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デッキ構築法 入門編

はじめに


今回は僕が普段、パパッとデッキを作るときにやっている、0からのデッキ作成方法を記します。初心者の方に対してよく言われる「強い人のリストをパクっていじれ」の方法を卒業して、自分のデッキを作りたいという中級者ぐらいの人に向けて書いています。デッキはバランス良く組むことが求められるので多元的な処理が必要です。しかし、指標があれば手軽に作ることができます。

増やすデッキか減らすデッキか


今回はちょうどTier1がリノセウスエルフと自然ビショップなので、この2つを例にしながら説明していきたいと思います。
リノセウスエルフはメインギミックであるリノセウスをバウンスを使ってグルグルすれば勝てます。そのパーツは現在のローテーションのカードプールには以下の12枚のみです。

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この12枚でデッキを組めたら最強です。けれど、デッキは40枚なのであと28枚増やす必要があります。なので増やすデッキです。増やすデッキには他に、安定した動きを求められ山を掘り切らない、アグロ系統のデッキや、超越、エイラなどの切り札依存のデッキが該当します。

自然ビショップは疾走ビショップとも言われるようにリノセウスと同様「疾走」効果を持った報復の白き刃アニエスをエースカードとして疾走カードで顔を削るデッキです。しかし、リノセウスエルフはリノセウスだけで1ターンに20点叩き込むOTKタイプのデッキに対して、自然ビショップはアニエスだけで20点取れるデッキではないので、飢餓の輝き、ムニャール登場などの打点補助が必要となります。また、アニエスの爆発力を引き出すためにアミュレットは相当数入れる必要があります。特にナテラの大樹の破壊枚数がアニエスの爆発力に関わります。ただ、ナテラの大樹はボードに干渉せず、テンポを損ないます。そのため、フェザーフォルクパニッシャー、ミルフィなどのナテラの大樹に呼応するカードやクルト、エクセスプリーストなどのテンポロスを補うカードを積む必要があります。そうこうしていくうちにデッキが分厚くなっていき、50枚は余裕で超えてしまいます。なので、ここから優先度の高さ低さを考えて40枚に収めます。なので減らすデッキです。減らすデッキには他に、多様な勝ち筋を持ちたいミッドレンジ系統のデッキや、色々な対面へのメタカードを積みたいコントロール系統のデッキが該当します。

リノセウスエルフで考えるデッキの増やし方

まず、どんなデッキでも作る前に、気持ち早め気持ち遅めかを決めておきます。これは、どちらが強いとかは試さないと分からないし、どっちも作ればいいだけなので、サッと決めてください。この早め遅めを最初に決めておくと、この後カードの枚数を悩んだ際に非常に助かります。
この記事ではリノセウスは気持ち早めを目指して書いていきます。
リノセウスエルフに入れるとするならば、コンボパーツを引きにいくドローソースかサーチカードと生き残るためのカード(除去、守護、回復)です。また、序盤に置くことで置き除去とて機能する軽量フォロワーも生き残るカードに含めましょうか。本当は、デッキを作る時は、カード一覧を眺めてほしいのですが、今回は分かりやすくするために僕の方で大雑把に絞っちゃいます。(ざわめく考慮で多くのエルフフォロワーは除外してます。)

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この中で特に強そうなカードをピックアップします。強そうレベルのカードはこのゲームだと確定枠になりません。この中だと、強者の威風はリノセウスの進化と相性が良い事もあり、2コス最強除去と言って差し支えないレベルなので特に強い認定します。また、ワンゲーム中にリノセウスを複数枚引く行為がとても強力なので、ざわめく森かリザは入れたくて、今回は攻撃不能もできるざわめく森をとても強力認定します。(リザは後述の問題点があるのでとても強力認定しづらい)↓現状

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ここまでだとまだまだ足りないので、次の段階では一気に増やしてしまいます。ギミックを追加します。ギミックは数種類のカードで1セットなので増やす上では好都合です。また、僕はパワカ詰め合わせというギミックがあると考えています。単体性能の高いカードは相手からしたらケアするカードなので、詰め込むことで相乗効果があります。相乗効果があれば立派なギミックです。では、上記のカードリストからいくつかのギミックを取り出してみます。

