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葵S 2023 回顧

【レース展開】

M(ミドル)平均型 SP持続型 33.9-33.2
12.4-10.8-10.7-10.8-10.9-11.5

平均ペースのSP持続力勝負。平均ペースではあるが道中は終始10秒台のラップを刻む流れで、最後1Fでも11.5秒でそう大きく落としていない。比較的純粋なSP持続力勝負になったと見ていい。

モズメイメイ 1着

【決め手】好発から主導権握る・SP持続力の高さで押し切る

物凄い好発から簡単に主導権を握る形。後続も絡む事も無く楽な形の逃げを打って、道中は10秒台のラップを連発する流れを演出。4角まで持ったままで回って来て後続を引き付ける形から、直線で再加速を引き出して後続を突き放す形。苦しくなる最後の1Fもしぶとく伸びきって後続に半馬身の差をつけての逃げ切り勝ち。

まぁとんでもない好発から楽に自分の形に持ち込んだのが大きいが、それでも道中は10秒台のラップ連発の中で直線を再加速を引き出して尚且つ最後まで失速することなく逃げ切る内容。当然SP持続力の高さを示した内容であるし、初の1200m戦とは思えない好内容を示した。牝馬とは言え別定戦で55キロを背負っての内容だし、時計面でも大きく進境を示した意味は大きい。距離短縮でスピード面でヒケをとる感じを見せなかったので今後1200~1400mでの活躍が見込めると思う。
【レース後関係者コメント】
(武豊騎手)

「スタートの速い馬ですけど、タイミングが合いすぎてしまって。速かったですね。逃げるつもりはなかったんですけどね。出たので。後ろも来てましたが前半のアドバンテージが利きましたね。もともと初めて乗った時から、先々はスプリント路線かな、と話をしていたのでやっぱりこれくらいの距離の方が良さが生きますね。今日も結果が出て良かったですね。いよいよダービーなので、またインタビューさせてもらえるように頑張りたいですね」

(音無秀孝調教師)
「フライングだね(笑い)。桜花賞も速かったけど、もっと速かったですね」

ルガル 2着

【決め手】終始内々を立ち回る競馬・直線の反応と加速で見劣り?

出負け気味もリカバーが効く感じで中団内目からの競馬。道中は終始中団内目で流れに乗って、3~4角もそのまま内を回して来るも4角で前が詰まる感じで控える形に。直線入口から再度動き出していくも明確な進路を得にくい状況だったが、半ばで最内に進路を取ってそこから抜け出してくる感じ。ただ仕掛けられてからの反応と加速に目立ったものが無いが、最後の1Fでしぶとく伸びきる形。ゴール前で少し脚色が鈍った3着馬(ビッグシーザー)を捉えたものの、逃げる勝ち馬(モズメイメイ)は捉えきれずで0.1秒差の2着まで。

出負けなどもあったが終始内々で立ち回る形から、直線も内目をしぶとく伸びきる形。4角から直線序盤までで明確な進路を得にくいという状況ではあったが、そこまで致命的なものでは無かったし、イザ追い出してからの反応と加速も勝ち馬には見劣る感じだった。ただ初の芝1200mで時計面でも進境を見せて来たものの本質的に1200m短い可能性はあるし、もっと流れる展開になって前半のスピード勝負になった方が良かったのかもしれない。後半要素に関しては一定の内容を示したものの、反応と加速面を見るとそこまで後半型の競馬が合っている感じは見受けられなかった。今後もう少し前半のスピード要素で勝負した方が良いのかもしれない。

【レース後関係者コメント】
(団野大成騎手)

「この枠は良いなと思っていました。コース替わりで内が残っている競馬が多かったので、内枠を活かす競馬をしようと思っていました。ゲートを出て一歩目で脚を滑らせてしまいあの位置からになりました。まともなら勝った馬の後ろを取れていたと思います。ゲートさえ上手く出ていれば…と思います。まだ、体が緩いところがあるので、さらに良くなってきそうです」

ビッグシーザー 3着

【決め手】終始好位内でスムーズな競馬・高速持続ラップで見劣る?

