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【感想】春ゆきてレトロチカ【氷解】

やりました。ネタバレあり、いくわよ!!

まず実写なことに驚いた。推理ゲームということは分かって買ったはずだが、買ってからしばらく放置していたのでその他の情報をまるっと忘れていた。

推理ゲームだからメモを取ろう、と思ってノートを用意していたら、すべて映像で進むのでペンを持って構えていられたのでかなり良かった。ちなみにメモは自分で取らなくてもゲーム側がまとめてくれる章もあるし、システムから用語などは見れたので全然必須じゃなかった。けど映像だけ見てたら絶対ぼんやりしちゃうからダメだな…と思ってそのまま続行した。実際、かなり最初に取っていたメモを後から見返したら重要なことが既にお出しされてたり、見返せて良かった。最後に影響するところだったので。

そのため、推理パートでのみコントローラーを持つ。これかなり快適で…このフォーマットの推理ゲーム、永遠に出してほしい。どうやらゲーム性が薄いと言われていたりするみたいだが、ゲームにストーリーしか求めてないけどゲームがやりたいという狂った人間もいるし、普段ゲームやらない人にあれ以上の操作を求めるとクリア出来ないのも事実だろうなと思う。
確かに、有名なノベルアドベンチャーに比べたら分岐の意味もないし間違えれば即死エンド直行なのでゲームの意味は薄いのかもしれないが、これで分岐するようなエンディングを用意すると本筋がブレるだろうし、全然良かったのでは…と思った。何を見せたいのか、で言えば絶対ストーリーのはずなので。
小説は読むけどゲームはやらない、という人にも、ドラマパートは見てるだけでいいから、推理だけ操作しますというだけでハードルはかなり下がると思うし。その、メモを取るぞと思いつつ文章読む、メモ取る、ログ見るをしようとすると絶対プレイ時間が倍になるだろうし、この形式はかなりいいな…と思っていたので叩かれててびっくりした。
一生かまいたちやってな〜。

でもログがないのは普通に困りました。映像で進むということは、文章としてセリフなどがゲームに収録されてないのだろうか。今なんて言った?を確認するために一時停止、ログでいいのに巻き戻ししかないのは困った。それでまあいいか…で流してしまった場面が特に後半増えてしまった。

あといきなり探索、パズルゲーにするのやめてよ…そんなつもりで構えてないからまるで理解出来なくて攻略をみてしまいました。そこだけ。

推理パートも、脳内空間は特に難しくもなんともないけど、みんなに披露するシーンに移ってからは「どれを正とするか?」があやふやじゃない?と感じることが多くて自分で考えを固める前に解決パートに突入することがほとんどだった。あれは本当に考えたら分かる謎だったのか?言われたらそうかも…レベルじゃない?

というか、過去の文書と掲載された文、現在の事件も凶器を重視しないのが違和感すぎて……その場で目立つものだけにフィーチャーして事件を推理していくので大正時代の警察なにしてんねん!と思ったけどまともに警察が関わってないのだった。そういえば。
いや、凶器以外も違和感は色々あるんですけど…新本格だからと言われたらそうか…?という気もしてくる。いや、新本格でもちゃんと凶器は見るだろ。
その、凶器が明確でないというところが気になって選択肢選んだら間違いとされるの、じゃあ主人公はどうその疑問を無くしたのかも教えてくれよーーー!!!って感じでずっとモヤモヤした。血痕がほとんどないとかさ、人が簡単に死にすぎとか(これは大正あるあるかもしれませんが)(誰かがタバコの毒で死んだら横溝作品かい!てコントローラーを投げるところだった)(まあ、死の簡単さは横溝作品に近い気がするが…)、生死観がお粗末なキャラがおって気になるとか…。
確かにその仮説は立っていたけれど、それを正にする根拠はどれなんですか〜〜〜!?!?!?っていうのが致命的に相性悪い章あって、あ、そうですか…と思った。
いや、不老とかいうミステリレギュレーション違反を用いている以上、緻密な捜査など不要という考えなのかもしれんけどよ。ならそう明言してくれや〜とは思った。

