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金鯱賞 2022 回顧
【レース展開】
S(スロー)後半型 SP持続・瞬発型 59.3-57.9
緩めの流れからのSP持続力勝負の展開で、4角から直線半ばで鋭く加速を問われた形。前半が59.3秒の流れだがこれでもバランス的にはスローで、後半が57.9秒とこれもかなり速い。かなりレベルの高いSP持続力を問われる形になったと見ていい。
ジャックドール 1着
【出し切る形・得意の後半SP持続力勝負・4角~直線で再加速・後続寄せ付けず・レコード勝ち・完勝】
【好発】【主導権握る】【4角で動く】【直線序盤~半ばで鋭く伸びる】【最後1F押し切る】【時計面優秀・レコード】【完勝】
好発から比較的スンナリとハナを取り切る形だが、1角でシフルマン(13着)に絡まれる感じになってペースを上げる感じ。2角から向こう正面で単独先頭を保って11秒台後半のラップを刻む流れを演出。4角手前からペースを上げて直線序盤から半ばで脚を使って後続を一気に突き放し、最後の1Fも勢いそのままに押し切ってゴール。結局後続に2馬身半の差をつける完勝だった。
前半が59.3秒という流れにも拘らずバランス的に見るとこれでも緩い流れに。そのペースを作りながらも4角から直線半ばで加速を見せるなど、全くと言っていいほど他馬につけ入る隙を与えなかったのは凄い。高い次元のSP持続力を見せつつも4角から直線で11.0秒の脚も使えているし他の馬には太刀打ちできないレース内容だったと思う。
この感じだと下手にペースを緩めて加速勝負となるよりも、ある程度ペースを引き上げて後続の脚を削ぐ展開がベストの形だろうか。1000mを59秒台前半で走っても直線で11.0秒の加速を使える訳で、最後の1Fの甘さもこのレベルまで来るとそこまで心配する材料でもないだろう。大阪杯や宝塚記念が最大目標と思われるが、後は牡馬のG1馬相手との力関係をどう見るかだろう。
レイパパレ 2着
【出し切る形・得意の後半SP持続力勝負・直線で加速見せる・勝ち馬とは位置取りの差・完敗の様相も】
【好位追走】【4角で外から動く】【直線序盤で伸びる】【最後1Fしぶとく伸びるも】【完敗】
発馬五分から好位の外目を確保。道中は好位外目で折り合って流れに乗り、4角で外からジワッと進出しつつ直線へ。直線序盤から半ばで加速が効いて伸びて来るが、同様に加速を見せた勝ち馬との差は詰まらず。最後の1Fもしぶとく伸び続けたが勝ち馬の影も踏めずに結局は2馬身半差の2着まで。
自ら作った流れでは無いが自身が得意とする形のレース。それでも勝ち馬(ジャックドール)には全く詰め寄れずで、形としてはまさしく完敗の様相。ただ道中の位置取りの差とゴール前の着差がほぼ同じで、直線の加速などを含めてもここで示した内容はほとんど勝ち馬と同じと言っていいだろう。現に3着以下には1馬身1/4の差をつけているし、勝ち馬の強さを素直に認めるしかないような感じだと思う。逆転があるとすれば平均以上の流れ、もしくは時計を要する馬場でパワー型とスピードの両面を問われる形になった場合だろう。
アカイイト 3着
【出し切る形・出負けせず中団からの競馬・終始内を回るも・直線序盤で立て直すロス・持続力の高さ見せる・出負けせず中団からの競馬・完敗】
【中団待機・内】【3角内から動く】【3~4角内通す】【直線序盤で前が壁】【最後1Fしぶとく伸びるも】【完敗】
発馬五分から中団のインを追走。3角手前で内からジワッと動き出して位置取りを上げ、3~4角も内々を回って好位集団との差を詰め始めて4角で本格的に動いて直線へ。直線序盤で前が壁になり直ぐに外に出したものの、立て直すロスの感に上位2頭が加速を効かせて抜け出してしまう。立て直された直線半ばからはグイっと加速して差を詰めて最後の1Fもしぶとく伸びたが勝ち馬には遠く及ばず、2着のレイパパレにも届かずの3着まで。
終始内々を回る形ながらも3角手前から動き出していくなど積極的な競馬を展開したが、直線序盤で前が壁になるロスは大きかったと思う。ここをスムーズに抜けても元来の加速力の差でどこまで迫れたかは微妙かもしれないが、見た目には直線序盤での立て直しのロスが…と言いたくなる内容だろう。まぁSP持続力勝負の中でそれなりの立ち回りと後半要素を見せて来たし、4着以下の馬には1馬身1/4の差をつけておりG1馬の片鱗は見せることが出来たと思う。
ポタジェ 4着
【出し切る形?・後半勝負に徹する競馬・直線序盤ジリ伸び・最後1Fバテ差し・上位馬に完敗】
【後方待機】【4角で外から動く】【直線序盤で大外】【直線ジリ伸び】【最後1Fバテ差し】【G前接戦・4着】
発馬五分も行き脚も付かず後方からの競馬。道中は後方で貯めるような感じから4角で外に出してジワッと進出の構え。4角から直線入口で外を回して直線序盤で大外に持ち出して追い出しを開始。直線の伸びはジリジリだが、最後の1Fで内の先行馬が揃って脚色が鈍った所をバテ差しのような形で差し込んで4着を確保。
意図したものかどうか分からないが後半勝負に徹する形。しかし上位争いには絡めずで最後はバテ差しの様な格好でようやく4着を確保。他馬と違う形の競馬をしているので評価は難しい所だが、勝ち馬から0.8秒差、2着馬からは0.4秒差なので完敗だから大した評価にはならないと思う。まあ貯める競馬で後半の脚を引き出したのは事実だろうが、エンジンの掛かりの遅さもあって末脚を生かし切る形にはなっていないのがネック。
ギベオン 5着
【出し切る形・終始内を回る・後半の加速力で見劣り・現状では精一杯の内容?・完敗】
【好位追走・内】【3~4角内通す】【4角で動く】【直線ジリ伸び】【最後1Fしぶとく伸びるも】【G前後続に差される・5着】
発馬五分から押して先行策。勝ち馬(ジャックドール)の直後につけて好位を追走。道中は勝ち馬を見るようにスムーズに追走し、3~4角も内を回して4角でジワッと進出を開始。直線は半ばで勝ち馬に突き放される格好になるも、内でしぶとく伸びを見せ最後の1F地点でも何とか3番手に留まっていたが、残り100mで3着馬(アカイイト)にゴール前で4着馬(ポタジェ)に交わされて5着まで。
これでも内々を上手く立ち回っての形だし、直線は上位の馬の加速力に全く抗えなかったという印象。もう少し流れる展開や馬場が渋って持続力勝負の形になれば少し上を望めたかもしれないが、この流れで後半のSP持続力まで問われる展開であり、現状での力関係ではこれが精一杯という感じの5着だろう。