嘘はつく方が悪いのか?つかせる方が悪いのか?

小学生一年の出来事でした。
当時、私は親のエゴで子供のいない親戚の家に養子に出されていました。
今思えば、この夫婦は邪魔物(私)を押し付けられたんだと思います。
何故なら、とても子供を欲しがっていた夫婦とは思えないし扱いを受けたからです。
お風呂は何週間も入れてもらえず
洗濯なんてしないから毎日汚れた同じ服を着ていて
近所のおばちゃんには憐れまれコッソリお菓子を渡される程でした。

厄介な迷惑者だったからでしょうか?
学用品すら買い渋られノート一冊買ってもらうのも大変
毎回チェックされ一文字でも書けるスペースがあれば買ってもらえませんでした。
つまり、改行NGと言うことです。
キッチリ!ギッシリ!ギュウギュウに紙面を文字で埋め尽くし書くスペースが1ミリもなくなるまで
「このスペースに書け」と突き返されたものです。
学校ではノートを忘れたのかと怒られることもしばしば…
先生に「この隙間を埋めないと買ってもらえない」と伝えても当然のことながら信じてもらえるわけもないです。

そんな家で生活していた頃
学校ではうどんはナニで出来ているか?
班のクラスメイトと話し合い
家から材料を持ってきて作ると言う授業がありました。
今考えると小一にレシピ無しでうどんを作れって凄い授業だよね。
まだ、家庭科なんて習っていない
料理の基本も分かってない子供になんという無茶振りな授業をするんだ?ちゃんとしたうどんが出来るとは到底思えない。
でもそれが面白いと言えば面白い!
どんな失敗作が出来てもクラスメイトと話し合いながら1つの物を作ることって中々体験できない楽しい授業でした。

そんな無茶振り授業で私の班は

「うどんはもちもちしているからお餅が入ってるんだ!」

という子供らしい事を考えてお餅を入れよう!と言う流れになり
私はお餅を持って来るお餅係になりました。


家に帰りその事を義父母に言うとふざけるなと怒られましたけど
学校で必要なものと言うことでイヤイヤながらも買ってきて持たせてくれました。

そして、うどん作りの日
持ちよった材料でみんなで考えたうどん作りをはじめました。
ですが、固いお餅をを生地にうまく練り込めず四苦八苦する我が班。
小さく刻んだりすり潰したりと色々やりましたが
カチカチお餅が生地に練り込めるわけもなく
無惨な状態になったお餅くん。
結局、これ無理!入れるの止めよう!と無駄になってしまっお餅くんでした。

家に無駄になったお餅くんを持ち帰ると
その余りにも無惨な餅を見て義父母は大激怒
今にして思えば怒ることなのか?
確かに食べ物を粗末にしたことは褒められた話ではないけども
そう言う授業だったのだから文句があるなら学校に言え。

激昂した義父母はついには
「餅を使うて話が嘘だったんだろ!?うどんの生地に餅なんて入れないもの」と言い出す

何故そうなるのか?
普通に考えて分かると思うけども
そんな嘘をつく意味がない。
子供が考えたことなのだ
大人が考えもしないことを思い付くのは当たり前なのだけど
この義父母にはそれが通用しない。

私は必死に嘘ではない!と伝えたけれども信じない義父母。
私が嘘を認めるまで責め立てるが
元々嘘などついていないので責められても認めようがないのに止まらない義父母。
やがて中々、嘘を認めない私に業を煮やした義父が

「だったら班の子供の家に行き聞くから行くから来い!」

と、私の腕をつかんで班の子供の家に向かい出した。
今にして思えばそのまま同級生の家に突撃させて
先方の親に非常識な親と白い目で見られ
あわよくば逆に先方の親に叱られ恥をかかせてやれば良かったな。と思うけども
当時は子供なのだからそんな考えには至らない。

その時の私はこんな興奮状態のプッツン親父をクラスメイトの家に突撃させたら
クラスメイトに迷惑をかけるだろし
何よりも恥ずかしくて恥ずかしくて
兎に角、突撃を止めたい一心で

「嘘でした!」

と、嘘をつくしか選択肢がありませんでした。

散々嘘だと激昂してたくせに、嘘をつかれて怒りが収まるのだからおかしな話しです。
思い込みの激しい人は自分が正しいと思った答え以外は認めらず嘘と決めつけてしまうのでしょうか?
もしも、あのまま突撃され相手が本当の事と証言してくれても信じず
相手の子供にも「こいつを庇って嘘をついている」と攻め立ててたかもしれない。
そう考えると、やはり止めて良かったのかも知れませんね。


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