森保一&長友佑都バッシングで浮き彫りになった、一旦立ち止まって考えることの大切さ

先月のサッカー日本代表vs中国代表の試合後、ネット(ツイッター)は随分と荒れていた。勝ち試合にもかかわらず。

別に「批判するな」とは全く思わないし、実際僕も森保一監督の選手起用や長友佑都、酒井宏樹の両サイドバックのパフォーマンスには何度か愚痴をこぼしていた。

だが、ツイッターに溢れかえるバッシングには「批判」とすら呼べないようなお粗末な感情論、誹謗中傷も多く、さすがにゲンナリしてしまった。

そこで僕は、渾身の力を振り絞り、長い長いツイートを投稿した。

このツイートは監督や選手に対する感情的な誹謗中傷に対して投稿したものだが、先日フォロワー1名に「ここに書かれていることはサッカーに限った話ではないですね」と指摘されたので、改めて自己分析してみようと思う。


さて、長い長いツイートとは、以下のものである。

長友スタメンに納得がいかないのは自分も同じだけど、現場では我々よりずーーーっとサッカーに詳しい人たちが大勢集まって頭を捻ってメンバーや戦術を決めているわけで。

条件反射で非難するのではなく、一度冷静になって、知識を総動員して論理的に理由を考えることが大切だと思う。

この「納得いかない事象の理由を考える」という過程をしっかりと踏んでいる人は、批判を展開するにしても内容が精査されていて説得力があるし、少なくとも監督や選手を誹謗中傷したりはしないんだよね。

それは思考の過程でサッカーの奥深さに触れ、絶対的な正解などないことを悟るからだろうか。

そのような知的な人々と、「海外に行けば日本代表に選ばれる法則w」のような陰謀論的扇動に釣られているだけのお魚さんたちは、発言の質から言葉遣いまで明らかに別物だから面白い。

後者は同類としかつるめず、エコーチェンバー現象で自分たちを多数派だと思いこみ、ますます孤立していく。

彼らのような、思考停止に陥り感情論や陰謀論でしか物事を語れなくなった人々は、恐ろしく、そして醜い。コロナ禍で散々見たでしょう。


自分はああなってしまうのが怖くて仕方ないから、「中山をスタメン起用してくれよぉ〜」と内心で不満に思いつつも、長友スタメンの理由を考えることは絶対に放棄しない。 

大事なのは

・プロの仕事には最低限のリスペクトを必ず払うこと

・彼らの決断が理解不能でも、条件反射で文句を言うのではなく、理由をアレコレと想像してみること

・それでも理解不能なら、その旨を論理的に述べて批判すること

・条件反射の「理解不能」と、思考の末の「理解不能」には雲泥の差があること

まさかサッカーの話から始まって、昨今話題に事欠かない陰謀論やエコーチェンバー現象にまで話が広がるとは自分でも思わなかったが、話の骨格部分には概ね筋が通っていると思う。陰謀論モドキの根拠不十分なバッシングに釣られた人々を「お魚さん」と書いたのは表現がキツかったと反省しているが、実際お魚さんに見えて仕方なかったのは事実である。


論旨

さて、このツイートで僕が最も言いたかったことは、「調子の上がらない長友の毎試合スタメン起用」などの「理解不能な事象」に遭遇した際は、わかりやすい感情論や陰謀論に逃避して文句を言うのではなく、まずは冷静に頭を使って理由を想像し、考えてみることが重要だと言うことである。

この思考の過程をたどった人は、長友佑都を批判するにせよ森保一を批判にせよ田嶋幸三(JFA会長)の辞任を求めるにせよ、発言の節々に、これまでに辿ってきた思考の奥深さと緻密な論理がハッキリ現れるのだ。

感情的に、思考停止的に、条件反射の誹謗中傷や陰謀論に流されているような人々とは、文章や言葉遣いに表れる知性や品格が全く別次元になる。本当に同じサッカーファンなのかと目を疑うほどには、違う。

その意味で、日本代表はわかりやすいリトマス試験紙になっていると言えるのかもしれない。


一旦立ち止まって理由を考えられる人と、それをできず感情的に他者を攻撃する人。その差は「一旦立ち止まって考える」という紙一重のものではあるが、とてつもなく深い。


そしてこれはサッカーに限った話ではない。政治、社会問題、私生活でのトラブル… その何事においても、まずは自分の頭で(他者の意見も参考にしながら)考えてみることが大切なのである。大切というか、理屈で物事を考えられる若者が増えてきた現代社会においては、もはやこれが出来なければ相当浮いてしまうと思う。(なお本人はエコーチェンバー現象のせいで気づけないという悪夢)

キモい絵文字😅😓❗️❓なんかよりも余程、社会から浮く原因になりかねない。

だからとにかく、条件反射で感情に流されたり、陰謀論モドキの発想に釣られてはいけない。前述した1名のフォロワーは、そう言いたかったのだろう。

余談

このツイートの数日後、日本代表はグループ首位の難敵サウジアラビアに完勝した。吉田、冨安、古橋、三笘を怪我で欠く中での完勝だった。矢面に立たされていた長友も、(クロスの精度を除けば)気迫あふれる安定したプレーを披露し、国民の掌をクルクルと回転させたのであった。

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