見出し画像

かたこと ワンマンLIVE [+1] / 2021/12/4

心待ちにしていたライブがある。
情報が解禁されてすぐに入手した紙のチケット。大切に保管していたそれを片手に、ライブハウスへと向かう。

登場

SEが流れる中登場する三人。
ステージ上で一言二言、言葉を交わして拳を突き合わせる。
ライブが始まる合図だ。
待っていた。この時を。

01.アイデンティティを愛して

最新アルバム「Sherbet」の幕開けよろしく、高揚感のあるサウンドで会場の熱を上げる。
最初からテンションを上げに来る。

強烈に、「始まるんだ!」と思わせてくれる。

「かたことです!よろしくお願いしまぁぁぁぁぁぁぁす!!!」

02.TWENTY

「TWENTY」と曲振りがあってからの演奏。

率直に「好きな曲キタ――――!!」という気持ちになる。

純粋な、「演奏するのが楽しい!」という感情が全身から溢れている。その姿につられるように、全身で音を取る。
高らかに歌い上げる様が好きで、心をガッチリとらえられる。

03.涙が晴れるまで

1stAL「UNITS」からの選曲。

シンガロングしたかったなぁ。
この曲くらいまでに段々と腕が上がり始めるようになる様が良かった。

POPなサウンドに乗せられて、心を踊らせる。

MC

Dr. 伊東拓人によるMC

メンバー自身がファンのTwitterを見ていることに触れつつ、ライブタイトル「+1」の意味についてこう語る。

「+1ってことはメンバーが増えたりするのかな?」って言っている人もいて、我々も緊張しながら今日まで過ごしてきましたが
メンバーが
増えます!
「「増えねぇよ!!」」

ゆくゆくは新しいメンバーも入れたいけど、しばらくは!この三人で続けていこうと思っていますので。
など、キツめのブラックジョークが飛び出す一幕も。

Vo. Gt. 長尾拓海にMCが移り、
約半年ぶりのCLUB CRAWLでのライブ。会場の奥まで人で埋まっているライブハウスが久しぶりだと語る。

最初出てきて、人で、それもかたことのことが好きな人で、いっぱいになっているライブハウスを見てうおぉって。気圧されてしまった。
曲弾いてる最中に手が震えちゃって笑
今はもう大丈夫です!

会場に来た人たちは、隣にいる人も含め全員かたことが好きで。かたことが見たくて。そうして来てくれたということに感謝の言葉を届けた。

04.スタートライン

力強い楽曲なんだけど、UNITS当時からアプローチが変わっていて。
今回のライブへの想いを感じた。

05.エバーブルー

懐かしい曲を、と。

会場販売もされている3rd demo 最果てから/エバーブルー より。

驚きのある選曲。

サウンド面での強化を感じられる演奏。

06.待ちぼうけ

1stALからのライブチューン。
リズム隊のコーラスワークが耳に心地よく、心が高鳴るのを感じる。

会場の手の上がる感じがとても良くて、ライブって楽しいなと実感した。

MC②

Ba. 純によるMC

ワンマンなので、滅多にないんですけど私のMCの時間がやってまいりました。

新しく製作したグッズを紹介する。

ロングTシャツ。
3色展開となっており、メンバーカラーのようなイメージとなっている。それぞれ、Gt. Vo.長尾拓海が青、Ba.純が緑で、Dr.伊東拓人がオレンジ。それに近い色をセレクトしたよう。

お値段は3,300円。

そしてサコッシュの紹介。
ロングTシャツと同じく、3匹の犬のモチーフが描かれている。
誰がどのモチーフなのかとかを考えていただけたら…ね…!

