KAZAANAには、本に書いてない世界があった──「他のだれでもなく、私が、どう思うのか」を問い、日々生きる
「最初は、自分にできるのかなって、不安でした。」
ふと、そう伝えてくれたのは、意外だった。
今回インタビュアーは、KAZAANAプロジェクト(*1)に参加してくれたレベッカ(仮名)。
彼女は、いつも積極的にプロジェクトに取り組みながら、自分の夢に向かって行動し続けている。そして、周りの人までつい元気にしちゃうような、力強く、しなやかな言葉と姿勢を持っている人だ。
そんな彼女が、KAZAANAプロジェクトに出会って、どのような変化があったのか。そして今、何を考えているのか。
将来への不安や今の葛藤なども含め、等身大の話を、聞かせてもらった。
「Choose Your Life Story」では、ハッシャダイソーシャルに出会って、一歩踏み出した若者たちの、リアルな声をお届けします。
(*1)「KAZAANAプロジェクト」は、株式会社MIYACO、京都市、児童養護施設長会と共同で実施しているキャリアプロジェクトです。
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順調だったイギリスへの道と、突然の行き止まり
私は、小さいころから「だれかに、貢献したい」という夢を持っています。それは、17歳になった今も、変わっていません。
「レベッカは、優しいね」周りの人たちから、そう言ってもらえます。そんな自分の特徴を活かして、将来、仕事をしてたいなって、思っています。
そして、もう一つ。私には、ずっと諦めたくない夢があります。それは、「英語を使って、仕事をする!」ということです。
10年前。私が、小学校に通っていた頃のこと。東南アジアに、すごく興味がありました。
今にもおいしい香りが漂ってきそうな、食べ物。
繊細な刺繍のついた、鮮やかなお洋服。
東南アジアの魅力がいっぱい詰まった写真を、本で見かけました。そんなことをきっかけに、海外に、広い外の世界に、興味を持ちました。
でも、調べてるうちに、海外にも良い面だけじゃなくて、色んな課題があることを知りました。私はいま、日本で平和に暮らしている。でも、世界中には、この一分一秒、困っている人がいる。
今の私の目には見えない。
でも、知ってしまった海外のことは、もう他人事にできませんでした。
それもあって、小さい頃から英語の勉強も、より一層、楽しむことができました。私が英語を話す時は、ジェスチャーも多くなり、表情筋をよく使ので、笑顔で、明るく話すことができます。英語を話していると、その自分も、もっと好きになれます。
そんな私は、高校2年生になったら、イギリスに留学をする予定でした。一歩ずつ、夢に近づいていっている。そう思ってた矢先に、コロナウイルスが日本にやってきました。思い描いていた留学も、断念せざるを得なくなりました。
急に、先が見えなくなった高校生活。自分のことを考える時間が増える中で、「英語を使って仕事をすることをゴールにして、大丈夫なのかな。」とか。「やっぱり、不安定な仕事だから、将来が危ないんじゃないかな。」とか。そんな、私のこれからに対する不安は、日々、増していきました。
偶然の出会いを、信じるようになるまで
不安が増していた時に、施設の先生に「参加してみなよ!」と教えてもらったのが、このKAZAANAプロジェクトでした。オンラインでの長期プログラムを紹介してもらったのは、今回が、初めてでした。だから、最初は「私に、できるのかな」なんて、思っていました。
そんな中、HASSYADAI socialの代表理事の勝山さんと出会いました。先生からは「会社の代表をやってる人」って聞いてたから、「すごい人が来るんだな」って。内心、ドキドキしていました。
勝山さんは、私たちに、ご自身の人生の話をしてくださいました。
「偶然の出会いが、自分の人生を変えてきた。」
たまたま19歳でお嫁さんのお兄さんと出会って、そこから、営業に出会って....と色んな偶然の出会いを、一つひとつ大事にしてきた勝山さん。
大変な思いをしながらも、今を楽しそうに生きている勝山さんの話を聞いていると、私も、「この出会いが、自分の未来につながるかもしれない」と、感じました。
チャンスを待っても、来ない。
「よし、やろう!」と思えた瞬間でした。
そして、その春。私の高校2年生と、KAZAANAプロジェクトは、一緒に始まりました。
夢は、夢で終わらない
毎月、どこかの休日に開催されるKAZAANAプロジェクト。気がつけば、KAZAANAプロジェクトがある日が、待ち遠しくなっていました。
その中でも特に、海外に行ったことのある大人の話を聞く時間が、すごくワクワクしました。今まで本やニュースで見てきた世界の話を、直接、経験してきた人から聞ける機会が、初めてだったから。
今までは、世界中の国についても、「いいな〜」とか「いつか、行きたい!」って感じでした。
でも、自分が訪れた国の写真を見せてくれる方。スペインを徒歩で歩いたり、ニューヨークをヒッチハイクをした方。旅をしながら、扇子に漢字を書いて、お金を稼いだ方.....。
KAZAANAプロジェクトを通して出会う大人は、17年間生きてきた中で、はじめて出会うような生き方をしている方ばかりでした。
自然と「もし今、私が、この状況だったら、どうするんだろう」って、考えるようになりました。「いいな」と夢が夢で終わらずに、少しずつ、わたしの現実に近づく感じがして、嬉しかったです。
終わるのが寂しかった、あたたかい場所
気づいたら、あっという間に、半年のプロジェクトは、終わりを迎えかけていました。正直、すごく終わるのが寂しかったです。
KAZAANAのみなさんの、明るくて、どんな小さなことでも応援してくれる、あたたかい雰囲気が、だいすきでした。いつも、真剣にアドバイスをしてくださったし、他愛のない話も、沢山、たくさんしました。そんなみなさんと顔を合わせるうちに、私もどんどん自分の気になることを、質問できるようになりました。
最終日。込み上げてくる寂しさを我慢して、私はこう言いました。
「色んな人生のお話を聞いた中で、私はどう思うのか。」そうやって自分の人生と照らし合わせながら、将来のことを、じっくり、ゆっくりと考えることができて、良かった。
KAZAANAプロジェクトでの機会を無駄にすることなく、学んできた知識を、必ずアウトプットしたいです。
KAZAANAでのメモを、お守りに
私は、次の4月から、高校3年生になります。
正直、まだ行きたい大学が見つかっていません。でも「大学に行かなきゃいけない」とどこかで思う自分や周りの声。そんな中で、葛藤の日々を送っています。
そんな時、KAZAANAで過ごした時のメモを、よく見返しています。「そういえば、この人、こういうこと言ってたな」とか。「いま、将来のために、何かできないかな」とか。
ここで考えたこと、KAZAANAでみなさんからいただいた言葉は、私のお守りになっています。そして、「また頑張ろう」って思い直して、「大学で何を勉強したいか」を調べています。
勝山さんから、今年も、「KAZAANAプロジェクトを開催するよ」というお話を聞いて、もう今から、すごく、すごく楽しみです。今年は、受験生で悩むことも増えると思うけど、KAZAANAと共に、頑張りたいです。
<取材・文=ハッシャダイソーシャル広報PR・木村りさ>
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