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負の感情を、肯定する。

この記事は「おすすめCDアドベントカレンダー2021」 14日目の記事です

上記の企画に参加させていただいております。

紹介するのは

BURNABLE/UNBURNABLE 『BURNABLE TRASH』

BURNABLE/UNBURNABLEとは
2021年4月14日に始動。
Vo. re:caco (リカコ)
音楽プロデューサーに、須藤優を迎えた、
【ダークポップアーティスト】である。

須藤優
XIIXのメンバー。米津玄師やaikoをはじめとしたサポートベーシストとしても活動しており、家入レオ、佐藤千亜妃などの楽曲の作曲、アレンジを担当している。

1.オルゴールとダンボール

Vo.  re:caco氏のカサついた低音ボイスでダークな世界が開けていく。
後ろで鳴る重低音が印象的に響く。
一転、サビでは耳に残る心地良い高音域を取るボーカル。

妖しげな雰囲気を纏った歌がこちらを見ている。目を合わせて、ニヤつきあう。

哀しさや寂しさを含みながらも、こちらに優しく手を伸ばしてくる。

2.このままどこか

BURNABLE/UNBURNABLEが最初に世に出した楽曲。

初めて聞いた時に私の書いた記事があるのでリンクを載せておく。
https://hashimaika.wordpress.com/2021/04/23/187/

水中にいるような感覚。

息苦しさがありながらも、水中を泳ぐように水をかき分ける。
沈んでいくことも、浮上することも、わたしの自由。

そんな、聴き手の状態によって変わるような楽曲になっているように思う。

3.ノンアルコールで酔う

身体がユラユラ揺れるように勝手に動く。

浮き立つような恋心を表すよう。

このEPの中でもPOP色がある本楽曲。
BURNABLE/UNBURNABLE初のラブソング。

4.誰かのふりはもう飽きた

ダークの最たるもの、という印象を受ける。

苦しくて、救いを求めている。楽曲の中に救いは存在しておらず、そこには事実だけがある。

辛いときに、ただ一緒に沈んでいきたい。そんなときに共に沈んでくれるような楽曲。

特徴的なベースライン。その重低音が、底のない沼地のようにズブズブと身体を沈めていく。
首を絞める苦しさに、ある種の心地良さがある。

5.望んでない世界

re:caco氏が初めて作曲に携わった(須藤優との共作)楽曲。

深い絶望。耳が痛くなるほどの言葉が、降り注ぐ。

歌声と歌詞と曲との乖離。これが最も少なくなるのは、こういうことだよな。と、思わされる。

押し寄せる絶望の波。この手をどうにか伸ばしても、届かない。

言葉を重ねればチープに聞こえてしまうかもしれない。
どうかその耳で聴いたファーストインプレッションを大切にしてほしい。

6.ふらふら

救いのような歌声が聞こえる。

深淵にいるような絶望が救われ、肯定されるのが最後の曲になる。

しかし、この楽曲を聴けるのはCDのみなのだ。

これは個人的な意見だが、ストリーミングだけで聴くのは勿体ないと思う。この曲が無いのだから。
この曲があって初めてこのEPが完成するように思う。

絶望だけが欲しいのなら、確かにストリーミングだけでもいいかもしれないが……。

「救い」を表したような彼女の歌声が聴けないのは、勿体ない。

あとがき

暗い感情になることも肯定し、共に沈んでいってくれるサウンド。
それを売りにしているアーティスト。

今作で感じたのは、絶望と救い。
ドープに、沈んでいって、溺れて。最後には肯定と救いが用意されている。

一流のプレイヤーを多数迎えている当EP。
楽曲、演奏に加え、繊細さを持った声質のVo. re:caco氏。
どれも優れている。

まだ粗さが所々に感じられる部分もあるが、これから彼女自身の声をどのように活かして上手くなっていくのか、楽しみでもある。

「望んでない世界」のように、彼女の言葉と歌声と曲とが高純度で世に出されるものが増えていくと良いな、と勝手に期待している。

音楽と映像、POPさとダークさ、軸とするジャンルetc...
まだ上手く捕捉しきれていないので、どうなっていくのか、ハッキリするのかなど注視していきたい。

公式サイト
https://burnable.jp/

CD販売サイト
https://tower.jp/item/5243597/BURNABLE-TRASH

各種配信リンク
https://nex-tone.link/A00090606


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