続いて長尾にMCが移る。
ライブ前のSNS等での宣伝をあまりしていないことに触れる。
Twitter不精な彼ら。ファンが「楽しみ!」と拡散してくれることに感謝しているという。「頼ってばっかりだ」なんて。

07.さよなら十二星座

私が初めてかたことを見たのは新木場STUDIO COASTだった。
あの日は、生のライブに人生で初めて行った日だった。
この曲を聴いて泣きそうになったことを思い出した。
迸る青春。
あの日、沢山のアクトを見ても印象に残っていた一組目。

彼らの足跡がここにはあって、沢山のライブをしてきて、ライブに足繫く通ってきた人たちがいる。今日この会場に集まっているのは、そうした出会いがあったからなんだ。と感慨深い思いに。

でも、確かに「懐かしく」感じているのは、きっと彼らが進んでいることを表しているはずだ。正しく進んで、正しく振り返って、今日のライブに組み込んだのだろう。

08.わたしだけの夜

最新アルバムからのこの曲。

さよなら十二星座のように、切実さや焦燥感が内包されている、エッジの効いたバンドサウンド。
イントロから激しく照明が切り替わり、内に秘めた炎を燃え上がらせる。

彼らは、あの日からも、私が今年のツアーで見た日からも、ライブを重ねることで「強く」なっているのだ。

強か(したたか)さの為にゴツゴツした岩のように荒くなっていくのを厭わないようにも見える。

ステージ上を彩るカラフルでPOPな照明。その中に鋭さや緊張を張り巡らせるサーチライト。この曲を、かたことというバンドを象徴するような照明にも心を揺さぶられる。

強靭さと繊細な感性とその表現を、研ぎ続けている。

09.ミッドナイト・トーキョーレディオ

少しの休憩を挟んで、空気感を変える。

会場のあるこの街、渋谷。
ここでこの曲をやる意味を考えてしまう。

深夜、FM YOKOHAMAで彼らがラジオをやっていた際に、よく流れていた。深夜のラジオ。イヤフォンの中の秘密基地、となぞらえている。

今日は、イヤフォンの中の秘密基地ではなく、ライブハウスという秘密基地に場所を変えて、待ち合わせをしたんだ。

いつでも電波の先では
確かに君も僕もいるのさ

という歌詞を、確かめるが如く。

トーキョーの街で、等身大の僕たちを。

10.夜になる

「昔の曲をやります」

と宣言して始まったこの曲。

音に宿る若さがある。

11.プレリュード

動いていいんだよと示しながら、バラードから流れを戻す。

バラードが続いていたこともあり、いつもはしない音の取り方にしぜんとなっていた。

流れによって、アルバムで受ける印象とは違った側面が浮き出てくる。

音を取ることが楽しい。

笑って、ステージで音を鳴らすことを楽しんでいて欲しい。

純が笑って全身で音を取っている姿に観客が突き動かされる瞬間というのが存在する。音楽という幸せがそこにある。

ラスサビ。
ギターを掻き鳴らす長尾の、推進力のある伸びやかな歌声。
このギターと歌声に乗って、どこへでも、遠くまで行ける!
進んでくれ。どこまででも行ける。

直感的に、そう思わされるものがあった。

12.Lonly Day

一曲かけて戻した明るい空気に、
「腕上げても、踊ってもいいんで、全身で音を受け取ってください!」と長尾。

ビートに乗って歩いていくこの感じ。

全身を血のように駆け巡る音楽に心地良くなる。

一瞬一瞬が楽しいんだ。ライブとは元来そういうものだ。

MC③

「+1」の意味
もう一歩先へ

前のワンマンのときは「とりあえず、ワンマンやるぞ!」って気持ちでやった。今はそこまでに一歩一歩やってきて、こうしてあの時から一歩先へ進んできた+1を。

皆さんに「ついて来い!」なんて言えるスタンスではない。
皆と一緒に、それこそ頼って。もう一歩先のステージへ、皆で。雨の日でも、風の日でも、嵐の日だって。進んでいきたい。もう一歩先の+1を、皆と見たい。

そんな意味も込めて、ここしかないと。ここで入れるしかないと思って。
この曲を。

懐かしい曲をやります。

13.最果てから

熱い気持ちと初期衝動と己の弱さが濃縮された、私がかたことに初めて出会った曲。

弱さも曝け出して曲に乗せる。それが強さになる。

一緒に進むべく、私達と思いを重ねる。

今はまだ声は出せないけれど、拳で応える。一緒に進んでいくんだと。

「今年のかたことはここで終わらないぞー!!!」
「まだまだいくぞー!!!!!」

14.ラブ&ポップ

そうだ、ここは人でいっぱいのCOASTではない。

かたことを見ることを選んで来た人だけでいっぱいの、この小さなCLUB CRAWLだ!