①パワカ詰め合わせ

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選考理由
エフェメラ:2/3/1突進なので置き除去兼通常除去。
森荒らし:2/2/2に対して後攻2ターン目と先攻3ターン目の両方で強く出れる。フェアリーが5ターン目にリノと組み合わせて愛の奇跡の+2/2効果を発動させるのが高評価。
覇食帝の調理:3コス5点除去だけでも強力な除去。加えて後攻場合は追加効果の1コス2点除去が手に入りやすく、超強力。
愛の奇跡:エフェメラ同様、置き除去兼通常除去。また、森荒らしの項目にあるように、+2/2効果が乗ると3/5/4突進として使えるのが激熱。そして、ミラーで差をつけることができる対空圏外の守護にもできる神カード。個人的にはとても強力扱いなのですが、減ってるリストがたまにあるのでここに登場。
エンジェルシュート:4コス確定除去、消滅のため使いやすく、お互い1ドローはリノセウスにとってはメリットになりやすい。コストが重いので嫌う人もいるがケアが困難な大型除去なのであるだけで相手の進化置きなどを咎められるのでパワカ認定。

②自然ギミック

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ギミック説明:ナテラの大樹をドローソースとして使いリノセウスパーツをかき集めるギミック。リノセウスミラーなどの除去が腐るマッチアップで有効です。除去が薄くなるのが嫌なら、アリアの旋風を積むと特大AOEが打てるメリットがあります。弱点はガードの弱さとマナが強く使えるのが5ターン目以降なので、出だしが遅れやすい点。

③フロートボードマーセナリーと愉快な仲間たち。

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ギミック説明:機械樹の番人が機械カードなのでフロボでサーチが効く。機械樹をサーチすることでざわめく森からのリノセウス率を上げることができる。ただ2/1/2にはトレード性能が無いので、1コスフォロワーで補うのが良い。弱点はフロボがボードに残ると自然ビショップのミルフィなどの攻撃時効果持ちを強く使わせてしまう点。

パパッと作りたいのでこの3つから1つ採用するとします。今回は、先ほど、気持ち早めと決めたので、リノセウスをサーチしやすい、③のフロボギミックを採用してみます。ただし、1コスフォロワーは手札枯渇の原因になりやすいのでゴブリンと堅牢を1枚ずつ採用することにします。↓現状

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これでも、まだ枚数が足りないので、ギミックで出てきた①のパワカ詰め合わせから、フロボギミックと相性の悪いエフェメラを外した、3種類を入れてみます。パワカはデッキを増やすときはとても便利です。↓

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これで35枚までできました!あと5枚!そろそろ仕上げですが、ここで放置してきた問題を解決しましょう。

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それはリノセウスデッキだけの問題なので普遍性は無いですが、「リザの扱い」です。リザはリノセウス確定サーチの1/3スタッツですが、ざわめくから持って来た時と、複数枚採用した時のラストワードでリザ本体をもう一回持ってくる時が強いのか弱いのか判断しづらいカードです。
今回はフロボ型なので、ざわめく森からリノセウスをなるべくサーチしたいです。また、ラストワードでリザ本体ではなく機械樹をサーチしたら美味しいので、試しに1枚採用に抑えたいと思います。3枚でも全然いいとは思うのですが。↓現状

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仕上げをしましょう。あと4枚です。とりあえず、上の36枚を見てみます。この時点で考えるのはマリガンです。僕はこのくらいの段階でマリガンを考えます。まずこのデッキの最大の強みはざわめく森、リザがめちゃくちゃ強いことです。なのでこの4枚はキープ対象になってくると思います。そうなると、リソースカードをキープあるいは探しに行くということになるので、自然の導きはマリガンで返す札になり、逆にリノセウスへのアクセスが強い分、対空射撃は先後問わずキープしやすい札になります。また、フロボはざわめくの前に起動させたいのでセットキープの候補になります。後のカードはマリガンでは要らない感覚です。こんな感じのマリガンをするなら、ざわめくを置く前にボードを作りたいと思います。その気持ちで採用候補を見ていると、、、いました。

