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読書ログ:ルポ 誰が国語力を殺すのか(石井光太)



1.あらすじ(本の要約)


『ルポ 誰が国語力を殺すのか』は、現代日本における国語力(日本語の読解力や表現力)が低下しているという問題を探るジャーナリストのルポルタージュ。(ルポとは記者やジャーナリストが現地に赴いて取材し、その取材結果をもとに事実を報告する記事や報告書のことを指す。)

国語力が殺されていることに潜む問題とは・・・
教育制度の問題:教育現場では、知識の詰め込み教育や受験対策が重視され、国語力を本質的に高める教育が行われていない。特に、読解力や表現力を養うための時間が不足している。
家庭環境の影響:家庭での読書習慣の欠如や、親が子供に対して話し言葉を豊かに使わないことが、子供の国語力低下に繋がっている。さらに、デジタル機器の普及により、親子間のコミュニケーションが減少している。
メディアとテクノロジーの影響:テレビやインターネット、スマートフォンの普及により、子供たちは短い情報に慣れ、深い読解力や長文を読む力が育ちにくくなっている。また、SNSなどでの短文コミュニケーションが主流になり、言葉の使い方が単純化している。
社会全体の変化:グローバル化の進展や多様化する社会において、日本語以外の言語の重要性が増しており、国語教育が軽視される傾向にある。

この書籍は、日本の国語教育の現状に警鐘を鳴らし、国語力の重要性を再認識させるとともに、教育のあり方や家庭での言葉の使い方を見直す契機を提供しています。

  ※Chat GPTを使って要約しています。

2.重要だなと思った点まとめ

格差の影響ってとんでもない・・・

地域的な格差もあるし、経済的な格差もある。
「国語って数学などと違って、家庭環境次第では対して勉強しなくても優秀な成績を取ることが可能です。」という先生の言葉。
「文科省のエリートが底辺の人間が過ごしている家庭環境を具体的に想像できるはずがない」っていうのは、本当にその通りだと思う。

自分は、家庭環境はそこまでひどくなかったけれど、周囲の環境として比較的低層の社会にいた。
ヤンキーとかギャルとか、そういうのがカッコいいとされる文化にどっぷり浸かって勉強なんてしてこなかったから、国語力を持たないで育った人達の環境とか人間性は想像しやすい・・・。となると、余計にこのルポ読んでいて辛い。ごんぎつねの話も笑ってられない・・・。

こどもたちの国語力に家庭格差が大きく関係しているのは、納得。

国語力欠如による情緒力や想像力の欠如

最近、確かに「こうしたら、次はどうなる」っていう、想像ができない若者が多いように思う。
というか…最近でもないのかも。自分の弟も、そういえばそういうところがあった。
こどもの頃、私と喧嘩になると口では負けるから結局手を出してくるタイプだった弟。頭にあたったら危ないものとか、普通に投げてきてたな。
彼はフリーターで、何考えているか皆無。家族との会話はなし(というか、返答しない)で空気を扱っているかのように生きてる。
急に旧友全員のアドレスを携帯から削除したり、やることが極端で、理由を聞いても納得できる説明をしてきたことがなかったなぁ。

今は昔と比べて社会から求められることが大幅に増加した

英語力、プログラミング力 etc… 捨てることはせずに積み上げるばっかりの教育、どうなんだろう?って私も感じる。
アルファベット、ひらがな、カタカナ、漢字・・・だとぉ?言語だけでどんだけ覚えさせんねん。と思ってしまう。英語圏のヒトはそんなにやらないよね?韓国人はハングルと英語で良いだろうし、なんか捨てないと詰め込むだけじゃ限界があると思うなぁー。こども、かわいそうだよ。先生もかわいそう。

英語だけできても、国語力はてんでないケース

一流大学の入試が英語と面接だけのケースもある・・・って・・・
英語ってただの言語であって中身なんもないのに、なんでそんなに英語重視するかねぇ。
自分が英語学習者だから余計に思うけれど、語学なんて後から付けられるし、今や翻訳でかなりなんでもできる。問題は人間としての中身や知識なんだよなぁ・・・・・。
確かに、最近は英検1級に高校生でも受かるらしい。私が1級受けた時のWritingのテーマは民主主義についてだったけど…今の高校生ってそんなテーマについて深く持論を展開できるんだろうか。結局採点も中身ではなく、文法やら何からなんだろうけど。

日本、教育への公的支出少なすぎ!

