレは否定派

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