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ボードにいても弱くなく、除去にもなるカードがありました。入れます。2枚ずつにしてみます。

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これで40枚になりました。つまり、戦えるようになりました。そしたらランクマッチで軽く回したり、Tier上位とルームマッチしたりして、最終調整します。そしたら、ネクロの先1コープスドッグに後1ゴブリンを重ねる試合が良かったことと。堅牢だと5ターン目の愛の奇跡の打ちづらさが目立ったので、堅牢→ゴブリンで最終的な40枚はこんな感じになりました。

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この40枚自体はテンプレから枚数いじってもできなくはないのですが、ギミックの枚数とかを考えると、1から作った方がデッキとして矛盾しないので、回りやすい場合が多いです。次は自然ビショップにいきましょう。

自然ビショップから考えるデッキの減らし方

自然ビショップはさっきのリノセウスが、気持ち早めだったので、気持ち遅めで組んで行こうと思います。自然ビショップの気持ち遅めはミラーマッチに強く出れるという点で他対面に弱くなるとしても価値があると思います。
まずは減らす前の状態はこんな感じです。(61枚)

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上の画像は無理やりくっつけて1つにしてますが、シャドバのアプリ内だと50枚を超えるカードが編成画面に入らないので、コスト帯の切れ目で2つに分けて登録するのがオススメです。
それでは実際に減らしていきましょう。その前に減らさないカードの話をしましょう。アニエスとかの誰でも確定枠の話ではなく、気持ち遅めのテーマによって枚数を先に決められるカードのことです。それを先に決めます。注意したいのは気持ち遅めのデッキ=重めのデッキというわけではなく、ドロソが安定してれば軽いデッキでもロングゲームができることです。例えば、昔のミッドレンジエルフはヴィーナスがあったので比較的軽めのデッキでもロングゲームが可能でした。そういうデッキは早期決着プランがあるのが強みになりやすいです。自然ビショップも黄金の鐘とワンダーコックが純心の歌い手で、ナテラの大樹が収穫祭と似ています。なので、早期決着プランを少し搭載して強みにできるデッキだと思います。このリストから早期決着プランに使えるのはやはり、飢餓の輝きでしょうか、基本的に疾走カードはキルターンでは体力は1あればいいので、4/5のアニエスを最終ターンに投げるのは少しもったいなくて、飢餓を打った8/1で投げたいものです。また、一応3コス4点除去として使えるのでロングゲームでも役割がないわけではないです。ただ、除去として、使うのは弱いので、3投すると受けるゲームで弱くなってしまうので重めの自然ビショップだと1枚に抑えて他のカードに回す所を今回は2枚にします。
また、気持ち遅めのリストだと重要視するカードがあります。それは母なる君、シヴァです。この2枚のカードは6コストなので、5ターン目までは一切使いません。また、ギガントキマイラ、ゼウスみたいな明確なフィニッシャーでもないです。なので、多めに積むのは抵抗があると思います。しかし、気持ち遅めで組んでいる以上、両方とも受けるカードとしては優秀なので枚数を取りに行きます。テンプレが母なる君2枚、シヴァ1枚なので、強気に母なる君3枚、シヴァ2枚にします。そうすると、母なる君の最速発動を狙いたいので、シヴァは7ターン目に使うことが予想できます。その時に余った1PPを強く使いたいと考えると、デスティニーウィングナイトの出番です。シヴァの6ターン目の回復はミラーマッチで強いのですが、最近は7ターン目にバフを乗せて、母なる君に上踏みされない択を取るのが思ったより強い印象があり、母なる君の最速発動のためにミルフィを優先して使うことから、7ミルフィをする機会は減るので、シヴァを7ターン目の札として使うことは合理的だと思います。さらに、デスティニーをくっつきの札で使いたいなら楽園の聖獣は評価が落ちるので0にします。また、ナテラをガンガン進める時に使いづらいクルトとスフィンクスは、クルトが休息とのシナジーを持つために1枚入れてもいいとして、スフィンクスはクルトが減るなら価値が減ることも合わさり0にします。
長くなってきたので現状↓(51枚)