あの年じゃなくて、今なんだ!
今年のかたことを見に来たんだ!

この日に向けて沢山聞いてきたこの曲でクラップをする。

今なんだよ、突き進んでいく最中の今!この瞬間!

今年の一番のポップチューン。今のかたことを象徴する楽曲であり、今のかたことと観客の関係性を象徴する曲でもある。

それを最後に持ってきて「今年のかたこと」を高々と打ち立てる!

最高の〆であった。

アンコール

「アンコールありがとうございます!」と言って出てきたメンバーは、それぞれ「メンバーカラー」の新しいグッズであるロンTを揃って着ていた。

三人肩を組んで観客に一礼する。

EN.MC

セットリストを練っていた時のことを話し、

さよなら十二星座とか夜になるとか昔の曲もやって
ラブ&ポップで本編を締めるという流れ
満足していただけましたかね?(拍手無し)あ、満足してくれた人は一人もいないと!

昔から知っている人がこう「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」ってなってね。

最高を更新していったんじゃないか。

今日12/4は色んなイベントがあるけど、かたことのワンマンを選んで来てくださって。そんなわざわざ選んでくださった特別な皆様に!
情報を先出しで!

【内容は今後の公式アナウンスをお待ちください!】

曲行きますか!
「バンド」の曲をやります。

EN.1.ロックバンド

「かたこと」を表す、バンド初期からある楽曲。
MCの内容と被る部分が大きいので詳細は省くが、泣きそうになった。

純と拓海、拓人と拓海。コーラスワークと歌詞を嚙み締める。

今日、ここまで、バンドの初期から最新アルバムまで沢山やって。
この位置にこの楽曲を選んだ理由。

深く胸に刻まれていく。

1+1+1は 君が思うよりも大きいものになる気がしているんだ

というフレーズが涙腺を刺激する。これを書いた時よりは大きくなっているだろうが、まだまだこれから。私の想像もつかないほどに大きくなっていく姿を見たい。

どこを探しても辿りつけないだろう
代替不能の必然的アンサンブルなのさ

と三人の声だけが重なり合う。

バンドの曲であり、この3人の曲であり。

鳥肌が立つ感覚をはっきりと味わった。

あぁ…言えないことがもどかしい…。

カタルシスであり、純粋なる喜びなのだ。

EN.2.彗星

「最後」を飾るに相応しいこの曲。

豊かな幅を見せたSherbetの中でも、かたことの王道のような。長尾氏の言葉を借りるならば「〆のしょうゆラーメン」のような楽曲。

楽しいライブを楽しいままに、2021年のかたことを表したライブの〆に相応しい楽曲を。

色んなものの安堵からか、2番で歌詞が飛ぶなんてこともあったが、それもまた一興。

良いライブを締め……?

おや…?

ステージ袖からスタッフにカンペ?を差し出され反応する三人。

「今年のかたことはまだ終わりません!!!」と

EN.3.ラブ&ポップ

なんと本日二回目の!
(何があったんだろう……巻いちゃったのかな……?)

なにか体力の限界を超えたところに到達しているような。
二度目のラブ&ポップ、二度目のクラップ。

(何があったんだろう)

あとがき

2021年のかたことを示すライブ。
ここまでの大切な足跡を辿った上で、ファンと共に現在を確かめる。そしてこれから先の未来へ。会場にいた全ての人、会場には来られなかったけれど応援してくれている全ての人。同じ方向を向いて、しっかりと「前」を見据えていく。
そんな姿勢を感じ取るようなライブだった。

その歌声を、演奏を以て、遠い所へ行こう。
私達なら、きっと。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?