なに作ろかね。 その1
こんにちは。Hasnicca ナカヒラです。
Hasniccaでは主に、プロダクトデザイン、モデリング、レンダリング、プロトタイプ製作等を担当しています。
「なに作ろかね。」ということで、その1です。
続編制作決定!公開時期未定!
今回は3Dプリンターを活用したものづくりのお話。
今やプロダクトデザインに欠かせないのが、3Dプリンター。
廉価で高品質なものも多数あり、かなり身近な存在になってきているのではないでしょうか。
Hasniccaでもprusa miniを日々のデザイン業務に活用しています。
モデリングしたものが数時間後にはオブジェクトとして現れ、形や持ちやすさを検証できる。
すごいですよね。びっくりです。
3Dプリンターを使い始めた当初、とりあえず何かを出力したい欲望に駆られた僕は「簡単にモデリングできて、出力時間がかからず、出力後使えるもの」はなんだろうかと悩みました。
もうお気づきかと思いますが、そんなもの限られますよね。
そうです「シャーレ」です。
理科器具に対してワクワク感を抱くのは世界共通だと思いますが、僕は中でも特にシャーレが好きです。
ものを入れる、蓋をする、そしてなんかかわいい。十分ですね。
というわけで、まずはシャーレをモデリング。
理科器具メーカーのHPでサイズ、断面形状を確認し、モデリングを行います。シンプルな回転形状なので、あっという間に完成です。
そして出力。
マイシャーレの完成です。
かわいいですね。
作りたいものが、すぐ形になる。
これが3Dプリンターのすごいところです。
ただ、「このままだと3Dプリンターで出しました、ってだけだなぁ。もうちょっとなんかしたいなぁ」と思いますよね。
Hasniccaでは革を使ったプロダクトの企画、デザインも行なっています。
(近々発表予定です)
革のプロダクトのことを考えているときに思いつきました。
革でシャーレ作ろう。
つまり、革を型押しで成形してシャーレにしよう。ということです。
本来、革を型で成形する場合、木型等を用いることが多いのではないかと思います。
(実際に木型を用いて革の型押しをしたことがないので推測ですが)
その型を3Dプリンターで出力して革を成形できないか、と思ったわけです。
シャーレ本体のモデリングデータはあるので、型のモデリングも簡単です。Amazonで購入した革の厚さを基準に型のデータを製作。
データを製作して、型を出力している間にAmazonから革が届きます。
(すごいね)
出力した型に、水に浸して柔らかくした革を挟み込んでクランプで固定。
革が乾くまで放置して(丸1日ほど)、型に沿って革用のカッターで不要な部分を取り除きます。
受けと蓋、それぞれを型で成形して、完成。
(製作途中の写真が全然ないのがダメですよね)
(乾燥後、革用の硬化剤を塗っています)
革のシャーレ、良いですね。
(すごく使いやすい!みたいなものではないのですが)
3Dプリンターで出力したものを完成品とするのではなく、出力したものを道具として使う、という試みでした。
実際に出力品を型として使って分かった課題は「出力品の強度」です。
クランプで締め付けた際、型の強度が足りなかったのか、型が凹んでいます。
この凹みが、革の表面の凹凸に影響しているので要改善事項ですね。
インフィル密度を上げるのか、締め付けの方法を変えるのか、、、
とはいえ、とりあえず革のシャーレができたのでヨシ。
革の型押しで何かを作りたい、かつ、3Dプリンターを持ってる、そんな人の参考になれば良いなぁ。という記事でした。
(果たしてそんな人はいるのだろうか)
革のシャーレにはどこに仕舞えばいいのか分からないものを入れています。プリンターのノズルの替え部品とか、ねじとか。
次は何作ろかね。
では。
ーおまけー
写真を撮るのも好きなので、最近の一枚。
「髭を剃る祖父」