欧州最先端の実験思考 Bordersessions 2019に参加して
先週末の10/5-6、虎ノ門で行われたBorder Sessions というイベントに参加。
<日本開催のサイト>
https://www.bordersessions.jp/?fbclid=IwAR1dYsbaTHJRath985ndnHz-_lkgmCfxhGwHzDSlYX8j3P2oQRhrJs7aD-g
<こちらはオランダ開催のショートビデオ>
「オランダ発」「日本初上陸」というフレーズにミーハー極まりない僕はやられ、即エントリー。内容に関しての事前に深い理解はなく参加。
かなり尖った、そして日本初という運営的な軽いカオスを感じながら楽しい2日間を過ごせた。
短く言えば、より良い未来を創り出すことに向けて、様々な分野、医療、アート、AI、家業継承、デザイン、リサイクル、アマゾン、野生動物とロボット、etc、から未来を自ら描きそこに向けた実験を早速しようというもの。2日目の"サミット" では具体的な未来に向けて社会実装への一歩を踏み出すセッションになっている。
傍観者でいることは許されない。秩序的なことへの抵抗すら感じる場。
初日(Future )は16組の各分野のスピーカーが、自らの取り組みを20分のプレゼンテーションで語る。
野生のリスに危険を知らせるAIロボット
これ、僕のお気に入り。イアン・イングラム(Ian Ingram)のプレゼンテーションはとてもユニークだった。
https://www.bordersessions.jp/speaker/ianingram/
同時通訳で聴いていたので正しくない解釈があるかもしれないが、彼の実験トピックの一つをあげると
「野生のリスに敵からの危険を知らせるAIロボットの開発」
リスの尻尾を模倣したフサフサがついたAIロボットが、センサーで敵(犬とか)が来たのを察知して、リスが危険を仲間に知らせるときに行う動作を行う。
それを見た野生のリス、
「おーい、危ないぞ!」という感じで尻尾を立てて揺らし、仲間に危険を伝える。
より良い未来にどう繋がるのか、ちょっとやそっとじゃわからない。でも考えもつかない発想のサイドエフェクトが何か世界を変えるのかもしれない。
エンターテイメントの活用
数名のスピーカーが描きたい未来に関しての話す中で共通している点がある。それは本来関わっている分野を発展させるためにエンターテイメントの力を活用しようとする試み。
株式会社RDS 代表取締役社長 杉原 行里さんの話を聴いて様々な考え方のシフトが起きた。モータースポーツ、医療・福祉、最先端ロボットの開発など、多数の製品開発で実績を持った会社。車椅子は障害者のためのもの、みたいなイメージを知らぬ間に持っていたが、これからの高齢化時代、普通の人たちも活用したくなる未来型モビリティを表現している。リンクにある動画などはかなり斬新。ちなみにこの未来型モビリティは今後原付扱いになるように動いているとも言っていた。
普通の人たちも乗りたくなるような、未来型モビリティをの理想に向けて事業を行なっている。人は年をとれば機能が落ちていく現実があるが、こう言った角度で自身の能力拡張があるのであれば面白いかもしれない。
一人一人の姿勢を問う
このカンファレンス、本当に自分次第。サイトにはこう書いてある。
<参加する過程で求められる、身につけざるを得ない態度>
•不確実性の高いものにポジティブな姿勢
•役割が与えられていない状況で役割を見つけていくこと
•まだ、見えていない真実に対するリアリティを感じる視座
•本当の意味でのスモールスタートをやる胆力
このカンファレンスに限らない、これからの不確実時代を生きていくためのあり方だと思う。
さっきのAIロボットとリスの話をどう聞くかどうかもあなた次第。
バックキャスティング
このカンファレンスで未来を考えるとき、バックキャスティング(Backcasting)な思考が大事。今の状況に左右されるのではなく、創り出したい未来を明確にしてそこから現在を考える。今の当たり前や常識を一旦脇に置くことが必要。
ちなみにこの対義語フォアキャスティング(Forecasting)は現状の状況が基準。未来に向けて現状をどのように改善していくのか?そういった傾向がある。
これ同じ未来志向といっても大きな違いが現れる。どっちが正しいと言いたいわけではないが、どう未来を描いているのか、意識的である必要はある。
未来に選択肢があること
様々な最先端のテック、バイオ、アート、デザインなどを見る中で、様々な気持ちが自分の中で起きた。
イスラエルのベンチャーが取り組む培養肉の話を聞いた時、体への影響、倫理的にどうなのだろうと思った。
AIを活用して、健康を維持したり、これ以上便利になることを本当に望んでいるのだろうかと違和感を感じた。
ただ、こういう選択肢があることを知ったり、体験でいることはありがたい。
選べる自由がある。
2020年はオランダ ハーグ開催予定
ヨーロッパ的でもあり、オランダ的(?)なのかもしれないが、常に問いとし「それはサステナブルなのか?」ということが文脈としてあった。最先端とサステナブルな組み合わせが面白かった。
日本で成熟したものをアジアやアフリカに展開しようということと対照的で、この数年ヨーロッパに行きたいと思う理由の一つだと気づいたのも個人的な発見。
主催者のゲリット・ヤン・ヴァン・ト・ヴィーンさんに聞いたところ次回は来年の秋くらいにオランダ(おそらくハーグ)での開催を検討しているとのこと。僕はぜひ行こうと思ってます、もしかすると今回の参加者でツアーも組まれるかもしれません。興味のある方は色々話もできますので気軽に話しましょう。
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