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騒音問題が誤爆で解決してしまった。
先週さんざんシェアハウス内ですったもんだしたことが、メールの一通であっさり解決してしまった。そのせいでいろいろ考えてた交渉の道筋が爆散したり、ちょっとシェアハウス内の空気が硬いことをのぞいては、まあ良い結果なのかなあ。
事の起こりは、ふと思い立って、学寮側に「この部屋か、談話室を防音仕様にできない?下の階でアンプを使ってダンス音楽流してる人らがいて深夜まで言ってもやめないの。」と聞いたことだった。アンプの使用も深夜までの騒音もそもそも学寮の規則で禁止されてるし、ダメ元とはいえ、何となく「問題があるよ」ということを学寮側にほのめかす意図もあって聞いたのだった。
普段はのんびり対応も多いし、一週間くらい返事待ちかな、と思っていたら、次の日にCollegeのDean(学寮長)からシェアハウスのみんな宛てに長めのメールが届いた。
「複数の騒音苦情が私Deanにも、Porterにも届いている。今すぐ騒音を止めてほしいし、もしPorterから騒音の問題について指摘を受けて名前を聞かれたらきちんと答えるように。」
みたいなかなり厳し目の内容。この一線を越えたら退学もありうるくらいの書きぶりだった。どうやらすでに相談済みの人がいて、私の一通が最後の一押しになってしまったらしい。これまで、「騒音は嫌だ」という立場で矢面に立っているのが私一人だったところから、これでずいぶん雰囲気が変わって、「パーティーに来てない奴らが実はサイレントマジョリティなのでは?」という形に雰囲気が変わった。
そこからはアンプの使用は完全になくなった。良かった…良かった…アメリカ人の数人は口をきいてくれなくなったけど、まあそもそもマイクロアグレッション盛り盛りの特殊な人たちだったし…まあいいか…。もうちょっときちんと折り合いつけたかったけど、忙しかったしこれでもいいか。仲良くなるためのエフォートを、こいつらよりも投資しがいのある人に費やす口実になったとおもおう。
キッチンでスペイン人やガーナ人に会うと、「大変だったね」と静かに言ってくれる。ほんとにそうだよ。もしかして相談してたの君たちかな?
Porterに恐る恐る「Deanからのメールは何?」って聞いたら、まだメールしてないよ?最悪に備えていつでも放てるようにメール文面を用意したけど、何で知ってるの??とのこと。Porterにごにょごにょ言って逃げる。メールの送り元を見ると、たしかにDeanじゃなくてシェアハウス担当職員のDxxxxだった。Dxxxxの誤爆かよ!
学寮の中をうろうろしていると、台湾人のMCRコミティーメンバ(大学院生組合委員)が声をかけてくれて、韓国人がMCR内にずいぶん根回ししてくれていたことが分かった。でも、MCRも白人英語ネイティブとそれ以外でぱっきりコミュニティが断裂してるので、反対側ではアメリカ人が同じことしてそうだ。
双方の立場を考慮する形で仲裁に入ってくれていた中国人はちょっと納得してない様子。この人は元外交官で、かなり美しく外交にも使えるようなレトリックで、忙しい中みんなの意見をfacilitateしてくれていたのだった。ごめん、でも私も勉強に時間使いたいしこれで満足。
すったもんだ直後かつアメリカの祝祭日(Thanksgiving)にあたる今週末はさすがにシェアハウスにいづらいので、コースメートや別の学寮の生徒と一日出歩く。それもわざと、いろんな国籍と人種の混じったコミュニティを選ぶ。
朝はHugh's Hallの香港人と勉強。
昼からはGirtonのインド人、白系南アフリカ人、イギリス人の友人と植物園。
夜はポルトガル、アメリカ、キプロス、香港、アラブ系ロンドナーのコースメートとクリスマスマーケット。
アメリカ人で白人でも、アジア人を無視する人ばかりじゃないんだ、ということをしっかり頭に結わえ付ける気持ちで、アメリカ人の女の子とは沢山めに話す。そうそう、見た目が似てない人にも普通に話しかけていいんだ。こうやって頭の平衡をとらないと変なバイアスになってしまいそうだから。
帰り道に、チャペルでクリスマスの集いをやっていたので、ふと立ち寄る。英語の歌詞で見知らぬ人の間で「きよしこの夜」を歌う。こういうのもいいなあ、と思っていたら最後の一曲はチャペルが揺れるほどの爆音でクリスマスソングが流れ始める。チャペル、お前もか!
早々に退散して、ちょっとずつ遠のいていくクリスマスソングの振動を感じながら家に帰る。家には爆音はもう流れていない。ほっとする。