まずまずの好発も押して前に行く形で好位の内目を確保。道中は終始好位内目を立ち回って、4角手前から前を捉まにジワッと動い直線入口で仕掛けて直線へ、直線は序盤で内目から一瞬伸び掛けたが半ばでは勝ち馬に突き放されるような感じ。それでも最後の1Fでしぶとく伸びてジリっと差を詰めたが、思ったほど伸びきれずという感じ。ゴール前では若干甘くなったところを最内から2着馬(ルガル)に差されて3着でゴール。

内々を立ち回る形の競馬だったが、意外と伸びきれなかったような印象。序盤で前に行くために少し脚を使った感はあるものの、それが後半の脚に影響したとは考えられ難く、現状では単純に終始10秒台連発の高速ラップの追走でスピード面で少し苦しくなった可能性はある。この感じだと1200mでは思った以上に後半要素を問われて良さが出るタイプではないかもしれない。もう少し標準的な馬場か、前後半のバランスを問われる流れの中での総合力勝負が合っているかも。

【レース後関係者コメント】
(幸英明騎手)

「勝った馬は強かったです。勝ち馬をマークしながら行き、直線を向いたときは捉えられるかと思いましたが、思った以上に勝った馬が強かったです。良い状態で出走出来ましたが、使ってから良くなるタイプです。これからもっとパワーアップ出来そうです」

ブーケファロス 4着

【決め手】
発馬五分から中団外目を追走。3~4角をそのまま外々を回る形から4角で動いて直線は外へ。直線序盤から半ばで外から伸びを見せ、最後の1Fも外からシッカリと伸びたが最後は内の先行馬を数頭交わすのが精一杯の4着まで。

大外枠という要素もあって終始外々を回る形。内目の先行馬が止まらないという馬場状態と展開であり、こうなると枠順によるコース取りの差は大きく出てしまった感じ。ただ最後の1Fはしっかりと伸びきっているし、この馬の持ち味である後半要素は出し切れた感じだろう。上位馬との0.3秒差数字的には大きい差になるが、内外のコース取りの差を考慮に入れるとそこまで悪い内容でもない。安定して末脚を使えている感じだし、少しでも前が苦しくなる展開なら出番がありそうなタイプだろう。

【レース後関係者コメント】
(松山弘平騎手)

「上手にスタートを出て、うまく脚がたまって、いい競馬でした。前が止まりませんでしたが、外からいい脚を使ってくれて、能力はあります」

アームズレイン 5着

【決め手】道中スムーズな追走も・直線伸び負け、後半要素で見劣り

発馬五分から好位追走の形。道中は折り合いに専念する形で少し下げて中団前目を追走から、3~4角を好位直後の中目を通して回って直線へ。直線は少し進路を確保しきれない状態ながらも追い出しに入って、半ばでそれなりの伸びを見せてくる。しかし最後の100m付近から少し脚が鈍る感じでゴール前では後続各馬に詰め寄られる様な感じになりながらも何とか5着は確保した。

好位直後~中団前目の位置からしぶとく粘り込むような形の内容。4角から直線序盤で僅かに包まれ気味というか進路の確保に手間取った感はあるが、そこまで致命的なものでは無く、最後は自身の脚も削がれ気味だった事からもロスのあった競馬とは言い難い。道中は抑える感じの追走だったし、3~4角も手応え良く回ってくるなどスピード面で見劣らなかったのは収穫。ただ直線で伸びきれずという面を見せていて、後半要素を問われて流石に見劣ったという感じになる。ちょっと現状では力の差を感じるレース内容になったと思う。

【レース後関係者コメント】
(北村友一騎手)

「速い時計に対応できたのが何よりです。調教では手前を替えて、返し馬でも操縦性が良くなっていましたが、競馬でなかなか(手前を)替えてくれなかったです。もっと器用にギアチェンジできる馬のはずですよ」

トラベログ 6着

【決め手】中団外目追走・直線外から伸びきれず・後半型の競馬に?
【レース後関係者コメント】
(富田暁騎手)

