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世界の名サッカー監督の特徴をまとめた

※ツイッターで公開したものとは少し内容が異なります。若干こちらの方が詳細です。

ジョゼップ・グアルディオラ (マンチェスター・シティ)

偽サイドバック、低空クロスの多用、リベロ型GK、etc…といった数々の革新的な理論と戦術で革命を起こし続ける、サッカー界のスティーブ・ジョブズ(と僕は勝手に思っている)。
彼の率いた2010/2011シーズンのFCバルセロナは、シャビとイニエスタを中心に細かくパスを繋いで美しくボールを支配するサッカーで全世界に衝撃を与えた。圧倒的な強さをそのインパクトが後押しし、「サッカー史上最強チーム」と称賛するファンは多い。

ユルゲン・クロップ (リヴァプール)

ゲーゲンプレス(ボールを奪われた直後に組織的にプレスをかけてボールを奪い返し、大人数で高速カウンターを仕掛ける戦術)でドルトムントを躍進させた、香川真司を愛する熱血監督。現在はリヴァプールを指揮し、ドルトムント時代とは若干異なる戦術で躍進に導いている。マネジメント能力も一流で、世界最高のサッカー監督の1人。

ブレンダン・ロジャーズ (レスター)

スウォンジー、リバプール、セルティックで好成績を収め、現在はレスターで攻撃的なサッカーを展開している。リヴァプール時代の失態から無能と評する人もいるが、間違いなく世界有数の有能な指揮官である。多様な戦術を使い分ける攻守共にシステマチックなサッカーは、しばしば分析の対象になる。

ジョゼ・モウリーニョ (トッテナム)

強烈なキャラクターとサッカーに留まらない人生で世界中に影響を与える"スペシャル・ワン"。勝利を第一に考え堅実なサッカーをするため守備的な印象を持たれがちだが、本人は攻撃の方にこだわりがあるそう。かつては世界最高の監督と称されたが、近年は時代に取り残されて低迷。昔から3年目に解任されるジンクスの持ち主だったが、マンチェスター・ユナイテッドでは2年目で解任されてしまい凋落を印象づけた。1年のブランクを経て今季トッテナムの監督に就任し、まずまずの評価を得ている。本格復活を果たせるか。

カルロ・アンチェロッティ (エヴァートン)

幾多のタイトルを獲得してきたサッカー界屈指の名将。戦術に選手を当てはめるのではなく、選手の良さを最大限に活かす戦術を考えるタイプ。攻撃的なサッカーには華があり、人気が高い。卓越したリーダーシップと人格を有し、誰からも愛される男。サッカー解説や戦術に関する著書は非常にわかりやすく、こちらも高い評価を得ている。

マルセロ・ビエルサ (リーズ)

「狂人」と称される戦術マニア。膨大な知識量をベースに繰り出す言葉や理論の数々には強烈な説得力がある。代表的な言葉は「2万5千試合を分析した結果、サッカーの戦術は28種類しかないことがわかった」。
就任2日後に辞任する等の奇行も目立つが、選手のハードワークで成り立つ超攻撃的サッカーのファンは多い。徹底したマンマーク戦術の使い手でもある。マルセイユでは選手から能力を非難されたが、リーズでは手腕を存分に発揮している。

マウリシオ・ポチェッティーノ (現在フリー)

監督にとって過酷な職場であるプレミアリーグで、5年間指揮を執り続けた名将。現存戦力を上手く活用してチームを強化する手腕、パワフルでスピーディーなサッカー、相手に合わせて戦術を使い分ける柔軟性が特長。試合中とても静かなのは、どうせ指示を出しても選手には届かないと考えているからだとか。その代わり、試合前やハーフタイムに徹底した指導をする。

ディエゴ・シメオネ (アトレティコ・マドリード)

カリスマ性と熱いハートで終始チームを鼓舞し続ける闘将。強豪を率いているが弱者の戦術に長けたタイプで、4-4-2をベースとした堅守速攻を好む。選手全員に猛烈なハードワークを求めるが、これは根性論ではなく、緻密に考え抜かれた的確な戦術をベースにしたものである。ハードワークだけを真似しても彼のような成績は残せない。

ジネディーヌ・ジダン (レアル・マドリード)

他の監督と比べて特筆すべき戦術的な特長はない。「戦術がない」とする識者もいる(さすがにそれは無いが)。しかし、なんだかんだで結果を残し続けている。選手の良さを引き出す能力、選手起用のセンス、試合の流れを読む力、別格のカリスマ性がそうさせているのだろうか。サッカーは戦術が全てではない。そう知らしめる男。

アントニオ・コンテ (インテル)

かつて4トップという特異な戦術で名を馳せた知将。現在は3バックの印象が強いが、中盤を減らして攻撃に人数を割くスタイルに変わりはない。最前線にフィジカルの強い大柄なフォワードを置く傾向にある。
「クラブ監督とは別の職業」とさえ言われる代表監督としても結果を残した数少ない人物。グアルディオラをして「戦術マスター」と言わしめた。

マウリツィオ・サッリ (ユヴェントス)

銀行員の経験もある超頭脳派監督。攻撃・守備を分けて考えるのではなく、表裏一体のものとして考える。全てが効率的に計算された美しいサッカーを好むため、ポジショニングに対するこだわりが尋常でない。そのこだわりようから、グアルディオラと比較する識者もいる。意外にも身長189cmと大柄。

マッシミリアーノ・アッレグリ (現在フリー)

ミランでの苦節を経てユベントスの監督に就任。当初は疑問の声が多かったものの、システマチックで面白みのあるサッカーを披露。汚名を返上した。
戦術家である一方でサッカーを芸術と捉え、創造性に富んだ選手のアイデアを尊重する。成績が不安定なのはそれが理由か。元日本代表監督のハリルホジッチ同様、デュエル(一対一の対決)の勝敗を重視する監督である。

ユリアン・ナーゲルスマン (RBライプツィヒ)

2016年、最下位付近を彷徨っていたホッフェンハイムの監督に28歳で就任し、翌年4位に導いた若き理論派監督。最新テクノロジーを導入した多彩な分析、練習、戦術でチームを着実に強化する。戦術オタクの憧れの的。グアルディオラと並び、サッカー新時代を象徴する人物。

ラルフ・ラングニック (監督としては現在フリー)

「教授」と称される稀代の知識人。ボールを奪ってから8秒以内にシュートを打つことを求める「8秒ルール」に代表されるように、攻守共に速度を重視する。近年はその卓越した知識と頭脳を活かしレッドブルグループで裏方仕事を務めるが、監督招聘に苦しんだ年は自らライプツィヒの監督となり好成績を残した。ナーゲルスマンをライプツィヒに招聘したのも彼である。

ルイス・エンリケ (スペイン代表)

FCバルセロナでメッシ・スアレス・ネイマールのMSNトリオを指揮した監督。彼らの良さを最大限に引き出すべく、バルサの芸術的な攻撃スタイルにカウンター攻撃を融合した。グアルディオラ時代の細かくパスを繋いでボールを支配するサッカーを愛するファンからは厳しく非難されたが、最終的な勝率はグアルディオラ時代を上回る。

ジョルジェ・ジェズス (CRフラメンゴ)

ポルトガルの名門ベンフィカを6年間指揮した名将。昨年は欧州の「理論的」なサッカーを「感覚重視」の南米サッカーに融合させ、ブラジルの名門フラメンゴを劇的に強化した。現在南米を席巻する欧州人監督ブームの火付け役である。将来的には再び欧州で指揮を取る意思があるそう。

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