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この中で減らしやすいのは案内人、法典、覇食帝でしょうか。
案内人:母なる君のことを考えたら欲しいのですが、ロングゲームをやるなら後半の弱さは否めないので、0にします。その代わりにラット、ミルフィを積極的にマリガンでキープして、母なる君のカウントを進めることにします。
法典:自然ビショップは体力3点が出てくると、飢餓は4点だから少し損で、エクセスはもっとでかいのに残したいし、クルトで取れない!となるので、体力3残しが自然ビショップに対して強い択となりやすいです。それをカウンターするために法典が入ってきます。このデッキはロングゲームをするので、カウンターのチャンスは多く発生すると思います。なので減らしやすいけど0は嫌なので2枚残します。
覇食帝の調理:除去範囲がエクセスと被るが、相手のテンポムーブに付き合う際に都市を貼らない展開になることがあり、その際に強気の体力5(クルト、デスティニー進化など)が立てられやすいです。これは覇食帝の採用率の低さゆえでもあります。また、前述の法典同様カウンターカードの認識です。ただ、範囲が似ている飢餓の輝きを少し多めに積んでいる都合で2枚は多くて、1枚が上限だと思います。↓現状

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そろそろドロソの枚数も調整したいです。このデッキはナテラの大樹がドローになるのでドロソは無くてもよくて、さらに今回はデッキを遅めに組んでいる以上ムニャール、アニエスをマリガンで持たないので、ハンドが細くなる展開にはなりづらいでしょう。なのでドロソは減らしてよさそうです。
このデッキのドロソは黄金の鐘とワンダーコックです。どちらも良し悪しがありますが、今回は少し遅めのデッキなので、早めのデッキだと置いていたらスピードが足りない展開になることの多い黄金の鐘を使いやすいです。なので、ワンダーコックの方を落とします。↓現状

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ここまでくると「減らせないよー」ってなる段階です。あと2枚。この42枚を保存しておいて、抜くカードを試しながらやってみるのもありだと思います。時間があるときは僕もそんな感じです。ただ今回は思考で40枚まで落としたいと思います。なので、何パターンかから選ぶ作戦でいきます。
①法典1覇食帝0
丸いリストでよくある自然ビショップに近くなってますが、カウンターカードを落としている分、その穴を突かれるときつい気がします。
②法典1シヴァ1
これも素直な減らし方。ただ、シヴァキープが必要になるのがネック。
③ムニャール2デスティニー2
ムニャール自体はパワカだがロングゲームで役割が薄いのは間違いないので減らす思考です。それに伴いデスティニーも少し弱くなるので枚数を落とす感じです。

こんな感じでパターンを考えてて③のムニャール減らしを試したくなったので③を採用します。普段もこんな感じで試したい考えを採用してます。これで40枚になりました!

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気持ち遅めの自然ビショップに見えるでしょうか。ここまできちっと遅めに組むと、ゲームプランも立てやすくて悪くなかったです。
増やすデッキよりは減らすデッキの方が0→1の作業じゃなくて2→1みたいな作業なので易しいかもしれないです。

まとめ


実際に2デッキ分作る過程をずらずら書いてきましたが、普段1デッキ作るのに5分〜10分くらいで済むので、パパッと作るとか言っていましたが、いざ文字に起こしてみると意外と思考量が多かったですね。でも、増やすデッキと減らすデッキの2種類の作り方を意識したら作りやすいのは間違いないです。そして、1回自分で組めるようになったら、とにかくたくさん作って、たくさん捨ててを繰り返して、強いデッキが出来るまで頑張る作業に入ることが可能になり、実際僕はそんな感じで強くなってきたので、参考になったら嬉しいと思います。
-hasu

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