「隣の馬が速く、付いて行きました。3~4角でも手応えが良く、直線で外に出してしっかり伸びてくれました。1200メートルは合っているし、重賞でもやれる馬ですよ」

テラステラ 7着

【決め手】中団中目追走・直線序盤で外も差し届かず・展開噛み合わず
【レース後関係者コメント】
(岩田康誠騎手)

「良いものは持っていますが、サッと動く脚がなく、ジリジリといった感じでした。これからの馬だと思います」

カンチェンジュンガ 8着

【決め手】中団後方追走・直線差し届かず・展開噛み合わず
【レース後関係者コメント】
(藤岡康太騎手)

「二の脚で周りが速くて、後方からの競馬になりました。脚は見せていますが、この時計の決着になると厳しかったです」

タマモブラックタイ 9着

【決め手】好位追走・最後1F脚色鈍る・時計面で限界?
【レース後関係者コメント】
(角田大和騎手)

「18番枠でしたし時計も速い中、頑張っています。もう少し時計がかかれば、アドバンテージがありました。扱いやすくていい子なので、条件がそろえば」

メイショウピース 10着

【決め手】中団中目追走・直線差し届かず・直線進路取り少し噛み合わず?
【レース後関係者コメント】
(秋山真一郎騎手)

「初芝でしたが、道中もリズム良く、上手に走っていたと思います」

ヤクシマ 11着

【決め手】中団中目追走・4角で動く、最後1F脚色鈍る・前半で消耗大
【レース後関係者コメント】
(池添謙一騎手)

「かかっているわけではなく、まだ自分の体でハミを支えられません。緩いし、左右のもたれもあるので、もう少し体が成長すれば。1200メートルは合っていると思います」

コーパスクリスティ 12着

【決め手】中団後方内目・3~4角内通す、直線伸び負け・後半要素で見劣り
【レース後関係者コメント】
(西村淳也騎手)

「関係者のおかげで操縦性が良かったです。あの操縦性ならもう1ハロンあった方が良いと思います」

タツダイヤモンド 13着

【決め手】最後方待機・直線伸びきれず・位置取り後ろ過ぎ

トールキン 14着

【決め手】中団後方・直線伸びず、ムチ落としてヤメ・後半要素で見劣り
【レース後関係者コメント】
(吉田隼人騎手)

「テンションが高く、今日は競馬に向けては後ろ向きでした。道中、手綱を引かされるところがあり、かわいそうでした。自分の競馬が出来れば、スピードは足りると思います」

エレガントムーン 15着

【決め手】出負け、後方待機・直線伸びきれず・位置取り後ろ過ぎ

ペースセッティング 16着(3人気)

【決め手】発馬後に挟まれて前に行けず・後半要素引き出せず

発馬直後に両サイドの馬に挟まれる格好になって行き脚がつかず、諦めて後方からの競馬を選択。道中は後方外目に持ち出して、4角で外から進出を開始するも位置を上げきれずそのままの位置で直線は大外へ。直線は伸びらしい伸びを殆ど見せられず、最後の100mで諦めて結局16着の大敗。

発馬後の不運もあって前に行けず…という時点でほぼ終了だったかもしれない。切り替えて後方待機からの競馬を試みたが、直線で殆ど伸びを見せずで後半要素は全く引き出すことが出来なかった感じ。京王杯2歳Sの内容からならもう少し後半要素を見せてもおかしくないのだが、今回は全くと言っていいほど後半型の競馬で見所は無かったと思う。敗因は位置取りの問題という事になるのだが、この内容を見ると発馬後の不運が無くても好走できたかどうかは疑わしく、道中10秒台を連発する流れの追走で脚が削がれたかもしれない。本質的に1200mでは短いという可能性を考慮にいれて、次戦に改めて注目してみたいところ。

【レース後関係者コメント】
(安田調教助手)

「自分の形に持ち込めませんでした」

アンビバレント 17着

【決め手】押して好位追走・直線半ばで一杯、後退・速い流れで消耗

コスモイグローク 18着

【決め手】出負け気味、後方待機・直線一杯、ヤメ・スピード不足の感
【レース後関係者コメント】
(丹内祐次騎手)

「よく頑張ってくれました」

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