ここまでシステムの話、ここから人物の話。

人の顔が覚えられないので男性陣はまだしも女性は後で調べてこの人(がこのキャスト)だったの!?が多発したんやけど、その中で佐野岳だけめっちゃ分かったの面白かった。出てきてすぐ え?鎧武の神様? なった。出番多くて良かったし、全部キャラクター性が違うのに演じきってて流石神様やね…と思った。今後何に出てきても神様だ、と思うんだろうな。失礼だね。

あかりさんが明らかに重要人物の扱いで、セリフもないのにこのカット必要か?みたいな場面の多さがすごかったし、まあでも極めつけは白骨死体の死因を知ってたことがめっちゃ怪しかったな…と思ったところ。
1、家長の意向で警察に知らせてないのに外部に漏れた、内通者がいる
2、はるかと四十間を結びつけたのはあかり(あかりと四十間はどういう繋がり?)
という点が気になってたのもある。これに
3、白骨死体の死因はどこ情報?
これがきて
4、ストラップを落とした
これで、一章終了時で佳乃か?と疑っていた。佳乃の根付がやたら強調されていたので…でも後の鏡のやつは分からんて。
佳乃じゃないにしろ、不老の人だなとは思えた。

というか、勝手に不老不死だと思っていたので、如水(とされている探偵)は生き返って推理を披露すると思っていたので死ぬのか…と思った。

白骨死体、刺されて死んだ人が元永と永山だったのでお父様!?と思ったらあっさり永山って明かされてなんやねんと思った。そこは引っ張らんのかい。まあお父様は普通に弔っただろうしな。

不老の人が捕まっても懲役を経て出てきてるとかもあるかと思ったけど、そんなことなかったな。全然あってもおかしくないと思うけど。
あと主人公以外がグルで謀られている可能性も常に考えてたけどそんなことはなかった。
6章終わりくらいに、このゲーム色々やったけど男女入れ替わりトリックだけしてないな…と思ったら最後あれだったのでめっちゃ気持ち良かった。今までのミステリ読んだ経験のメタ推理だけで楽しんでいる。最悪のユーザー。

赤椿、出現時期が全く整理出来てなくて別人だろ!!!!!って叫んじゃった。1人である必要あったか?普通に家に恨みがある一族が意思を継いで続けてるでも通っただろ。
ていうか、2章で玄関に置かれていたとされる椿が新鮮なものって言うのが矛盾しないか?探偵が持ってた、赤椿が渡したにしろ、近くにはないなら摘んでそれなりの時間は経ってるだろ。その辺の時間経過が曖昧ででもそこは曖昧でいいんです!みたいなこのゲームのルールが分からないよ〜のところは結構あったな…と思う。
永山が持ってたのも赤椿が渡したなら、いつ渡したのか、それはどのくらい時間が経ってたものなのか確認しろ!になった。
永山が赤椿を庇った(かばったのか?直情的に喧嘩を買ったのか?永山の視点では椿って何!?くらいのもんじゃないか)のは情なのか、将来的に被験者にするつもりの女を逃したくなかったのか。その辺はなんだろうな。

ていうか、不老に対してネガティブすぎんか?社会の輪から離れても生きていけるなら不老でもなんでも良くない?と思ったが衣食住切り離せない(寒くても食べれなくても死ぬ)ならその不老は辛いかもなあ〜という気もする。
あと気が狂って人柱は死にたがるって言うけど、赤椿自身は被験者生活を結局してないんじゃないの。閉じ込められて切り刻まれるとかはしてないわけでしょ。あの地下牢で見た被験者たち(あれ試験者として育てたわけではないから読み書きできるのだろうか、大正以前にわざわざ読み書きを覚えさせてる人が被験者になるって相当家に不利益を働いてないとそうならんくない?)の手記的にずっとあそこにいるっぽいですもんね。
永山も結局はそう出来なかった、人柱の慣習はあそこで断たれてたということではないのか。
その上であんな甘えた理由で人殺して、弔っていたというのは許されていいことではないと思うけどな。赤椿独白シーンで主人公が感じた「止めてほしかった」というのは、犯罪者の一番の甘えだろと思っているから。自分で止まる自制心も自分を止める厳しさも持ち合わせてない、カス。