OECDで最低レベルらしい。都会に住んで痛感するけど、私立に任せすぎで、その結果公立高に進学すると教育環境が良くないっていう危機感から多くの親が受験勉強させて私立受験させ、苦しい生活の中から切り詰めて年数百万も学費払ってるのが現実。
あほらしすぎる。公立の教育環境整えるとことから、格差是正ができるんじゃないのか!公的支出増やすべき。

SNSは本当に怖い

似たような思考、意見のポストしか見せてこないSNS。あまりにも危険。
Closedになりすぎていて、他社が干渉できないのも問題。
こどもがスマホやネットを使えるようになったら、どうやって管理していくかは頭を悩ませると思う。無自覚に危険な情報や感情をネガティブに誘導する言葉に出会う可能性が高すぎる。ネット社会を生きる今のこども達には、同情してしまう・・・。

打たれ強さ、鈍さがこれからは大事

SNSで誹謗中傷されても、平気な顔ができるような「鈍さ」がこれからはほんとに重要になるなと思う。
いじめの事件、国語力が乏しい生徒たちからターゲットにされる子。
国語力の乏しいもの同士の間で起こる事件もある。
かと思えば、大人や著名人でも誹謗中傷などが要因で自ら人生を終わらせる人もいると考えると、国語力だけが根底にあるとは言えないけれど、
でも、やっぱり鈍感力が大事だよなぁ・・・。

SNSによる自殺は米でも裁判になってマークザッカーバーグ謝罪してた。

要するに、件数とか分からないけれど日本だけの問題ではない。
確かに日本の場合は国語力とかゆとり教育とか詰め込み教育とか格差とか・・・
複合的に色々要因はあるんだろうけど、世の中自体が「時短」「効率」を求める社会になってしまって、なんでも分かりやすいのが一番!ってことで国語力なくても読める文章だったりを求めて、その結果世界的にも国語力は落ちていたりするんだろうか。

何をするにも、理由がある(不登校)

複雑で、求められることの多い世の中だからこそ、こども達の気持ちにちゃんと寄り添う努力を大人もしなくてはいけない。
決めつけるんじゃなく、ちゃんと聞く。自分の気持ちを言葉にできるこどもに育てたいなぁ。

現代は、余白が奪われ、閉塞感の溢れた社会だから不登校になったり予備軍になる子がめちゃくちゃ多いらしい。
みんな塾行くし、受験戦争もすごいし。
特に、低学歴の親ほど、こどもに期待するらしい。自分のようにならないでほしいっていう思いみたいだけど、そうやって自分の都合を子供に押し付けるようなことはしたくないなぁ・・・。
(まぁ、自分は20代後半からが人生!って感じで勉強も始めたものだから、幼少期にそんなにやらなくてもぉ・・・後で自分が苦労すれば何とかなるよ!☆とか平気でいいそう(笑))

3.感想など全般

国語力は確かに大事だと夫見ていると思う

私は国語は得意でも不得意でもなかった記憶だけれど、優秀なオットは理系だけれど国語とっても得意らしく、文章能力が高い。
やっぱりそうすると、理解ではあるものの人とコミュニケーション取りながら仕事を進めていくのが上手。すごいなーと思っている。

北海道の旭川女子高生殺害事件ニュースが頭をよぎった

これ、この事件を聞いて今回のルポが思い起こされた。
主犯格の女性の行った行為の数々と、それが重大な事件に繋がると想像できなかったのか?という驚き。
しかも、原因はSNSに未加工の写真を載せられたから・・・?幼稚すぎる。
被害者の子も、加害者の性格を少しでも知っていたなら、勝手に写真をあげたらブチ切れることは想像できたようにも思うんだけれど・・・。
何れにしても、ここまでするか?ということが起きてしまう怖さ。
こういうグループが身近にいたからこそ、今もそういうグループがいることははっきり分かるし、そこにせめて自分の身内は属さないでくれって思ってしまう。

恰好だけの習い事なんてやらせないようにしよう

流行ってるからと、中身のない習い事をやらせても意味ないなって思った。
塾も本人が楽しめるならだけど、楽しくないことやる必要ないよね。
大人になったら嫌でも好きには生きられなくなるんだから、決められたことだけやってそれ以外は好きなことして生きてほしいなぁー。

ただし、親として「きっかけ」は常に意識して与えてあげたい。
そして、「注意」も意識して与えていきたい。

家族の会話を大切に、こどもが思っていることを大切に、海外のように子供も一人の人間として対等にリスペクトして話ができるような家庭を築きたいなと思った。

4.最後に

しかし・・・・
ヘビーだったー。後半の具体的取り組みとかは読み飛ばしちゃったかな。
でも、最後のヘレン・ケラーの話は良かった。

最初の一語を発したときにからだを包んだ、驚きの震えと発見の喜びを忘れることはできない。愛のことば、取りの歌声、音楽も聞こえない沈黙の牢獄からそれらがとうとう抜け出したのだ。

ジーンときてしまった。私も英語が上手く伝わるようになってから、友達もできてすごくうれしかったもんなぁ。国語、そして言葉って偉大だ。

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