不老になって1人殺してタガが外れたのはそうなんだろうが、全然さあ、時間はあるんだから考え方を変えれば良かったし変わろうとしなかったのがあなたの罪だろと思う。
けど1人の人間しか愛せない恋愛脳だったから、こうなってしまったのでしょうかね。なんつー確率でどないな顛末になっとるねんだわ。
殺すことと弔うことがあなたの中では矛盾してなかったんですね。←そうですかすぎる。だからって許すとはならんだろ。

それまではフーンって見てたけど最後の再会シーンは流石に胸が熱くなった。
あれ結局あの親子は半年ほど?一年未満?は一緒に暮らせたってことですよね!?賢木の家が焼かれたのがいつだったか忘れたけどいつ四十間の家に引き取られて?でもあまり母の記憶がないとは言ってたから、それなりに幼い頃だったんだろうな。それで両親とも見かけの年齢が止まっていれば(お父様の見た目全然変わらんな〜って思わんかったんだろうか?)(というか、不老になった歳で生殖機能がずっと保てるなら普通にすごい。最強じゃん)再会しても気付けんかなあ。
そう、大正の時代に男の人が鍋を振る舞うか?しかも人の親の得意料理を…と思ったのであれは違和感でしたけど母と生き別れって情報見落としてたな〜メモは取ってたのに。
全てを奪われたと言ってたけど子の成長は少し見守れて夢の後押しも出来たのは、良かったなあと思った。
でも危険なことに自ら飛び込んで行くのはハラハラするよな…そら来るなってなる。
監禁されてるのにめっちゃすぐ脱出出来るの笑う。意味なさすぎて。
君のお父上に話がある、がずっと気になってたからそんな…そんな〜〜〜!!!!!になった。そんなのって…そんなのってないですよ。そんなことしていいんだ。
あそこで一番泣いちゃった。

ていうか不老の人たち、戸籍はどうしてたん?戦後の混乱期はいいと思うけどそれで違和感の出る歳になったらどうしてたんやろ。ゲーム脳なので裏社会との繋がりがないと戸籍を作るとか出来んくない?と思ったが、それが出来たとするなら、そっちの人との繋がりの中で赤椿は別の生きがいを見つけれた可能性もあるし、そうならなかっただけなのかもしれないが…。それかもう人を愛すると失って辛いから近寄りすぎないようにしてたかなのだろうが…。

春日弥生←春すぎる三月すぎる。偽名と言われたら偽名だな。弥生さん、春は過ぎましたか……。
多分、クリア後に「ああ、雪が解けたな」と思ったのは弥生さんに引っ張られてるなと思う。舞台は夏以外の全てあったはずで現代なんか春なのに、何故か雪解けを連想する読後感だった。弥生さんの目的って二つとも果たせてるはずなので、姿を消してしまったとしても希望を感じるんだよな。
不死ゆえの絶望と希望が詰まってて良かった。

このゲームに対しての感想はこんなとこなんだけど、マジでこのフォーマットのゲーム量産されてほしい。映画でいいじゃんと言われたらそうなんだけど、映画ではここまで必死に見ないじゃんでもあるので。
トップ画像は一番評価の悪かった章なのだが(自分で自分を殺す発想がまるでなかった)エンド分岐がもうちょっとあったら回収しがいもあるのになと思うところではあった。この量だから土日で一気にクリア出来たけど、選択肢外したら即死、やり直しは推理の画面からはちょっとだるい。分岐しないならせめて選択肢からやりなおさせてくれ。
スクエニさん、次回作待ってます。

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